2007/4/25 卯月二十五日





本日夜、大学のゼミの飲み会が行われた。
今年もまた、私のゼミの担当はO西先生である。

それこそ前回は馬鹿もほどほどにしろと言う馬鹿ばかりで
日記上で好き放題叩かせてもらったわけだが、
今回はそれなりにまともそうな人たちであり、
一人だけだけど女の子もいるし、昨年よりはまともになるのではないかと期待できそうだと思った。

と、宴会の途中で、O西先生(以下O)がこんな事を言い出した。

O「そういえばみんな、メイドカフェって行った事あるかい?」

行った事があるのは私だけだったようだが、O西先生は続けて
O「私は3回ほど行った事があるんだけどね、意外と普通の人が多かった。
  そういえばおっさんが、メイドさんに薀蓄をたれていたよ。おお、お前は梶井基次郎か?って」
A「檸檬ですか?」
O「そうそう、そのメイドさんが檸檬ちゃんって言ったのよ」
A「ハハハ、なるほど」


と、このネタで私とO西先生だけ盛り上がっていたわけだが、他の人たちはポカーンとした顔。


O「まあ、教養がある人のみ笑えるネタだね」
A「そういえば、教養がある人のみといえば、去年の罵詈雑言ネタがありましたね」
O「おおそうだ、あったあった。『私の罵詈雑言に耐え・・・・・・』って奴だね」


で、事のあらましを説明した次第だが・・・・・・。


U「罵詈雑言って何ですか?」
I「僕も知りません」
W「俺もわからない」
T「何ですか、それ?」


・・・・・・またしても私とO西先生で驚く事となった。
もっとも、知らなくても当たり前だ、常識だと開き直らないだけ前の人たちよりはましか。

何なの何なの?本当に今の人間はこの程度の四字熟語が通じなくなってしまったの?
と言っても、私の友人との間や、写真部の中などではこの話題をネタにして笑えるわけだから
同世代の世間一般の人たちの常識がそうであるとは言えない。

そうだ、明後日行われる写真部の新入生歓迎会で、四字熟語を多用してみて反応を試してみよう。
ちゃんと話が通じればそれでよし、通じなければ・・・・・・どうしようか?
返答でも聞いてから考えるか。
「そんな言葉があるんですね、知りませんでした」
なら救いようがあるが、
「そんなの知っていなくて当たり前ですよ」
「俺らはみんなそんな事知りませんよ」
って言うようなら・・・・・・もう知らん、帰れ。



宴会は他の人たちがあまり喋らないので、私が多く喋る羽目になり、
少々手の内を明かしすぎたため、他のゼミ員達に多大な驚きを与えてしまったようだが
ともかく宴も終わり、さあ帰るか、と思ったら、O西先生がとんでもない事を言い出した。


O「それじゃあAAA君、二次会はメイドカフェがいいなあ。
  創成川の東側にあるメイドカフェでうちの学生が働いているという噂を聞いたんだけど、その店知らない?」



え?メイドカフェ行く気ですか?さっきの話は本気ですか?



A「いや、行こうとしたことはあるのですが、行った事はありませんよ」
O「じゃあ場所は知っているんでしょ?行こう」
A「いいえわかりません、前に行こうとしたときは定休日だとわかったので」
O「別の店でもいいから、すすきのにも何店かメイドカフェあるんでしょ?」
A「メイドカフェって店によっては、もうこれくらいの時間は閉まっていますよ」
O「まあともかく閉まっていてもいいから、お店の前まで連れてって」


何でこんなにメイドカフェを強く主張するのだ。まさか、実はメイド好きですか・・・・・・?
ネタ的には面白いかな、と思って迂闊にメイドカフェに行ったことがあるなんて口外したのが拙かったか?


O「よし、2次会はメイドカフェ、みんなも行こう」
と号令をかけたものの、他のゼミ員は、
U「いや、今回は遠慮しておきます」
T「えーと、きょうはちょっと」


と私以外の全員が辞退。


かくして何故か私とO西先生とOBの人(本文中では『S』さんとします)の
三人でメイドカフェに行くという不思議な事になってしまった。


A「いや、でも創成川の東側の店の場所って本当に知りませんよ」
O「じゃあ別のところでいいから、狸小路の東端だっけ?そこ案内して」


ああ、どうしても行く気だよ。
もう拒否するのも疲れたし、ネタ的には面白いから、行ってやろうじゃないか。
キャバクラだったらネタが何だろうと行く気は無いけどな、不愉快だから。



