2009/3/19 弥生十九日







北海学園大学U部写真部 2009年3月の卒業式の記念として撮影した写真。
U部写真部は毎年、卒業式に後輩が駆け付けるのが通例になっているようで、
その結果、このような写真を撮る事もできるのだが・・・・・・。

尚、T部写真部においては、後輩が先輩の卒業を祝うという風習はない。





3月19日 木曜日 平日

本日は北海学園大学の卒業式が取り行われたが、
私は撮影スタッフとして現地に赴くことになった。

歴史において「もし」を、そして投資家が「たられば」は言ってはいけないのはわかっているが
もし、私がきちんと全ての単位を取り終えていたら、(卒業するだけなら十分可能だった)
そして、私が大学にやり残した事がないと言いきれていれば(ええ、言いきれないから今ここにいるんです)、
この卒業式が自分の卒業式になっていたパラレルワールドが存在していた筈だ。


尚冒頭の文章は、二年前の卒業式の日記に書いた際の文章が元になっている。
環境は全然変わっているはずなのに、一部改変で対応できてしまうのが不思議だ。


尤も、卒業式と言う行事は、卒業生からすれば人生の節目の行事と言えるだろうが、
スタッフとして参加する分には、数ある大学の行事の一つに、そして毎年ある卒業式の一つに過ぎない。
だから、2年前の文章を流用できてもおかしくないとは言えるかもしれない。

ただし、これはあくまでも一般論としてであり、
撮影者としての私は何度目の卒業式であろうが、本気で挑む事に変わりはない。
私が撮影の対象としている人たちは、一生に一度の大学のイベントなのだからな。


吹奏楽団の演奏と共に卒業生が続々と会場に入場してくる。
今年の卒業者は2000名強。


卒業生を撮るのが私の仕事ではあるが、吹奏楽団の活動を記録するのも仕事の一つである。
吹奏楽団やグリークラブの人々にとっても、卒業式は一つのイベントにすぎないが
それに懸ける情熱は、おそらく私の写真撮影に対するものと同じだろう。


式が始まり、全員起立。
中央よりやや左下、群衆が振袖で華やかな箇所があるが、そちらは人文学部の卒業生。
やはり人文学部は他学部に比べて女子学生が多いという事が、写真からも伺える。


真正面から撮影するとこんな感じ。
「もし〜だったならば」の世界を考えるなら、私は写真中央一番右側あたりにいることになるだろう。



このあと卒業証書の授与、学長の挨拶などが始まってしまえばアルバム撮影者としてはやることがないので
式場から外に出てRuminAriEさんと、しばし談笑していた。
おいおい、いくら学長の話が詰まらないからって、サボってないでちゃんと仕事しろよと思うかもしれないが、
撮るものがないのに式場内をウロウロしている方が却って邪魔というものだ。
よって撮らない時間に形式的に学長の話を聞いたふりしているより、
休むべき時はしっかり休んで、撮るべき時は一気に撮る。


そう、卒業証書授与の準備がされる頃には、それを余すところなく撮れるように集中力を高めておくのだ。


手前の教授陣から、一人一人卒業証書を受け取る。
学生の数が多いと、どうしてもこのような流れ作業で証書を手渡さざるを得なくなる。
もっとも、9月卒業すると式どころか、教室で証書を貰って終わりらしいが。


この写真はちょっと報道を意識して撮ってみた。
こういう写真、新聞とかに掲載されてそうじゃないかい?



ところで、読者の中には疑問に思う人もいるかもしれない。
きちんと単位を取っていたら自分の卒業式だったはずの卒業式に
撮影スタッフとして参加するのはどんな気分なの?と。

結論から言えば、どんな気分も何も、特別な感情は感じないな。

私自身が、こういう行事に対してドライだという事もあるが、
今回の私のケースにおいては、早い段階から自分の意思で卒業しないことを選んでいたので
既にこの卒業式に対してオブザーバーである事が確定していた。
だからもう、自分の中では立場の割り切りが終わっているんだな。

逆にもし、卒業した先の進路が確定していたのにもかかわらず
単位不足で卒業できなかったのだとしたら、ここまで冷静な反応はできなかったはずだ。


そしてさらに言うなら、私はへそ曲りなので
仮に自分が卒業する立場であろうと、写真撮影に回っている可能性は十分にある。
私の大学生活と写真は、切っても切り離せない関係だった以上、
最後まで撮影者として、有終の美を飾りたいと考えても不自然じゃない。

まあ、来年の卒業式の際に私がどのような立ち位置にいて、その時どのように考えるかは
その時になってみないとわからないがね。


式典が終わり、卒業生が外に出てくる。
ちなみにこの写真をはじめ、今日の撮影のメインに使っているのは
本日から導入したSIGMAの24mmF1.8のレンズ。
なかなかいい描写をしてくれはするのだが、如何せんもう少し広角が欲しい。

