2009/6/6 水無月六日




「6月頃、白老で牛祭りがあるんですよ、連れて行ってくれませんかね?」
数週間ほど前にそんな事をスミス氏から打診された。

それは何ぞや?と思って調べてみると、こんなイベントのようだ。

要約するとみんなで焼き肉したり、牛の丸焼きを食べたりして楽しもうと言う祭りらしいが、
結構メジャーなお祭りらしく、あちこちから人が集まるらしい。

まあ当日は特に予定もないし、後輩から誘われたのに断る理由もなく、
天気はあまり良くないが、一路白老へと向かったのであった。


銭函より高速に入り、白老までGO!
高速料金は従前なら1400円だが、地方の高速割引制度が適用になり1000円。
しかも札幌南のI.Cを9時までに通過しなければならないと言う制約もない。
確かに便利なのだが、白老で降りても1000円、八雲まで走っても1000円となると、少し勿体ないと思ってしまう。

そして、だいたい1時間くらいで白老まで到着。


牛祭りの会場は白老インターに程近く、高速からのアクセスは非常に便利な位置にある。
(後の方に地図を載せておく)

しかし会場には多くの人が押し寄せるため、駐車場の台数が不足することを見越し、
近くにある特設駐車場に車を止め、そこからシャトルバスで会場へと移動することになっている。


という事で我々5名は駐車場にて車を降り、シャトルバスへと乗るべく移動した。
その際、私だけはカメラ機材の選別のため、他の人より2分程度バスへと向かうのが遅れた。

まあ、バスが発車するまではまだ、時間あるし大丈夫だろう、
そう思っていたら


「バスはただいま満席になりました。次のバスをご利用ください」

ちょっと待て、何このタイミング。ちょうど私の前で満席かい!



一人その場に取り残される私。
さて、私がおとなしく次のバスを待つか?待つわけがない。

「すみません、会場までの距離はどれくらいですかね?」
係員に尋ねると、
「1.3kmになります」

との答えが返ってきた。

次のバスが発車するのはちょうど10分後、
それを待つくらいなら、1.3km走った方が早い。


ひょんなことから小雨が降りしきる中、白老I.Cに程近き道をダッシュ。
前の方に見えるのが高速道路。しかしなんだか道路が長く感じるよ。

10分ほど走って思う。1.3kmより明らかに長いだろう。
いくら私が走るのが早くないとは言え、10分で1.3kmすら進めない事があろうか、いや、ない。
つまり私が道を間違ったか、それとも係員が嘘を言ったかだ。
こんな長い1.3kmはあり得ない。


移動中、後から来たシャトルバスに抜かれ、抜かれ、抜かれる。
途中からバスには乗れないので、ただバスが去っていくのを見送る他ないが
とりあえず、会場に向かうバスが通行していると言うことで、道を間違ったわけではないことは判明する。
だがしかし、これだったら10分待った方が早かったね。
こんなに距離があるんなら、大人しくバスを待ったぞ、全く。

雨の中を歩くのが億劫になっていたところにちょうどパトカーがやってきたので
ちょっとおちょくってみたら、ものすごい勢いで逆走して追いかけてきた。
パトカーさん、そんな事やる暇あったら、私を会場まで連れて行ってくれよ。


そして結局会場に着いた頃には、駐車場を出てから30分弱の時間が経過していた。
これのどこが1.3kmなんだよ。係員のうそつき。


でも実は、係員が嘘をついたわけではないんだな。
実は行きのバスが最短ルートを通っていないだけだったのだ。


付近の地図。牛祭り会場が赤い点、駐車場が紫の点だ。
行きのシャトルバスが通るルートであり、かつ私が走ったルートは赤い線で
帰りのシャトルバスが通るルートかつ最短ルートは緑の線で表した。

なるほど、これだけ遠回りすればそりゃ時間がかかるわな。
後ほど測ってみたところ、赤い線のルートは3.2kmほどあった。
まあ、肉を食べる前のいい運動にはなったよ。


会場では七輪を借りることができ、そこで地元の牛肉や魚介類、野菜などを焼いて食べる事ができる。
それ以外に食べ物の屋台も多数出店しており、そちらでたこ焼きやクレープも売られている。

私が合流する頃には、他4名は既に肉を食べたり、
白老ワインや地ビールを飲んだりと既に祭りを満喫していたようだ。

私は本日、運転者なのでアルコールは飲めないが、
そもそもそんなにアルコール好きじゃないし、別に全く問題ない。
それと私は、同行者がアルコールを飲んでようが気にする人じゃないので、
自分で言うのもなんだけど、こういう時のハンドルキーパーとしては向いているかもね。



