2008/2/8 如月八日 その2





台湾高鐵台北站南下月台(台湾新幹線台北駅南行列車ホーム)である。
車体は日本の700系とほとんど変わらないが、オレンジラインが新鮮だ。
この写真がのっけから出てきたと言う事は・・・・・・そう言う事だ。

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前回までのあらすじ 旧正月なのに空港で外貨両替を忘れて台北の街まで来てしまった、 旧正月なので市中銀行は営業していない。でもお金は699元しかない。 さてどこで両替しようか? 詳しくは、その1を見ていただければいいわけだが、 そんなこんなで、どうやって台湾ドルを入手しようか困っていたわけだが、私はここで1つの決断を下した。 桃園國際機場に戻ろう。 タイムロスではあるが、それならば確実に両替できる。 しかし、桃園空港までのバス乗り場がわからないと言えばわからない。 だがその点も問題はなかった。 なぜなら高鐵桃園站から桃園國際機場までバスが出ていることを知っていたからである。 高鐵というのはいわゆる台湾新幹線だ。 言うなれば今回の旅は、台湾新幹線に乗る為に来たようなものなので、 台湾新幹線のことについてだけは詳しく調べてあるのだ。 高鐵台北から高鐵桃園まで台湾高速鉄道で移動し、そこからバスに乗り継げば 何の問題もなく桃園國際機場へと行けるではないか。 よし、これで行こう。 そうと決まれば台北駅に戻る。 ここは臺鐵(在来線)の駅と高鐵(新幹線)の駅が一緒なので、迷うことなく台湾高速鉄道に乗れる。 本当は台湾新幹線には、3日後くらいに高雄から台北まで乗る予定だったのだが まあいい、繰り上げだ。台湾入り初日である今日のうちに乗ってしまおう。 まずは切符を買わないとね。 台湾新幹線の乗車券体系は日本のものとは少し異なる。 日本では、在来線でも使える乗車券に新幹線特急券をプラスして新幹線に乗車するわけだが、 台湾新幹線では、臺鐵とは全く別の乗車券を購入することになる。 券売機や窓口も全く別物なので、間違って購入しないように気をつけなければならない。 と言う事で自動発券機のもとへ向かう。 現金も使えるタイプと、カードしか使えないタイプがあるので現金で買いたい人は注意する必要がある。 私はクレジットカードで購入する。 後は画面の案内に従ってボタンをぽんぽん押していき、 クレジットカードをぶち込んで、暗証番号を入力すればきっぷが出てくる。 こちらの制度では乗車券と特急券が別になっていない分、 中国語であると言う事を差し引いても、下手すれば日本の指定席券売機よりも使いやすいかもしれない。 尚、この台湾新幹線の券売機は、自駅発以外のきっぷでも購入可能だ。 ちなみに今回は指定席である。 高鐵台北〜高鐵桃園の距離は36.4キロ、日本で言えば東京〜新横浜程度、 普段なら自由席で済ませる距離ではあるのだが・・・・・・。 旧正月期間中の台湾新幹線は、全車指定席なのだ。 そのためこんな近距離でも指定席を使わないとならない。 もっとも台湾新幹線の自由席と指定制の差額は距離従量制だし、特定特急券制度もない。 実際今回の場合だと、指定席と自由席で30元の差しかない。気にするまでもないな。 台湾新幹線の地下ホームへと入りこみ、指定された車両に乗車する。 長さは12両編成なのでホームも結構長く、指定された車両まで行くのには少し時間がかかる。 そしていよいよ台北駅を発車。 しっかし、台湾で最初に乗った鉄道が台湾新幹線とはね。 列車は間もなく板橋駅に到着。ここもやはり地下駅のようだ。 板橋駅は台北駅から7.2キロ。東海道新幹線で言えば品川駅みたいなものだな。(開業の経緯は全く逆だがな) ちなみにこの区間を新幹線に乗ると40元、在来線の倍程度するとはいえ 東京から品川まで新幹線に乗ると在来線の6倍以上する事を考えると良心的な価格設定である。 車内の様子だが、殆ど日本の東海道新幹線と変わらないがな。 そもそも台湾新幹線の700T系が、日本の700系新幹線をベースに作られているから 当たり前と言えば当たり前なのだが。 板橋駅を出るといよいよ高速運転を行う。 車内風景は日本と変わらないとはいえ、後方に飛んでいく景色が日本のそれとはだいぶ異なる。 トンネルが多めなのが、新幹線らしいと言えば新幹線らしいが。 左奥 台北駅で買った駅弁(鶏肉とご飯が入っています) 60元 右奥 台北駅付近のセブンイレブンで買ったなっちゃん(奈奈子) 25元 手前 台北→桃園の指定席乗車券 160元 台北駅を出てから20分、列車は定刻どおりに桃園駅に到着。 うん、なんか短距離だけ新幹線に乗っても、感動が薄いな。 新幹線は遠くの都市間を結んでいるから新幹線なのであって、隣町まで新幹線で行ってもねぇ。 さらに言えば、初めて降り立った大地なので、距離と時間の感覚が良く分からん。 これってホントに早いの?って感じである。 私が初めて新大阪〜東京まで新幹線に乗った時も、往路を普通列車乗継でやってきたからこそ 新幹線の凄さを強烈に感じたわけであり、もし最初から新幹線で西へ向かっていたら 別にそうは思わなかったかもしれん。 桃園駅から列車に乗車する乗客たち。ちなみにここも地下駅だ。 