平 成 15 年 度
宅 地 建 物 取 引 主 任 者 資 格 試 験
問 題
次の注意事項をよく読んでから,始めてください。
(注 意)
1 これは試験問題です。問題は,1ページから24ページまで50問です。
2 試験開始の合図と同時に,問題のページ数を確認してください。もし落丁や乱
丁があった場合は,ただちに試験監督員に申し出てください。
3 答は,別の解答用紙に記入してください。
4 答は,各問題とも1つだけです。2つ以上の解答をしたもの,判読が困難なも
のは,正解としません。
解答は,解答用紙の注意事項をよく読み,所定の要領で記入してください。
5 問題中法令に関する部分は,平成15年4月1日現在施行中の規定に基づいて
出題されています。
〔問 1〕 意思無能力者又は制限能力者に関する次の記述のうち,民法の規定及び判
例によれば,正しいものはどれか。
1 意思能力を欠いている者が土地を売却する意思表示を行った場合,その親族
が当該意思表示を取り消せば,取消しの時点から将来に向かって無効となる。
2 未成年者が土地を売却する意思表示を行った場合,その未成年者が婚姻をし
ていても,親権者が当該意思表示を取り消せば,意思表示の時点に遡って無効
となる。
3 成年被後見人が成年後見人の事前の同意を得て土地を売却する意思表示を行
った場合,成年後見人は,当該意思表示を取り消すことができる。
4 保佐人が保佐人の事前の同意を得て土地を売却する意思表示を行った場合,
保佐人は,当該意思表示を取り消すことができる。
〔問 2〕 Aは,Bとの間で,B所有の不動産を購入する売買契約を締結した。ただ
し,AがA所有の不動産を平成 15年12月末日までに売却でき,その代金全額を受
領することを停止条件とした。手付金の授受はなく,その他特段の合意もない。こ
の場合,民法の規定によれば,次の記述のうち正しいものはどれか。
1 平成15年12月末日以前でこの停止条件の成否未定の間は,契約の効力が生
じていないので,Aは,この売買契約を解約できる。
2 平成15年12月末日以前でこの停止条件の成否未定の間は,契約の効力が生
じていないので,Bは,この売買契約を解約できる。
3 平成15年12月末日以前でこの停止条件の成否未定の間に,Aが死亡して相
続が開始された場合,契約の効力が生じていないので,Aの相続人は,この売
買契約の買主たる地位を相続することができない。
4 Aが,A所有の不動産の売買代金の受領を拒否して,故意に停止条件の成就
を妨げた場合,Bは,その停止条件が成就したものとみなすことができる。
〔問 3〕 Aは,自己所有の甲地をBに売却し引き渡したが,Bはまだ所有権移転登
記を行っていない。この場合,民法の規定及び判例によれば,次の記述のうち誤っ
ているものはどれか。
1 Cが,AB間の売買の事実を知らずにAから甲地を買い受け,所有権移転登
記を得た場合,CはBに対して甲地の所有権を主張することができる。
2 Dが,Bを欺き著しく高く売りつける目的で,Bが所有権移転登記を行って
いないことに乗じて,Aから甲地を買い受け所有権移転登記を得た場合,Dは
Bに対して甲地の所有権を主張することができない。
3 Eが,甲地に抵当権を設定して登記を得た場合であっても,その後Bが所有
権移転登記を得てしまえば,以後,EはBに対して甲地に抵当権を設定したこ
とを主張することができない。
4 AとFが,通謀して甲地をAからFに仮装譲渡し,所有権移転登記を得た場
合,Bは登記がなくとも,Fに対して甲地の所有権を主張することができる。
〔問 4〕 A,B及びCが,建物を共有している場合(持分を各3分の1とする。)
に関する次の記述のうち,民法の規定によれば,誤っているものはどれか。
1 Aは,BとCの同意を得なければ,この建物に関するAの共有持分権を売却
することはできない。
2 Aは,BとCの同意を得なければ,この建物に物理的損傷及び改変などの変
更を加えることはできない。
3 Aが,その共有持分を放棄した場合,この建物は,BとCの共有となり,共
有持分は各2分の1となる。
4 各共有者は何時でも共有物の分割を請求できるのが原則であるが,5年を超
えない期間内であれば分割をしない旨の契約をすることができる。
〔問 5〕 Aは,B所有の建物に抵当権を設定し,その旨の登記をした。Bは,その
抵当権設定登記後に,この建物をCに賃貸した。Cは,この契約時に,賃料の6カ
月分相当額の300万円の敷金を預託した。この場合,民法の規定及び判例によれば,
次の記述のうち正しいものはどれか。
1 Bが,BのCに対する将来にわたる賃料債権を第三者に譲渡し,対抗要件を
備えた後は,Cが当該第三者に弁済する前であっても,Aは,物上代位権を行
使して当該賃料債権を差し押さえることはできない。
2 Bの一般債権者であるDが,BのCに対する賃料債権を差し押さえ,その命
令がCに送達された後は,Cが弁済する前であっても,Aは,物上代位権を行
使して当該賃料債権を差し押さえることはできない。
3 Aが物上代位権を行使して,BのCに対する賃料債権を差し押さえた後は,
Cは,Aの抵当権設定登記前からBに対して有している弁済期の到来している
貸付金債権と当該賃料債権とを相殺することはできない。
4 Aが物上代位権を行使して,BのCに対する賃料債権を差し押さえた後,賃
貸借契約が終了し建物を明け渡した場合,Aは,当該賃料債権について敷金が
充当される限度において物上代位権を行使することはできない。
〔問 6〕 普通抵当権と元本確定前の根抵当権に関する次の記述のうち,民法の規定
及び判例によれば,正しいものはどれか。
1 普通抵当権でも,根抵当権でも,設定契約を締結するためには,被担保債権
を特定することが必要である。
2 普通抵当権でも,根抵当権でも,現在は発生しておらず,将来発生する可能
性がある債権を被担保債権とすることができる。
3 普通抵当権でも,根抵当権でも,被担保債権を譲り受けた者は,担保となっ
ている普通抵当権又は根抵当権を被担保債権とともに取得する。
4 普通抵当権でも,根抵当権でも,遅延損害金については,最後の2年分を超
えない利息の範囲内で担保される。
〔問 7〕 Aは,Aの所有する土地をBに売却し,Bの売買代金の支払債務について
CがAとの間で保証契約を締結した。この場合,民法の規定によれば,次の記述の
うち誤っているものはどれか。