白老の天気は残念ながら雨、だから傘を差しながらの焼き肉となってしまう。

男同士で一緒の傘って言うのも何だかね。まあツカサ君なら男でもいいか(何


しばらくすると、イベント会場に人が集まり始める。
どうやら、来賓の方々が挨拶を始めるようだ。

来賓ってだあれ?と思ったら、北海道知事の高橋はるみ さんでした。


その後、舞台は中央に移る。
白老牛祭りのメインイベント、牛の丸焼きの解体作業である。

最初にナイフを入れるのは北海道知事や白老町長など3名。
その後、一番最初に食べるのも彼ら3名。

という事で知事らが牛の丸焼きを食べる様子。(演出だが)
道新のカメラマンや、テレビ局のスタッフなど(左の方にいますね)に混じって撮影。


解体された牛の丸焼きはその場で販売されますが、販売箇所には長い行列ができました。
お値段は一皿500円。

次々と解体されていく牛さん。
一体、一頭の牛さんからどれだけの肉が取れるのでしょうか?
そして一皿500円で売ると、どれだけの値段になるのでしょうか?


私がそんな撮影を行っている中、よっけ君達は黙々と肉を焼いて食べていた。
周りの人達は雨のせいもあって、食べる勢いも緩やかなのだが
我々の集団だけ、延々と肉を焼いては食べ、肉を焼いては食べ、
牡蠣や帆立、螺貝などの魚介類も焼いて食べ・・・・・・。

我々の場合、むしろ雨が食欲を増進させている部分があるかもしれない。
晴天の下ならばきっと写真撮影する方にも力が入るが、
雨降りでいい写真が撮れないとなると、食べる方に力が入るよね、たぶん。

地元産の牛肉は流石に美味しかったが、肉1パックが1400円、
それに牡蠣や帆立に野菜も食べたし、私は飲んでいないが他の人たちは酒も結構飲んでいたようだし、
で、いったい肉何パック食べたっけ・・・・・・あまり深く考えない事にしよう、うん。


そろそろ引き上げようかと会場発のバスに乗ろうとすると、行列ができてる。
でも、もうさすがに帰りは歩く気無いぞ。行列してようと待ってバスに乗るぞ。





車に戻ったのが13時30分。さて、札幌に戻るか。

「どうせ君の事だから、行きと帰りのルートは別にするんだろ?だったら小樽のミルクプラントいかね?」
とnoct-氏。白老に行った後の寄り道が小樽というのも凄いが、
まだ今日は時間も早いし、ホロホロ峠、中山峠、朝里峠の三つの峠を越えるルートを通るのもありか。

でもねえ、問題はツカサ氏が「四時からバイトです」とか言っている事なんだよな。小樽市で。

三つの峠越えルートを経て小樽に向かうのは、二時間半ではちょっときつい。
リスクを考えれば選べない選択肢。

となると次に考えられるのが、苫小牧まで戻ってから支笏湖畔、国道453号を経て、
札幌市南区から小林峠経由で小樽へ向かうルート。
ただこれも常盤までは案外早いだろうけど、その後の市内移動がネックですなあ。

と言う事で国道36号線を札幌に向かって走る・・・・・・わけだが、
このペースだと余裕をもって時間までに小樽につけるか怪しいぞ。


ここで少し考えてみよう。

ケースT。もし支笏湖ルートを使って札幌に向かう場合。当然高速料金はかからないから1000円お得。

ケースU。さっさと高速道路で急いだ場合。十分すぎるほどの余裕をもって小樽に行けるが1000円かかる。

ケースV。一般道を走った結果時間までに間に合わず、ツカサ君がバイトに遅れることになってしまった場合。
ツカサ君はたぶんお怒りになるだろうね。そして今日の事を他の人達にも吹聴するだろうね。
「AAAさんについていったら、バイトに間に合いませんでした」と。
こういうことになってしまうと、例えば今後、後輩の女の子を誘ってどこかに出かけようした時とかに大いに障害になる可能性が高い。
「ツカサ君が言ってましたよ、AAAさんと出かけるとちゃんと時間までに帰れないって。だから一緒に行きたくないです」
とか言われたりするかもしれないんですよ。おお、これは怖い。
1000円(+別の道を走りたいと言う些細なこと)の為に失うものとしては大きすぎですよ。


結論。

苫小牧西I.Cから高速に入ります。
割引につき、白老から入っても同一料金だけどね。まあめったに使わない苫小牧西I.Cを使えたからいいか。

隣でnoct-氏が言う。
「お前、俺が同じ立場に置かれた時だったら絶対わざわざ俺の為に高速なんて使わないだろ」
私は笑顔でこう言いました。
「いいえ、あなたから高速料金相当額をいただいた上で(←ここ強調)、急ぎますよ」