ホーム端から700T系を。 しかし日本の新幹線を見慣れているとなんか違和感を感じる。車両がではなく、ホームとの調和が、だ。 イメージとしては、地下鉄の駅に新幹線が止まっているような感じを覚える。 新幹線がホームを去るのを見送った後、出口へ向かって歩き出す。 するとピピピピピピピっと笛の音が聞こえた。 先の方を見ると、ホームにいる係員が警笛を吹いて、ホームにひかれた黄色い線を指している。 私が線路側に寄って歩いていたため、係員に注意されたようだ。 階段を上ると、こんな場所についた。無駄に広い。 日本のこういうところは日本の新幹線と全く変わらんね。 そして新幹線の改札を出る。 私は使用済のチケットが欲しいので係員に申し出る。 「I want to take out this ticket. Please give me this used ticket.」 「ここに通せば大丈夫ですよ」[英語] どうやら台湾新幹線のチケットは、普通に自動改札を通せば 回収されることなくそのまま持って帰れるらしい。便利な仕様ですね。 高鐵桃園駅コンコース。地下駅なので開けた四角い形をしている。日本にはあまりないタイプの駅だ。 電光掲示板には列車の時刻が表示されている。見事なパターンダイヤだな。 駅周囲の様子。 見てのとおり、ホントに何もない所に駅を作ったような感じである。 尚、台湾新幹線についてもっと知りたい方は、ここを見てくれ。 台湾高速鉄道 日本語で書かれているので中国語が読めなくても安心だ。 (ところどころに翻訳ミスと思われる変な表現が見受けられるがね) 高鐵桃園駅から桃園國際機場へは統聯客運のバスで移動する。 所要時間は25分程度。料金は30元。 バスに乗り込んで座り発車を待っていると、運転士がこちらにやってきて何かを言っている。 「(解読不能)」[中国語] さて困ったぞ?どうすればいいんだ? 「我不会漢語、Please speak English.」 英語ならまだ聞き取れると思ったので、英語でしゃべってくれるよう頼む。 「(解読不能)」[中国語] うーん、何を言っているんだ? 行き先を間違ってないかとでも言いたいのか?それとも金を払えと言いたいのか? 「I will go to international airport. Was this bus fare paid deposit ?」 「(解読不能)」[中国語] 表現を変えてみよう。 「Should I paid bus fare ride on now ?」 「(解読不能)」[中国語] さて私の英語が意味不明なのか、それともそもそも英語が通じないのか。 困っていた矢先に、ほかの乗客の方が割って入ってくれた。 「あなた日本人?」[日本語] 「Yes , I'm Japanese.」 「このバスは運賃『サキバライ』なの。乗ったときに運賃箱にお金を入れるの」[英語、ただし『先払い』のみ日本語] 「Oh , sorry. 理解しました。謝謝」 と言う事で30元を運賃箱に投入する。 後からわかったことなのだが、運賃先払いか運賃後払いかは、 運転席の上部に点灯している文字を見ればわかるようなのだ。 『上』が点灯しているバスは乗車時に運賃を払う、 『下』が点灯しているバスは下車時に運賃を払うと言う事らしい。 これを覚えていれば、私のようにアホな会話を繰り広げなくてすむので、 台湾に行く際はぜひ覚えておきましょう。 尚、両替は非対応のようなので、小銭の準備をしておいた方がいいようだ。 尚、助け船を出してくれた人は子供を連れたお母さんのようだったのだが、 5歳程度の子供に対して中国語、英語、そして日本語の三ヶ国語で話しかけている。 この女性がすごいのか、それともこれが標準なのかは把握しかねるが、 もし後者なら、日本が追い越されるのもそう遠い未来ではないかもと感じた。 我々も、堕落していないで頑張らねば。 バスはしばらく台湾新幹線の線路と並走したのち自動車専用道に入り、空港を目指す。 ほどなくして桃園國際機場に到着。 長かったな。しかしともあれ桃園國際機場に戻ってまいりました。 速やかに両替所に行き、3万7千円を一気に両替する。 これで所持金が10723元になりました。これなら足りないと言う事は無いだろう。 両替を終え、空港内を歩いているとインターネットにつながったパソコンを発見。 せっかくなので美櫛を更新していく。 以下はその時書いた文章。 -------------------------------------------------------------------------------- aa,kyusyogatsu ああ、旧正月 This computer in Toen international airport. このパソコンは桃園国際空港にある。 But the system not into Japanese. しかしシステムが日本語入力に対応していない。 ro-maji uchinarakanoudaga,amarinimomitekuregawarui. ローマ字打ちなら(一応表示することが)可能だが、あまりにも見てくれが悪い。 However,I cant write English. worry. しかし、私は英語を書けない。