平成十六年度 火薬類取扱保安責任者試験 一般火薬学 甲種

問11 ペンスリット(PETN)が次の爆発反応を起こし,爆発温度Tが
  5,700Kのとき,ペンスリットの火薬の力fはおよそいくらか。
  (1)〜(4)の中から選べ。

     C(CH2ONO24―→4H2O+4CO2+2N2+C

   ただし,火薬の力fはf=V0T/273で得られ,V0はガス比容,
  ペンスリットの分子量は316とする。

    (1) 15,000 l・atm/kg    (2) 13,000 l・atm/kg
    (3) 10,000 l・atm/kg    (4) 8,500 l・atm/kg





問12 次の記述のうち,正しいものの組合せはどれか。(1)〜(6)の中から選べ。

  イ.エマルション爆薬は,硝酸アンモニウムを主成分とし,水,可燃剤,
   界面活性剤,中空粒子等からなる爆薬である。
  ロ.松ダイナマイトは,ニトロゲルを基剤とし,硝酸アンモニウム,ニ
   トロ化合物,可燃剤からなる爆薬である。
  ハ.硝安油剤爆薬は,硝酸アンモニウムと軽油を主成分とする爆薬であ
   る。
  ニ.トリプルベース無煙火薬は,ニトロセルロース,ニトログリセリン
   およびニトログリコールを基剤とする火薬である。

    (1)イ,ロ (2)イ,ハ (3)イ,ニ (4)ロ,ハ (5)ロ,ニ (6)ハ,ニ





問13 次の記述のうち,正しいものの組合せはどれか。(1)〜(6)の中から選べ。

  イ.ジニトロトルエンは,鋭感剤として産業爆薬の起爆感度を増大し,
   爆ごうの伝播を確実にするために配合される。
  ロ.硫黄は,着火性を向上させる可燃剤として配合される。
  ハ.アルミニウムは,減熱消炎剤として爆発温度を下げ,爆炎を小さく
   するために配合される。
  ニ.塩化ナトリウムは,安定剤として自然分解を抑制するために配合さ
   れる。

    (1)イ,ロ (2)イ,ハ (3)イ,ニ (4)ロ,ハ (5)ロ,ニ (6)ハ,ニ





問14 次の記述のうち,正しいものの組合せはどれか。(1)〜(6)の中から選べ。

  イ.アジ化鉛は,アルミニウムと反応してより鋭敏な金属塩をつくる。
  ロ.アジ化鉛は,発火点が高いので,耐熱電気雷管の起爆薬として用い
   られる。
  ハ.トリシネート(トリニトロレゾルシン鉛)は,静電気感度が小さい。
  ニ.トリシネート(トリニトロレゾルシン鉛)は,銃用雷管や建設用び
   ょう打銃用空包の起爆薬の主要成分である。

    (1)イ,ロ (2)イ,ハ (3)イ,ニ (4)ロ,ハ (5)ロ,ニ (6)ハ,ニ





問15 次の記述のうち,正しいものの組合せはどれか。(1)〜(6)の中から選べ。

  イ.黒色火薬は,吸湿して自然分解を起こすので,安定度試験が必要で
   ある。
  ロ.鈍性爆薬試験は,雷管がどの程度まで鈍感な爆薬を起爆させ得るか
   という雷管の起爆力試験である。
  ハ.カードギャップ試験は,カード枚数によって受爆薬の衝撃感度を求
   める試験である。
  ニ.水中爆力試験は,爆薬の動的効果を求める試験で,静的効果を求め
   ることはできない。

    (1)イ,ロ (2)イ,ハ (3)イ,ニ (4)ロ,ハ (5)ロ,ニ (6)ハ,ニ





問16 次の記述のうち,正しいものの組合せはどれか。(1)〜(6)の中から選べ。

  イ.電気雷管の添装薬は,雷管の発火秒時を制御するためのものである。
  ロ.電気雷管の電気抵抗は,雷管に挿入された白金線電橋の電気抵抗を
   いう。
  ハ.DS電気雷管による発破では,爆発作動の順を耳で判別できる。
  ニ.MS電気雷管による発破は,DS電気雷管による発破よりも砕石を
   細かくすることができる。

    (1)イ,ロ (2)イ,ハ (3)イ,ニ (4)ロ,ハ (5)ロ,ニ (6)ハ,ニ





問17 次の記述のうち,正しいものの組合せはどれか。(1)〜(6)の中から選べ。

  イ.爆薬の威力係数は,桜ダイナマイトの威力を基準として決められて
   いる。
  ロ.装薬孔径と爆薬径の差が小さいと,爆ごう中断を起こすことがあり,
   これをチャンネル効果という。
  ハ.掘削最終仕上げ予定線に通常より狭い間隔で発破孔を設け,主発破
   に先立って孔間にクラックをつくる発破法をプレスプリッティングと
   いう。
  ニ.発破で岩盤が破壊されるのは,主として爆発生成ガスの静的な圧力
   作用によるものである。

  (1)イ,ロ (2)イ,ハ (3)イ,ニ (4)ロ,ハ (5)ロ,ニ (6)ハ,ニ





問18 装薬孔を1列に配置した長いベンチ発破(ベンチの高さ10m,孔間隔3.5m,
  最小抵抗線3m,装薬孔数10孔)の1孔に装てんする適正装薬量はいくらか。
  (1)〜(4)の中から選べ。ただし,発破係数は0.2kg/m3とする。

    (1) 3kg  (2) 21kg  (3) 30kg  (4) 210kg
 
           (平面図)               (断面図)





問19 構造物を解体する発破で,下図のとおり電気雷管(抵抗1.0Ω(オーム),
  起爆に必要な電流2.0A(アンペア))35個を直列結合したものを20組並列結合
  した直並列回路によって電気発破を行う場合,何V(ボルト)の電圧が必要か。
  (1)〜(4)の中から選べ。
   この場合,発破母線(100m当たりの抵抗2.0Ω(オーム))の総延長は400mとし,
  発破器の内部抵抗は0Ω(オーム)とする。

    (1) 86  V(ボルト)       (2) 126 V(ボルト)
    (3) 390 V(ボルト)       (4) 600 V(ボルト)


    




問20 次の記述のうち,正しいものの組合せはどれか。(1)〜(6)の中から選べ。

  イ.Al(原子量27)は燃焼するとAl23(分子量102)を生成するので,
   Al1g当たりの酸素バランスは+0.89gである。
  ロ.ある爆薬(薬径30mm,薬長150mm,薬量100g,爆速5,000m/s)の砂
   上殉爆度は4であった。砂上殉爆試験で10cm離して一方の爆薬を起爆さ
   せたら殉爆した。
  ハ.硝酸アンモニウムとニトログリセリンをそれぞれ1モル爆ごうさせる
   と,発生するO2の量は等しい。
  ニ.爆薬Aの密度は爆薬Bの密度の1.2倍で,Aの爆速はBの爆速の1.3
   倍であった。Aの猛度はBの猛度の約2倍である。

    (1)イ,ロ (2)イ,ハ (3)イ,ニ (4)ロ,ハ (5)ロ,ニ (6)ハ,ニ


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