1 Cの保証債務がBとの連帯保証債務である場合,AがCに対して保証債務の
履行を請求してきても,CはAに対して,まずBに請求するよう主張できる。
2 Cの保証債務にBと連帯して債務を負担する特約がない場合,AがCに対し
て保証債務の履行を請求してきても,Cは,Bに弁済の資力があり,かつ,執
行が容易であることを証明することによって,Aの請求を拒むことができる。
3 Cの保証債務がBとの連帯保証債務である場合,Cに対する履行の請求によ
る時効の中断は,Bに対してもその効力を生ずる。
4 Cの保証債務にBと連帯して債務を負担する特約がない場合,Bに対する履
行の請求その他時効の中断は,Cに対してもその効力を生ずる。
〔問 8〕 Aは,Bに対して貸付金債権を有しており,Aはこの貸付金債権をCに対
して譲渡した。この場合,民法の規定及び判例によれば,次の記述のうち誤ってい
るものはどれか。
1 貸付金債権に譲渡禁止特約が付いている場合で,Cが譲渡禁止特約の存在を
過失なく知らないとき,BはCに対して債権譲渡が無効であると主張すること
ができない。
2 Bが債権譲渡を承諾しない場合,CがBに対して債権譲渡を通知するだけで
は,CはBに対して自分が債権者であることを主張することができない。
3 Aが貸付金債権をDに対しても譲渡し,Cへは確定日付のない証書,Dへは
確定日付のある証書によってBに通知した場合で,いずれの通知もBによる弁
済前に到達したとき,Bへの通知の到達の先後にかかわらず,DがCに優先し
て権利を行使することができる。
4 Aが貸付金債権をEに対しても譲渡し,Cへは平成15年10月10日付,E
へは同月9日付のそれぞれ確定日付のある証書によってBに通知した場合で,
いずれの通知もBによる弁済前に到達したとき,Bへの通知の到達の先後にか
かわらず,EがCに優先して権利を行使することができる。
〔問 9〕 同時履行の関係に関する次の記述のうち,民法の規定及び判例によれば,
誤っているものはどれか。
1 動産売買契約における目的物引渡債務と代金支払債務とは,同時履行の関係
に立つ。
2 目的物の引渡しを要する請負契約における目的物引渡債務と報酬支払債務と
は,同時履行の関係に立つ。
3 貸金債務の弁済と当該債務の担保のために経由された抵当権設定登記の抹消
登記手続とは,同時履行の関係に立つ。
4 売買契約が詐欺を理由として有効に取り消された場合における当事者双方の
原状回復義務は,同時履行の関係に立つ。
〔問 10〕 Aが,Bから B所有の土地付中古建物を買い受けて引渡しを受けたが,建
物の主要な構造部分に欠陥があった。この場合,民法の規定及び判例によれば,次
の記述のうち正しいものはどれか。なお,瑕疵担保責任以下この問において「担
保責任」という。については,特約はない。
1 Aが,この欠陥の存在を知って契約を締結した場合,AはBの担保責任を追
及して契約を解除することはできないが,この場合の建物の欠陥は重大な瑕疵
なのでBに対して担保責任に基づき損害賠償請求を行うことができる。
2 Aが,この欠陥の存在を知らないまま契約を締結した場合,Bの担保責任を
追及して契約の解除を行うことができるのは,欠陥が存在するために契約を行
った目的を達成することができない場合に限られる。
3 Aが,この欠陥の存在を知らないまま契約を締結した場合,契約締結から1
年以内に担保責任の追及を行わなければ,AはBに対して担保責任を追及する
ことができなくなる。
4 AB間の売買契約が,宅地建物取引業者Cの媒介により契約締結に至ったも
のである場合,Bに対して担保責任が追及できるのであれば,AはCに対して
も担保責任を追及することができる。
〔問 11〕 借主Aは,B所有の建物について貸主Bとの間で賃貸借契約を締結し,敷
金として賃料2カ月分に相当する金額をBに対して支払ったが,当該敷金について
Bによる賃料債権への充当はされていない。この場合,民法の規定及び判例によれ
ば,次の記述のうち正しいものはどれか。
1 賃貸借契約が終了した場合,建物明渡しと敷金返還とは同時履行の関係に立
たず,Aの建物明渡しはBから敷金の返還された後に行えばよい。
2 賃貸借契約期間中にBが建物をCに譲渡した場合で,Cが賃貸人の地位を承
継したとき,敷金に関する権利義務は当然にCに承継される。
3 賃貸借契約期間中にAがDに対して賃借権を譲渡した場合で,Bがこの賃借
権譲渡を承諾したとき,敷金に関する権利義務は当然にDに承継される。
4 賃貸借契約が終了した後,Aが建物を明け渡す前に,Bが建物をEに譲渡し
た場合で,BE間でEに敷金を承継させる旨を合意したとき,敷金に関する権
利義務は当然にEに承継される。
〔問 12〕 Aが死亡し,それぞれ3分の1の相続分を持つAの子B,C及びD(他に
相続人はいない。)が,全員,単純承認し,これを共同相続した。この場合に関す
る次の記述のうち,民法の規定及び判例によれば,正しいものはどれか。
1 相続財産である土地につき,遺産分割協議前に,Bが,CとDの同意なくB
名義への所有権移転登記をし,これを第三者に譲渡し,所有権移転登記をして
も,CとDは,自己の持分を登記なくして,その第三者に対抗できる。
2 相続財産である土地につき,B,C及びDが持分各3分の1の共有相続登記
をした後,遺産分割協議によりBが単独所有権を取得した場合,その後にCが
登記上の持分3分の1を第三者に譲渡し,所有権移転登記をしても,Bは,単
独所有権を登記なくして,その第三者に対抗できる。
3 相続財産である預金返還請求権などの金銭債権は,遺産分割協議が成立する
までは,相続人3人の共有に属し,3人全員の同意がなければ,その債務者に
弁済請求できない。
4 Bが相続開始時に金銭を相続財産として保管している場合,CとDは,遺産
分割協議の成立前でも,自己の相続分に相当する金銭を支払うよう請求できる。
〔問 13〕 Aが,Bに,A所有の甲地を建物の所有を目的として賃貸し,Bがその土
地上に乙建物を新築し,所有している場合に関する次の記述のうち,借地借家法の
規定によれば,誤っているものはどれか。
1 Bが,乙建物につき自己名義の所有権の保存登記をしている場合は,甲地に
つき賃借権の登記をしていないときでも,甲地をAから譲渡され所有権移転登
記を受けたCに対し,甲地の賃借権を対抗できる。