困った。 tukeaff3hdwe.q/,b4e44atqm3.t[,q[;m9/ueq[4,. かなの位置は把握しているため、こういう打ち方もあるが、誰も読めないだろう。 (Chinaese keyboard is key-matrix different Jananese it) (中国語キーボードはキー配列が日本語キーボードと異なる) Maa,shikatanai.koredeikuka. まあ、仕方ない。これ(ローマ字直接記述)で行くか。 nazeka,watashihaimadani,[toen airport]ni,iru. なぜか、私は未だに「桃園国際空港」に居る。 kokode,saisyoni3000yendake,ryougaeshita. ここで、最初3000円だけ両替した。 machinakano,ginkounohouga,re-togaiikara, hitsuyousaisyougennitodometanoda. 街中の銀行の方が(両替為替)レートがいいから、 (両替する現金を)必要最小限にとどめたのだ。 sonogo,taipeishinainoginkouhe. その後、台北市内の銀行へ。 Excuse me. I want to Foreign exchange from JPY to TWD. すみません、日本円を台湾元に両替してください。 ginkouinn,iwaku 銀行員曰く kimiha,nihonjinkai? imaha,syougatsudakara,ginkouhadokomoyasumidayo. Nihondatte,isshodaro? 君は日本人かい?今は正月だから銀行はどこも休みだよ。 日本だって一緒だろ? OH! ああ、なんてことだ。 I back to international Airport. Lost more time and little money. よって私は国際空港へと戻った。 このせいで多くの時間と少しのお金を失ってしまった。 Tokorode,konokeyboard,kanjihauteruhazunanodaga kanjinyuryokunoshikatamowakaran. ところでこのキーボード、漢字は打てるはずなのだが 漢字入力の仕方もわからん。 iroiro,omowanu bloblem gaokiruna,kaigaiha... いろいろ思わぬ問題が起きるな、海外は・・・・・・。 -------------------------------------------------------------------------------- ※原文ではあまりにも見づらかったので、ここでは日本語訳を併記した。 空港のパソコンが日本語入力に対応していなかったので、このような変な文章を打たざるを得なくなったのだ。 こういう時、英語が打てれば問題ないんだけどねえ。 実際のものはこんなキーボードである。 見てのとおり記号の位置が日本のそれとは異なるため、英数キーボードとして使う際にも少し違和感を感じる。 さて、両替と言う一番大きな問題も片付いたし、台北に戻らないと。 しかし、ただバスで台北に向かうのでは面白くないし、 かといって再び新幹線に乗るのもあまり楽しそうではない。 なんか面白いルートはないかな、と考えた末に思いついたのは、 臺鐵の桃園駅から在来線で台北まで移動すると言うルート。 まだこちらの在来線には乗ったことがないし、同じルートを使うより面白いと思うのだ。 と言う事で、まずは高鐵桃園駅までバスで移動。 高鐵桃園駅からは桃園の市街地まで無料送迎バスが出ているので、それに乗り換える。 このバスが桃園車站行のバスである。 高鐵の駅から市街地までは距離があり、アクセスが悪いので、在来線との競争力を高めるため 免費(無料)にて運行されているのである。 そしてどこを走っているかも全く分からないまま、バスに揺られること45分、やっと終点に到着する。 終点はこんなところだった。どう見てもバスターミナルだね。 はて?私が行こうとしている桃園駅はどこだ?全く見当たらないが。 もしかして車站っていうのは、バスターミナルの事なのか? つまり桃園駅を目指したはずが、桃園バスターミナルに来てしまったのかも。 周囲はすでに日が落ちて真っ暗。あたりの様子は良く分からない。 とりあえずバスターミナルを出てみようか。 なんだか日本より街の雰囲気が暗いなあ。(と言うかここはそもそも街なのか?) 方向が分からない以上、あまり歩き回りたくはない。 全家便利商店(日本で言う コンビニエンスストア ファミリーマート)を見つけた。 とりあえず入ってみるか・・・・・・。 先に入ったセブンイレブンがそうであったように、 ファミリーマートも日本のそれとほとんど変わらない。 書籍コーナーにふと目をやってみると涼宮春日的憂鬱を見つけた。 このような書籍類は日本と対して値段が変わらない。 そのため食料等と比較すると相対的に割高に感じるのである。 (ちなみに食料は物にもよるが、だいたい日本の半額程度といった感じ) さてさて、ここからどうやって台北に帰ろうか?