さすが高速道路は早いや、千歳、恵庭、北広島、あっという間に札幌に戻ってきてしまった。

あ、故障車発見。

その後北郷I.Cの合流レーンで、私の前に強引に割りこんでくる大バカ者をやり過ごし、


手稲金山で少しお休みしつつ、銭函で高速を降りる。
15時15分にツカサ氏、下車。これでツカサ氏にあらぬ噂を吹聴されずに済みそうだぜ。





さて、このあとどこへ行こうかね。
「ルナ・コースト、行ってみたいっすね」スミス氏が言う。
ほう、ルナ・コーストに行きたいとな。いいでしょう、つれて行ってあげましょう。
「い、いや冗談っすよ、本当に入るんすか?」
「ちょっと。これ、だれか見てたらやばいっすよ」

ちなみにね、ルナ・コーストってのはこれ


あーあ、あらぬ噂を吹聴される要素を増やしちゃったね(何



ルナ・コースト(の駐車場)に入った我々4人は、その後予定通りミルクプラントを目指すことにした。



ただ真っ直ぐ、小樽の中心街を目指しても面白くないので、ちょっと寄り道。

道路が好きな人は知っている「桜ロータリー」、写真はその看板。
北海道広しと言えど、ロータリー交差点はここと旭川、釧路の三か所にしかないのよん。
(農道のロータリーなら、他にもあるんだけどね)


ロータリー交差点を、桜町中学校方面へと進むと、あまり普通の人は来ない小樽ビュースポットが。
二年前に来て以来、結構気に入っている場所だが、道が非常に狭いのと、坂が結構急なので走行注意。
ちなみに2年前に来た時のエピソードはこちら
似たような構図で撮った写真があるので、2年前と今日を比べてみても面白いかも?


坂を俯瞰で撮ってみた。急だって言った理由、お分かりいただけました?
(2年前と比べたら、写真うまくなったなぁ、と自画自賛)


そしていよいよ到着。小樽ミルク・プラント。総員デジタル一眼装備、突撃!



「お前ら全員、N・Y・ジャンボな」noct-隊長から指令が出る。

「えー、N・Y・ジャンボですか?あんなの食べたらOPPになりますよ」とよっけ君。


???
OPPになる?どういう意味だ?私にはよく意味が分からなかった。
私が知っているOPPと言えば


【OPP】(Oriented Polypropylene)
2軸延伸ポリプロピレンの略称。いわゆる透明なパッケージ袋の素材である。
この素材で作られたパッケージ袋はクリスタルパックとも呼ばれる。
軽量かつ安価で、透明度や光沢、防湿性に優れており、食品や小物類をはじめ各種包装に使われている。
同じくポリプロピレンを原料とした包装材料としてはCPP、無延伸ポリプロピレンがあるが
こちらとの違いは、引っ張った際に伸びるか伸びないかである。
(OPPは延伸した状態であるため、それ以上伸びない)



もしくは



【OPP】(Ortho Phenyl Phenol)
芳香族炭化水素の一種で、フェノールの水酸基に対しオルト位でフェニル基を結合させた化学物質。
ビフェニルとは似た構造であり、その用途もほぼ同一である。
防カビ効果があり、柑橘類の表皮に散布または塗布などすることにより防カビ剤として使用される。
代表的なポストハーベスト農薬(収穫後の農作物に散布される農薬)であり、
収穫後に高濃度で使用される事から、健康への被害が懸念されている。
一時期は日本国内では食品に使ってはいけない物質だったが、
アメリカの外圧によって食品添加物として認められるに至ったいわくつきの化学物質である。











まあいい・・・・・・参考までに説明しておくと、ここのソフトクリームには
レギュラー、ロング、ジャンボ、N・Y・ジャンボの4種類のサイズがある。
レギュラーは普通サイズ、ロングは少し長め、ジャンボは大きめ、
そしてN・Y・ジャンボは・・・・・・


このサイズだこの野郎!(なんか前もどこかで、こんな表情のよっけ君を掲載した覚えがあるのだが、どこだっけ?)
そのくせ料金はたったの500円、おお、なんてお買い得なんだ。
凄いぞN・Y・ジャンボ。


でもね、こんなサイズの食べきれるか自信ありませんよ。


でも私も食べましたよ。noct-隊長の命令ですから。
私のはミルク&夕張メロン味、さて食べますか。


あら美味しい。案外このサイズでも行けるんじゃね?
と思っていたのは束の間だった。

・・・・・・もうだめぽ。



流石にこのサイズは強烈だった。
小樽からの帰り道の間、ずっと具合が悪いままだった。

「無理です、絶対お腹壊します、これ」
よっけ君が言う。


ちなみに彼の中でのOPPは「おなかピーピー」という意味らしい。
良かったね、2軸延伸ポリプロピレンとかオルトフェニルフェノールじゃなくて。


雨の中で肉食べて、ルナコーストに突撃して、巨大なソフトクリームを食べてフラフラになる旅。
ああだめだ、私についていくとこんな内容になるのだと思われたら、絶対女の子とかついてきてくれない。

・・・・・・今回はこうなっているだけであって、そうじゃない回もあるんだぞ、とだけ言っておくか。
説得力、無いけど。