2 乙建物が滅失した場合でも,Bが借地借家法に規定する事項を甲地の上の見
やすい場所に掲示したときは,Bは,甲地に賃借権の登記をしていなくても,
滅失のあった日から2年間は,甲地をAから譲渡され所有権移転登記を受けた
Dに対し,甲地の賃借権を対抗できる。
3 Bが,乙建物を Eに譲渡しようとする場合において,Eが甲地の賃借権を取
得してもAに不利となるおそれがないにもかかわらず,Aがその賃借権の譲渡
を承諾しないときは,Bは,裁判所にAの承諾に代わる許可をするよう申し立
てることができる。
4 Bが,乙建物を1年以上自己使用しておらず,かつ,他人に譲渡しようとす
ることもない場合,Aは,裁判所に,相当の対価の提供を条件として,自ら乙
建物の譲渡及び甲地の賃借権の譲渡を受ける旨を申し立てることができる。
〔問 14〕 平成15年10月に新規に締結しようとしている,契約期間が2年で,更新
がないこととする旨を定める建物賃貸借契約(以下この問において「定期借家契
約」という。)に関する次の記述のうち,借地借家法の規定によれば,正しいもの
はどれか。
1 事業用ではなく居住の用に供する建物の賃貸借においては,定期借家契約と
することはできない。
2 定期借家契約は.公正証書によってしなければ,効力を生じない。
3 定期借家契約を締結しようとするときは,賃貸人は,あらかじめ賃借人に対
し,契約の更新がなく,期間満了により賃貸借が終了することについて,その
旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。
4 定期借家契約を適法に締結した場合,賃貸人は,期間満了日1カ月前までに
期間満了により契約が終了する旨通知すれば,その終了を賃借人に対抗できる。
〔問 15〕 不動産登記に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
1 不動産の登記申請において,申請書に必要な書面又は図面が添付されていな
い場合には,申請人が即日にこれを補正したときでも,登記官は,理由を付し
た決定をもって,当該申請を却下しなければならない。
2 抹消登記を申請する場合において,当該抹消される登記について登記上の利
害関係を有する第三者があるときは,申請書には,当該第三者の承諾書又はこ
れに対抗することができる裁判の謄本を添付しなければならない。
3 登記済証が滅失した場合に申請書に添付すべき保証書における保証人は,過
去に登記を受けた者でなければならないが,当該申請をする登記所以外の登記
所において登記を受けた者は,保証人となることができない。
4 登記原因を証する書面として執行力のある判決が添付されている場合でも,
法律の規定により第三者の許可がなければ権利変動の効力を生じないとされて
いるときは,別に当該第三者の許可を証する書面を添付しなければならない。
〔問 16〕 国土利用計画法第23条の届出(以下この問において「事後届出」とい
う。)に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
1 Aが所有する都市計画区域に所在する面積6,000uの土地をBに売却する契
約を,Aと,Bの売買契約の代理人であるCが締結した場合,CはC名義によ
り,事後届出を行う必要がある。
2 Dが所有する市街化調整区域に所在する面積4,000uの農地をEに売却する
契約を,農地法第5条の許可を停止条件としてDとEが締結した場合,Eは事
後届出を行う必要がある。
3 Fが所有する市街化区域に所在する面積5,000uの一団の土地を分割して,
1,500uをGに,3,500uをHに売却する契約をFがそれぞれG及びHと締結
した場合,Gは事後届出を行う必要はないが,Hは事後届出を行う必要がある。
4 甲市が所有する市街化区域に所在する面積3,000uの土地をIに売却する契
約を,甲市とIが締結した場合,Iは事後届出を行う必要がある。
〔問 17〕 都市計画法に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
1 高層住居誘導地区は,住居と住居以外の用途とを適正に配分し,利便性の高
い高層住宅の建設を誘導するため定める地区である。
2 第一種住居地域は,低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める
地域であり,第二種住居地域は,中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護す
るため定める地域である。
3 高度利用地区は,用途地域内において市街地の環境を維持し,又は土地利用
の増進を図るため,建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区である。
4 地区計画は,市街地の整備改善を図るため街区の整備又は造成が行われる地
区について,その地区内における建築物の容積率並びに建築物の高さの最高限
度及び壁面の位置の制限を定める計画である。
〔問 18〕 開発許可に関する次の記述のうち,都市計画法の規定によれば,誤ってい
るものはどれか。
1 市街化調整区域における農産物の加工に必要な建築物の建築を目的とした
500uの土地の区画形質の変更には,常に開発許可が不要である。
2 市街化区域における市街地再開発事業の施行として行う3,000uの土地の区
画形質の変更には,常に開発許可が不要である。
3 都市計画区域でも準都市計画区域でもない区域内における住宅団地の建設を
目的とした6,000uの土地の区画形質の変更には,常に開発許可が不要である。
4 準都市計画区域における医療施設の建築を目的とした5,000uの土地の区画
形質の変更には,常に開発許可が不要である。
〔問 19〕 開発許可に関する次の記述のうち,都市計画法の規定によれば,誤ってい
るものはどれか。なお,この問における都道府県知事とは,地方自治法の指定都市
等にあっては,それぞれの指定都市等の長をいうものとする。
1 開発許可を受けた開発区域内において,開発行為に関する工事が完了した旨
の公告があるまでの間は,開発許可を受けた者は,工事用の仮設建築物を建築
するとき,その他都道府県知事が支障がないと認めたとき以外は,建築物を建
築してはならない。