と言う事でまずはプリムヴェールの前にやってきた。
しかし営業時間20:00まで、当然既に閉まっている。


A「やっぱり既に閉まっていますね」
O「じゃあ創成川の東側行ってみようよ、調べて」


全く諦める気はないらしい。
Sさんは車を取りに行くといって一時離脱、とりあえず私とO西先生でメイドカフェに突撃する事に。





そして結局やってきたのがここHoneyDrops



「いらっしゃいませ、ご主人様〜」
店の中は非常に狭く、カウンター形式である。我々と3名の先客で、座席は殆ど全て埋まった。
メイドさんは2名いるが、一人は研修中であり、普段はメイドさん1人の勤務体制のようだ。
以下文章中では、先輩のメイドさんをFさん、研修中のメイドさんをNさんとしますか。


Fさんによると、この店は他のメイドカフェに比べるとメイドさんまでの距離が近く、会話を楽しめるのが特徴らしい。
また入店できる人数も少ないので、メイドさんと話せる時間も長いようだ。
ご主人様(男性の客)は30分に1回注文しないとならないシステムのようだがな。


F「じゃあ注文何にします〜?」
O「よしカクテル行こう、どんなのあるの?」
F「これです〜、全部私が作ったカクテルなんですよ〜」


出されたカードには、聞いた事も無いカクテルの名前が書かれていた。
と言うかこれ、カクテルの名前とは思えないのだが・・・・・・。


F「9種類、全部飲んだら特典があるんですよ〜」
O「よし、じゃあ キ モ ヲ タ」


O西先生、何で数ある中からわざわざキモヲタを選ぶんですか・・・・・・。


そこで先客のいかにもヲタ風の人たちから、
「え?キモヲタ選ぶの?いや、俺達も飲んだ事無いけど」
と言われる。
F「キモヲタ、この中で一番人気が無いんですよ〜。私は美味しいと思うんですけど〜」
O「いや、大丈夫、Fちゃんがそういうならきっと大丈夫、キモヲタ」


このときに限らないが、O西先生はやけにメイドさんにいろいろ話しかける。
O西先生、本当にこの店きたの初めてですか?


F「領収書の宛名、何にします〜」
O「よし、何か名前考えろ」
A「うーんと・・・・・・じゃあ佐藤栄作で」
O「佐藤栄作かいいな。じゃあ俺は小泉孝太郎でいこう」


そして私は「メイドさんが挽くコーヒー」とやらを注文したのだが、
Nさんが、コーヒーにミルクを入れる際に溢してしまった。


N「ごめんなさい、すぐにお拭きしますね。」
F「まだはじめたばかりなんで慣れなくて〜」


まあどうでもいいや、と思っていたのだが、
先客のヲタの人たちが
「お、なにやらイベント発生中ですか」
「さっそくですか、いいですねえ」
と話しかけてくる。おそらくここの常連客だろうが、
どうやら私が今まで行った事があるメイドカフェに比べて、非常に常連率が高いと推測できる。
下手にメイドさんの悪口でも言おうものなら、殺されかねない雰囲気だ。


ここでSさんが合流する。それとほぼ同時にNさんの就業時間が終了し、先に帰っていった。


F「領収書の宛名、何にします〜」
S「何ですか、それは?」
O「領収書の宛名を決められるの、俺は小泉孝太郎、こいつは佐藤栄作」
S「何ですかそれ、佐藤栄作って首相じゃないですか」
A「東国春英夫、とかどうです」
S「うーん・・・・・・小渕恵三でお願いします」
F「おぶち、ってどういう字でしたっけ?」
O「AAA君、書いて差し上げなさい」


ちなみにO西先生はメイドさんに様々な話題や質問を振り続ける。
O「Fちゃんは何歳なのかなー、24歳くらい?」
O「Fちゃんはいっつもは何をやっている人なのー?」
O「Fちゃん、ミクシィやってるの?なんていう名前なの?」
O「Fちゃんが店にいるのは何曜日なの?Fちゃんが居るときに来たいなぁ」
O「あのリストバンドいいねえ、是非買いたいなー」


などなど。ようやるわ。
メイドカフェってこうやって楽しむものなのか?わからん。

続いてのO西先生は、カクテル「オレンジってレベルじゃねぇぞ」を注文。
一体どういうセンスで選んでいるんだろう。


O「この言い回しの元ネタってなんだっけ?」
A「『物売るっていうレベルじゃねぇぞ!』ですね」
O「ああ、そうそう、そうだったそうだった」


流石2ちゃんねらーである。

しかし、店の常連らしき“いかにもヲタでござい”といった人たちと対等に話すO西先生って・・・・・・。
O西先生があまりにも饒舌に話すので、Sさんも少々引っ込み気味である。


23時、メイドカフェとしての営業が終了するとともに、我々は店を出た。
しかしまさか、こんな展開になるとは思わなかったね。



そういえばO西先生はこんな事を仰っていた。
O「うーん、札幌のメイドカフェを全部回ってみて比べるのもいいかもしれないねえ」
O「せっかくだから曜日ごとに来て全部のメイドさんを見てみたいねえ」




あなたが札幌でメイド喫茶に行ったとき、もしかしたらそこにO西先生がいるかもしれない。