2 開発許可を受けた用途地域の定めのない開発区域内において,開発行為に関
する工事が完了した旨の公告があった後は,民間事業者は,都道府県知事が許
可したときを除けば,予定建築物以外の建築物を新築してはならない。
3 市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域において,民間
事業者は,都道府県知事の許可を受けて,又は都市計画事業の施行としてでな
ければ,建築物を新築してはならない。
4 都市計画法の規定に違反する建築物を,それと知って譲り受けた者に対して,
国土交通大臣又は都道府県知事は,都市計画上必要な限度において,建築物
の除却など違反を是正するため必要な措置をとることを命ずることができる。
〔問 20〕 防火地域内において,地階を除く階数が5(高さ25m),延べ面積が800u
で共同住宅の用途に供する鉄筋コンクリート造の建築物で,その外壁が耐火構造で
あるものを建築しようとする場合に関する次の記述のうち,建築基準法の規定によ
れば,正しいものはどれか。
1 当該建築物は,防火上有効な構造の防火壁によって有効に区画しなければな
らない。
2 当該建築物について確認をする場合は,建築主事は,建築物の工事施工地又
は所在地を管轄する消防長又は消防署長へ通知しなければならない。
3 当該建築物には,安全上支障がない場合を除き,非常用の昇降機を設けなけ
ればならない。
4 当該建築物は,外壁を隣地境界線に接して設けることができる。
〔問 21〕 建築基準法に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
1 市町村は地区計画の地区整備計画が定められている区域内において,条例で,
建築基準法第48条の建築物の用途制限を強化又は緩和することができる。
2 建築協定においては,建築協定区域内における建築物の用途に関する基準を
定めることができない。
3 都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域内において,地方公共団体は,
建築物の用途に関する制限を条例で定めることはできない。
4 第一種低層住居専用地域において建築することができる用途の建築物につい
ては,第二種低層住居専用地域においても建築することができる。
〔問 22〕 土地区画整理事業の換地処分に関する次の記述のうち,土地区画整理法の
規定によれば,正しいものはどれか。
1 換地処分は,施行者が換地計画において定められた関係事項を公告してする
ものとされている。
2 施行地区内の宅地について存する地役権は,行使する利益がなくなった場合
を除き,換地処分に係る公告があった日の翌日以後においても,なお従前の宅
地の上に存する。
3 換地処分に係る公告後,従前の宅地について存した抵当権は消滅するので,
換地に移行することはない。
4 土地区画整理事業の施行により生じた公共施設の用に供する土地は,換地処
分に係る公告があった日の翌日において,すべて市町村の管理に属する。
〔問 23〕 農地法に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
1 市町村が農地を農地以外のものにするため所有権を取得する場合,農地法第
5条の許可を得る必要はない。
2 市街化調整区域内の農地を宅地に転用する目的で所有権を取得する場合,あ
らかじめ農業委員会に届け出れば農地法第5条の許可を得る必要はない。
3 農地の所有者がその農地のうち2アールを自らの養畜の事業のための畜舎の
敷地に転用しようとする場合,農地法第4条の許可を得る必要はない。
4 遺産の分割により農地の所有権を取得する場合,農地法第3条の許可を得る
必要はない。
〔問 24〕 宅地造成等規制法に規定する宅地造成工事規制区域(以下この問において
「規制区域」という。)に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。なお,こ
の問における都道府県知事とは,地方自治法の指定都市等にあっては,それぞれの
指定都市等の長をいうものとする。
1 規制区域内で過去に宅地造成に関する工事が行われ,現在は造成主とは異な
る者がその工事が行われた宅地を所有している場合,当該宅地の所有者は災害
が生じないようその宅地を常時安全な状態に維持するよう努める必要はない。
2 規制区域内の宅地において行われる切土による土地の形質の変更に関する工
事で,当該宅地に高さ1.5mのがけが生じ,かつ,その面積が600uのときに
は,造成主は,あらかじめ都道府県知事の許可を受けなければならない。
3 新たに指定された規制区域内において,指定の前にすでに着手されていた宅
地造成に関する工事については,その造成主はその指定があった日から21日
以内に,都道府県知事の許可を受けなければならない。
4 規制区域内の宅地造成に関する工事の検査済証が交付された後,宅地造成に
伴う災害防止上の必要性が認められるときは,都道府県知事は宅地の所有者に
対して,当該宅地の使用を禁止又は制限をすることができる。
〔問 25〕 次の記述のうち,正しいものはどれか。
1 地すべり等防止法によれば,ぼた山崩壊防止区域内において,土石の採取を
行おうとする者は,原則として都道府県知事の許可を受けなければならない。
2 港湾法によれば,港湾区域内において,港湾の開発に著しく支障を与えるお
それのある一定の行為をしようとする者は,原則として国土交通大臣の許可を
受けなければならない。
3 文化財保護法によれば,史跡名勝天然記念物の保存に重大な影響を及ぼす行
為をしようとする者は,原則として市町村長の許可を受けなければならない。
4 自然公園法によれば,環境大臣が締結した風景地保護協定は,当該協定の公
告がなされた後に当該協定の区域内の土地の所有者となった者に対しては,そ
の効力は及ばない。
〔問 26〕 居住用財産を譲渡した場合における所得税の課税に関する次の記述のうち,
正しいものはどれか。
1 譲渡した年の1月1日において所有期間が10年以下の居住用財産を譲渡し
た場合には,居住用財産の譲渡所得の特別控除を適用することはできない。
2 譲渡した年の1月1日において所有期間が10年を超える居住用財産を譲渡
した場合において,居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例を適用すると
きには,居住用財産の譲渡所得の特別控除を適用することはできない。
3 居住用財産を配偶者に譲渡した場合には,居住用財産の譲渡所得の特別控除
を適用することはできない。
4 居住用財産の譲渡所得の特別控除の適用については,居住用財産をその譲渡
する時において自己の居住の用に供している場合に限り適用することができる。
〔問 27〕 住宅用家屋の所有権の移転の登記に係る登録免許税の税率の軽減措置の適
用に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
1 この税率の軽減措置は,木造の住宅用家屋で建築後24年を経過したものを取
得した場合において受ける所有権の移転の登記にも適用される。
2 この税率の軽減措置は,個人が自己の経営する会社の従業員の社宅として取
得した住宅用家屋について受ける所有権の移転の登記にも適用される。
3 この税率の軽減措置は,贈与により取得した住宅用家屋について受ける所有
権の移転の登記にも適用される。
4 この税率の軽減措置は,以前にこの措置の適用を受けたことのある者が新た
に取得した住宅用家屋について受ける所有権の移転の登記にも適用される。
〔問 28〕 固定資産税に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
1 年度の途中において土地の売買があった場合の当該年度の固定資産税は,売主
と買主がそれぞれその所有していた日数に応じて納付しなければならない。
2 固定資産税における土地の価格は,地目の変換がない限り,必ず基準年度の
価格を3年間据え置くこととされている。
3 固定資産税の納税義務者は,常に固定資産課税台帳に記載されている当該納
税義務者の固定資産に係る事項の証明を求めることができる。
4 固定資産税の徴収方法は,申告納付によるので,納税義務者は,固定資産を
登記した際に,その事実を市町村長に申告又は報告しなければならない。
〔問 29〕 地価公示法に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
1 土地鑑定委員会は,都市計画区域内の標準地について,毎年1回,一定の基
準日における当該標準地の単位面積当たりの正常な価格を判定し,公示する。
2 土地鑑定委員が,標準地の選定のために他人の占有する土地に立ち入ろうと
する場合は,必ず土地の占有者の承諾を得なければならない。
3 不動産鑑定士は,都市計画区域内の土地について鑑定評価を行う場合におい
て,当該土地の正常な価格を求めるときは,公示価格と実際の取引価格のうち
いずれか適切なものを規準としなければならない。
4 公示価格を規準とするとは,対象土地の価格を求めるに際して,当該対象土
地に最も近い位置に存する標準地との比較を行い,その結果に基づき,当該標
準地の公示価格と当該対象土地の価格との間に均衡を保たせることをいう。
〔問 30〕 宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する
次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば,正しいものはどれか。
1 建設会社Aが,所有宅地を10区画に分割し,宅地建物取引業者Bの代理に
より,不特定多数に継続して販売する場合,Aは免許を受ける必要はない。
2 農業協同組合Cが,所有宅地を10区画に分割し,倉庫の用に供する目的で,
不特定多数に継続して販売する場合,Cは免許を受ける必要はない。
3 甲県住宅供給公社Dが,住宅を不特定多数に継続して販売する場合,Dは免
許を受ける必要はない。
4 宅地建物取引主任者Eが,E名義で賃貸物件の媒介を反復継続して行う場合,
Eが宅地建物取引業者Fに勤務していれば,Eは免許を受ける必要はない。
〔問 31〕 宅地建物取引業法に規定する免許の基準に関する次の記述のうち,正しい
ものはどれか。
1 法人の役員のうちに刑法第159条私文書偽造等の罪を犯したことにより,罰
金の刑に処せられている者がいる場合は,免許を受けることができないが,刑
の執行後5年を経過すれば,免許を受けることができる。
2 法人の役員のうちに刑法第211条業務上過失致死傷等の罪により3年間の懲
役の刑に処せられている者がいる場合は,免許を受けることができないが,判
決に執行猶予がついていれば,直ちに免許を受けることができる。
3 法人の役員のうちに宅地建物取引業法の規定に違反して,懲役の刑に処せら
れている者がいる場合は,免許を受けることができないが,罰金の刑であれば,
直ちに免許を受けることができる。
4 法人の役員のうちに刑法第204条傷害の罪を犯したことにより,罰金の刑に
処せられている者がいる場合は,免許を受けることができないが,刑の執行後
5年を経過すれば,免許を受けることができる。
〔問 32〕 甲県に本店,乙県にa支店を置き国士交通大臣の免許を受けている宅地建
物取引業者A(個人)は,a支店の専任の取引主任者Bが不在になり,宅地建物取
引業法第15条の要件を欠くこととなった。この場合,Aの手続に関する次の記述
のうち,宅地建物取引業法の規定によれば,正しいものはどれか。
1 本店のみで宅地建物取引業を行う場合,Aは,a支店が所在する乙県知事を
経由して国土交通大臣にa支店の廃止の届出を行う必要がある。
2 a支店に専任の取引主任者Cを置き,宅地建物取引業を行う場合,Aは,C
を置いた日から2週間以内に専任の取引主任者の変更の届出を行う必要がある。
3 宅地建物取引業を廃止した場合,Aは,甲県知事を経由して国土交通大臣に
30日以内に廃業の届出を行う必要がある。
4 Aは,Bが2カ月間の入院をしたため,この期間,宅地建物取引業は行わな
いこととした場合,Aは宅地建物取引業を休止する旨の届出を行う必要がある。
〔問 33〕 甲県知事の宅地建物取引主任者登録(以下この問において「登録」とい
う。)を受けている取引主任者Aに関する次の記述のうち,宅地建物取引業法の規
定によれば,正しいものはどれか。
1 Aが破産者で復権を得ないものに該当することとなったときは,破産宣告を
受けた日から30日以内にAの破産管財人が甲県知事にその旨を届け出なけれ
ばならない。
2 Aは,乙県知事から事務の禁止処分を受けたが,乙県内に所在する宅地建物
取引業者Bの事務所の業務に従事しているため,その禁止の期間が満了すれば,
甲県知事を経由して,乙県知事に登録の移転の申請をすることができる。
3 Aが無免許営業等の禁止に関する宅地建物取引業法に違反して宅地建物取引
業を営み,懲役1年,執行猶予3年及び罰金10万円の刑に処せられ,登録を
消除されたとき,執行猶予期間が満了すれば,その翌日から登録を受けること
ができる。
4 Aが役員をしている C社が宅地建物取引業の免許を受けたにもかかわらず,
営業保証金を供託せず免許が取り消された場合には,Aの登録は消除される。
〔問 34〕 宅地建物取引業者A(甲県知事免許)に関する次の記述のうち,宅地建物
取引業法の規定に違反しないものはどれか。なお,本店と支店とは,もよりの供託
所を異にする。
1 Aは,1棟50戸のマンションの分譲を行う案内所を甲県内に設置し,その旨
を甲県知事に届け出た後,営業保証金を追加して供託せずに当該案内所におい
て分譲を開始した。
2 Aは,甲県内に1つの支店を新設したので,1週間後に営業保証金として
500万円を当該支店のもよりの供託所に供託した。
3 Aは,甲県内に2つの支店を新設し,本店のもよりの供託所に 1,000万円を
供託し,営業を開始した後,営業保証金を供託した旨を甲県知事に届け出た。
4 Aは,支店を廃止したため,Aの営業保証金につき,Aとの宅地建物取引業
に関する取引により生じた債権を有する者は3カ月以内に申し出るべき旨の公
告をしたが,申出がなかったので,営業保証金を取り戻した。
〔問 35〕 次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定に違反しないものはどれか。
1 信託会社Aは,国土交通大臣に対し事務所を設置して宅地建物取引業を営む
旨の届出をした後,営業保証金の供託又は宅地建物取引業保証協会への加入を
せず宅地建物取引業の業務を開始した。
2 宅地建物取引業者Bは,自ら売主として宅地建物取引業者でないCと4,000
万円の宅地の割賦販売の契約を締結し,引渡しを終えた。残代金1,000万円が
未払であったため,Cは代金債務を保証する保証人を立てたが,Bは,宅地の
所有権の登記をB名義のままにしておいた。
3 一の宅地建物取引業保証協会の社員である宅地建物取引業者Dは,自らが取
引の相手方に対し損害を与えたときに備え,相手方の損害を確実に補?できる
よう,他の宅地建物取引業保証協会に加入した。
4 宅地建物取引業者Eは,Fの所有する宅地を取得することを停止条件として,
宅地建物取引業者Gとの間で自ら売主として当該宅地の売買契約を締結した。
〔問 36〕 宅地建物取引業者Aが,宅地建物取引業法第35条の規定に基づき重要事
項の説明を行う場合に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
1 対象物件が,建物の区分所有等に関する法律第2条第1項に規定する区分所
有権の目的である場合,Aは,同条第4項に規定する共用部分に関する規約の
定めがあるときはその内容を説明する必要があるが,当該規約が未だ案である
ときはその内容を説明する必要はない。
2 売買契約の対象となる宅地が,建築基準法に基づき,地方公共団体が条例で
指定した災害危険区域内にある場合,Aは,条例で定められている制限に関す
る事項の概要を説明しなければならない。
3 賃貸借契約の対象となる建物について,高齢者の居住の安定確保に関する法
律第56条で定める終身建物賃貸借の媒介をしようとする場合,Aは,その旨
を説明しなければならない。
4 売買契約の対象となる宅地が,土壌汚染対策法で規定する指定区域内にある
場合,Aは,当該宅地の形質の変更を行おうとするときは,原則として,都道
府県知事への届出が必要である旨を説明しなければならない。
〔問 37〕 宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)第35条に規定す
る重要事項の説明又は法第37条に規定する契約が成立したときに交付すべき書面
に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
1 取引主任者が,法第37条に規定する契約が成立したときに交付すべき書面を
作成した場合は,自ら署名をすれば押印は省略できる。
2 建物の賃貸借契約において,宅地建物取引業者管理業務受託が貸主代理とし
て借主と契約締結した場合,法第37条に規定する契約が成立したときに交付す
べき書面は,借主にのみ交付すれば足りる。
3 宅地の売買について,売主A,Aの媒介業者B及び買主の媒介業者Cの三者
がいずれも宅地建物取引業者である場合は,B及びCのみならず,Aも,買主
に対して法第35条に規定する重要事項の説明をすべき義務を負う。
4 宅地建物取引業者は,抵当権に基づく差押えの登記がされている建物の賃貸
借を媒介するに当たり,貸主から当該建物の差押えを告げられなかった場合は,
法第35条に基づき借主に対して当該建物の上に存する登記の内容を説明する
義務はない。
〔問 38〕 宅地建物取引業者Aが,自ら売主として,宅地建物取引業者でないBとの
間で締結した売買契約に関する次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定に違反し
ないものはどれか。
1 Aは,Bとの間で3,000万円の宅地の売買契約を締結したが,契約前に当該
宅地の周辺の価格が値上がりしているので,2年後には,当該宅地の価格が上
昇し,Bが転売によって利益を得ることが確実である旨の説明を行った。
2 Aは,Bとの間で建築工事が完了した1億円の新築マンションの売買契約を
締結し,宅地建物取引業法第41条の2に規定する手付金等の保全措置を講じた
うえで,当該マンションの引渡し前に2,000万円を手付金として受領した。
3 Aは,Bとの間で3,000万円の宅地の売買契約を締結したが,契約当日,B
が手付金を一部しか用意できなかったため,残りの手付金をAが貸し付け,契
約の締結を誘引した。
4 Aは,Bとの間で3,000万円の宅地の売買契約を締結したが,特約の定めに
より,Bの債務不履行を理由とする契約解除に伴い,500万円の損害賠償及び同
額の違約金をそれぞれ請求した。
〔問 39〕 宅地建物取引業者Aが,自ら売主となり,宅地建物取引業者でない買主と
の間で締結した宅地の売買契約について,買主が宅地建物取引業法第37条の2の規
定に基づき売買契約の解除(以下この問において「クーリング・オフ」という。)
をする場合に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
1 買主Bは,20区画の宅地を販売するテント張りの案内所において,買受け
を申し込み,契約を締結して,手付金を支払った。Bは,Aからクーリング・
オフについて書面で告げられていなくても,その翌日に契約の解除をすること
ができる。
2 買主Cは,喫茶店で買受けの申込みをした際に,Aからクーリング・オフに
ついて書面で告げられ,その4日後にAの事務所で契約を締結した場合,契約
締結日から起算して8日が経過するまでは契約の解除をすることができる。
3 買主Dは,ホテルのロビーで買受けの申込みをし,翌日,Aの事務所で契約
を締結した際に手付金を支払った。その3日後,Dから,クーリング・オフの
書面が送付されてきた場合,Aは,契約の解除に伴う損害額と手付金を相殺す
ることができる。
4 買主Eは,自ら指定したレストランで買受けの申込みをし,翌日,Aの事務
所で契約を締結した際に代金の全部を支払った。その6日後,Eは,宅地の引
渡しを受ける前にクーリング・オフの書面を送付したが,Aは,代金の全部が
支払われていることを理由に契約の解除を拒むことができる。
〔問 40〕 次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば,正しいものはどれか。
1 宅地建物取引業者は,その業務に関して,国土交通省令に定める事項を記載
した帳簿を一括して主たる事務所に備え付ければよい。
2 宅地建物取引業者の従業者である取引主任者は,取引の関係者から従業者証
明書の提示を求められたときは,この証明書に代えて宅地建物取引主任者証を
提示すればよい。
3 宅地建物取引業者は,国士交通省令に定める事項を記載した従業者名簿を,
最終の記載をした日から5年間保存すればよい。
4 宅地建物取引業者は,その主たる事務所に宅地建物取引業者免許証を掲げな
くとも,国土交通省令に定める標識を掲げればよい。
〔問 41〕 宅地建物取引業者Aが,自ら売主となり,宅地建物取引業者でない買主B
との間で,中古住宅及びその敷地である土地を,代金3,500万円,うち手付金500
万円で売買契約を締結しようとする場合に関する次の記述のうち,宅地建物取引業
法及び民法の規定によれば,正しいものはどれか。
1 相手方が契約の履行に着手するまでは,Bは手付金のうち250万円を放棄し
て,また,Aは1,000万円を償還して,契約を解除することができる旨の定め
をすることができる。
2 債務不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償額の定めがない場合,損
害賠償の請求額は,売買代金の額の2割である700万円が上限である。
3 Aは,契約締結日に手付金を受領する場合,その全額について受領後直ちに,
宅地建物取引業法第41条の2に規定する手付金等の保全措置を行わなければ
ならない。
4 Aが瑕疵かし担保責任を負うべき期間について定める場合,「引渡しの日から1
年」とする特約は無効であり,当該期間は「引渡しの日から2年」となる。
〔問 42〕 宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)に
加入している宅地建物取引業者Aに関する次の記述のうち,宅地建物取引業法の規
定によれば,正しいものはどれか。
1 Aは,自己所有の宅地を宅地建物取引業者Bに売却する場合,売買契約が成
立するまでの間に,Aが保証協会の社員である旨の説明は行わなくてもよい。
2 Aと宅地建物取引業に関し取引をした者が,その取引により生じた債権に関
し,弁済業務保証金について弁済を受ける権利を実行するときは,保証協会の
認証を受けるとともに,必ず保証協会に対し還付請求をしなければならない。
3 Aが,支店を廃止し,Aの弁済業務保証金分担金の額が政令で定める額を超
えることとなった場合で,保証協会が弁済業務保証金分担金をAに返還すると
きは,弁済業務保証金に係る還付請求権者に対し,一定期間内に認証を受ける
ため申し出るべき旨の公告をする必要はない。
4 Aは,保証協会の社員の地位を失ったときは,当該地位を失った日から2週
間以内に,営業保証金を本店のもよりの供託所に供託しなければならない。
〔問 43〕 宅地建物取引業者Aが,B所有の宅地の売却の媒介の依頼を受け,Bと専
任媒介契約(以下この問において「媒介契約」という。)を締結した場合に関する
次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば,正しいものはどれか。
1 Aは,媒介により,売買契約を成立させたが,Bから媒介報酬を受領するま
では,指定流通機構への当該契約成立の通知をしなくてもよい。
2 Bから指定流通機構には登録しなくてもよい旨の承諾を得ていれば,Aは当
該宅地に関する所定の事項について,指定流通機構に登録しなくてもよい。
3 Aは契約の相手方を探索するため,当該宅地に関する所定の事項を媒介契約
締結日から7日休業日を含む。以内に指定流通機構に登録する必要がある。
4 媒介契約の有効期間の満了に際して,BからAに更新の申出があった場合
(その後の更新についても同様),3月を限度として更新することができる。
〔問 44〕 宅地建物取引業者Aが,単独で又は宅地建物取引業者Bと共同して店舗用
建物の賃貸借契約の代理又は媒介業務を行う際の報酬に関する次の記述のうち,宅
地建物取引業法の規定によれば,正しいものはどれか。なお,消費税及び地方消費
税に関しては考慮しないものとする。
1 Aが,単独で貸主と借主双方から媒介を依頼され契約を成立させた場合,双
方から受けることができる報酬額の合計は借賃の1カ月分以内である。
2 Aが,単独で貸主と借主双方から媒介を依頼され 1カ月当たり借賃50万円,
権利金1,000万円権利(設定の対価として支払われる金銭であって返還されな
いもの)の契約を成立させた場合,双方から受けることのできる報酬額の合計
は50万円以内である。
3 Aが貸主から代理を依頼され,Bが借主から媒介を依頼され,共同して契約
を成立させた場合,Aは貸主から,Bは借主からそれぞれ借賃の1カ月分の報
酬額を受けることができる。
4 Aが貸主から,Bが借主からそれぞれ媒介を依頼され,共同して契約を成立
させた場合,Aは貸主から,Bは借主からそれぞれ借賃の1カ月分の報酬額を
受けることができる。
〔問 45〕 宅地建物取引業者Aの業務に関する次の記述のうち,宅地建物取引業法
(以下この問において「法」という。)の規定に違反しないものはどれか。
1 Aは,マンションの一室の賃貸借を媒介するに当たり,建物の区分所有等に
関する法律第2条第3項に規定する専有部分の用途について,管理規約で「ペ
ット飼育禁止」の制限があったが,借主に対し,そのことに関して法第35条
の重要事項の説明を行わなかった。
2 Aは,自ら売主となり,土地付建物の売買契約を締結したが,買主Bが当該
建物の隣に住んでいるので,都市ガスが供給されることを知っているとして,
Bに対し,ガスの供給に関して法第35条の重要事項の説明を行わなかった。
3 Aは,オフィスビルの所有者Cから賃貸借の媒介を依頼されたが,過去数次
にわたってCの物件について賃貸借の媒介をしていたことから,当該依頼に係
る媒介契約を締結したとき,Cに対し,書面の作成及び交付を行わなかった。
4 Aは,売主Dと買主Eとの間における中古マンションの売買を媒介するに当
たり,管理規約に定めのある修繕積立金をDが滞納していたが,Eに対し,そ
のことに関して法第35条の重要事項の説明を行わなかった。
〔問 46〕 住宅金融公庫の業務に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
1 住宅金融公庫は,貸付けを受けた者が災害により元利金の返済が著しく困難
となった場合は,原則として,主務大臣の認可を受けて,貸付けの条件の変更
又は延滞元利金の支払方法の変更をすることができる。
2 住宅金融公庫は,高齢者が自ら居住するための新築マンションの購入に必要
な資金の貸付けに係る償還については,死亡時に一括償還する方法によること
ができる。
3 住宅金融公庫は,貸付けを受けた者のうち当初期間経過後において所得が低
額であり,かつ,特に居住の安定を図る必要がある者として住宅金融公庫法施
行令で定めるものに対する貸付金の利率については,当初期間後の期間の全部
又は一部につき,その利率を当初期間の利率と同一の利率とすることができる。
4 住宅金融公庫は,大部分が住宅部分であるマンションの共用部分の改良を行
う管理組合法人に対して,その改良に必要な資金の貸付けを行うことができる。
〔問 47〕 宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち,不当景品類及び不
当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)の規定によれば,正
しいものはどれか。
1 未完成建売住宅を販売する場合,建築確認を受けていなくても,現に確認を
申請中であれば,「建築条件付き宅地分譲」と表示して広告することができる。
2 各種施設までの徒歩による所要時間を表示する場合は,直線距離80mにつ
き1分間を要するものとして算出した数値を表示し,また,1分未満の端数が
生じたときは1分間として計算して表示しなければならない。
3 中古住宅を販売する場合,当該住宅が建築後1年未満のものであれば,実際
に販売する価格よりも高い新築時の販売価格を,実際に販売する価格に併記し
て表示することができる。
4 広告においてLDK(リビング・ダイニング・キッチン)という文言を用い
る場合は,その部屋が居間,食事室兼台所として使用するために必要な広さ及
び機能を有しているという意味で用いなければならない。
〔問 48〕 宅地建物の統計等に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
1 平成15年地価公示(平成15年3月公表)によれば,平成14年における
全国の地価の概況は,住宅地で下落したものの,商業地では上昇に転じた。
2 平成14年版土地白書(平成14年6月公表)によれば,全国の土地取引面積
は平成3年以降毎年緩やかに減少し続けている。
3 平成13年度法人企業統計年報によれば,平成13年度における不動産業の経
常利益は,約1兆9,000億円であり,3年ぶりに増益になった。
4 平成14年建築着工統計(平成15年1月公表)によれば,平成14年の新設
住宅着工戸数は約 115万戸であったが,2年連続前年を下回った。
〔問 49〕 土地に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
1 地形図の上では斜面の等高線の間隔が不ぞろいで大きく乱れているような場
所では,過去に崩壊が発生した可能性があることから,注意が必要である。
2 断層は,ある面を境にして地層が上下又は水平方向にくい違っているもので
あるが,その周辺では地盤の強度が安定しているため,断層に沿った崩壊,地
すべりが発生する危険性は低い。
3 がけ崩れは,梅雨の時期や台風時の豪雨によって発生することが多く,がけ
に近接する住宅では日頃から降雨に対する注意が必要である。
4 地形図で見ると,急傾斜地では等高線の間隔は密になり,傾斜が緩やかな土
地では等高線の間隔は疎になっている。
〔問 50〕 建築物の材料に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
1 集成材は,単板等を積層したもので,伸縮・変形・割れなどが生じにくくな
るため,大規模な木造建築物の骨組みにも使用される。
2 木材の強度は,含水率が大きい状態の方が大きくなるため,建築物に使用す
る際には,その含水率を確認することが好ましい。
3 鉄筋コンクリート造に使用される骨材,水及び混和材料は,鉄筋をさびさせ,
又はコンクリートの凝結及び硬化を妨げるような酸,塩,有機物又は泥土を含
んではならない。
4 鉄は,炭素含有量が多いほど,引張強さ及び硬さが増大し,伸びが減少する
ため,鉄骨造には,一般に炭素含有量が少ない鋼が用いられる。