実は今現在、私のメインレンズであるTAMRONの17−50mmF2.8が修理に出ており
18−200mmのレンズはRuminAriEさんに使わせているため、
私が今使えるもっとも広角のレンズが24mmのもの。
40Dにおいて使うと、35mmフィルム換算で38.8mmの画角となり
集合写真などを撮るにはちょっと厳しい。


U部写真部から今年卒業した方々。
一番左のタクマさんはアルバム委員だったので、卒業式連続5回の出席記録を持つ。
私がその域に達するには、今回除いてあと2回卒業式に出なきゃ・・・・・・。(やりたくないです)


色とりどりの着物に身を包む卒業生達。
実は露出がだいぶアンダーだったので、なんとか補正したのは内緒にしたいが
見る人が見ればわかるので、内緒にするまでもないか。


上に同じ。
実は露出がだいぶオーバーだったので、なんとか補正したのは内緒にしたいが
見る人が見ればわかるので、内緒にするまでもないか。

多少のアンダーなら修正できるけど、白くとんでしまった箇所は直せない。
だから露出に自信がない時は、多少アンダーになるくらいで撮りなさい。
と、後輩にはいつも言っている私がこういう事をやってしまうと、まるで説得力がないですね。


一番右側、私と同じ写真部の鹿子さん。
彼女は私と違って優秀だったので、3年時終了時点で既に単位を取り終えており
就職活動も非常に順調だったため、満を持しての卒業である。
尚、こちらは最初から適正露出だ。


写真部員の中で、卒業式会場で会えたのは、鹿子さんだけで、
蟹沢氏やトーダ氏などとは、残念ながら会う事はできなかった。
いや、正確には私が他の人たちを撮影中に、後ろを通っていったので、
その場から離れることができなかった、が正しいかな。
せっかくだから、彼らの写真も撮りたかったのにな。


そして今年の卒業式は終わった。


卒業生が一人、また一人と去り、誰もいなくなった後に式場に入ってみるとそこには謎の光景があった。
カメラテストをしているのか、スクリーンには良く分からないものが映し出されている。
一体、何をやっていたのかは、まったくもって不明。


卒業式は終わったが、その後に卒業祝賀会がある。
例年なら会場は、中島公園駅付近にある札幌パークホテルの一室を貸し切って行われるのだが
今年は会場が分散し、パークホテルの何室かにまたがるどころか
近くにあるホテルライフォート札幌にまで及んでいる。
早い話が、会場確保に不手際があったと言う事だ。

そのせいで祝賀会は、学部ごとにバラバラに行われる。
つまり、今年の卒業生は学部が違う人たちと一緒に過ごす事はできない・・・・・・と。


後は何処を撮りに行くか・・・・・・だが、
女の子がいっぱいで華やかな人文学部がいいか、蟹沢さん探しに経済学部に行くか、
法学部へ行って、一緒に卒業するはずだった人達を撮るか。
と思いきや、
「AAA、お前はRuminArieさんと一緒に工学部へ撮影に行ってきてくれ」
と佐々木さんのご命令が。つまりライフォートまで行けと言うことか。

しかし工学部も不遇だね、日常においても山鼻キャンパスに隔絶されているのに
最後の最後、卒業祝賀会においてもこの仕打ちとはね・・・・・・。


ってことでライフォートの祝賀会会場へ行った。
流石工学部、女性がほとんどいない。
しばらく撮影していると、学長がやってきた。


本学学長の朝倉利光 氏(左)。工学部の教授でもある。
会場分散の影響により、全ての祝賀会の席を回って挨拶しているようである。


その後、恒例のビンゴ大会が行われる。
ところで、どうしてこの手のイベントでは毎回ビンゴなんだろうね。
定番だからと言えばそれまでだが、ありきたりでつまらないと言えばつまらない。
なら対案を出せ、といわれると困るけどね。
私が楽しめるものならいくらでも考えられるが、他の人が楽しめるかどうかわからぬ。


工学部の橋爪先生。
今まで数十回、卒業祝賀会に出席したが、ビンゴで景品が当たったのは今回が初めてだとか・・・・・・。


数少ない女性の工学部卒業者。
やはりパーティにはある程度女性がいた方が、華やかでいいよね。
そうじゃないと、学会の研究発表会みたいになってしまう。


ビンゴの景品が配られております。
ってあれ、なんでRuminArieさん、そこにいるんですか?


撮影していると、なぜか壇上にいるダイスケ氏を見つけた。
そういえば彼も今年で卒業か。
彼曰く、ここでAAAさんに会えるとは思ってませんでしたよ、と。


アルバムにはぜーーーーっったい使えないけど、こういう写真、私は大好き。


そして祝賀会を撮り終えた後、私はその足で某企業のグループディスカッションに参加するため、
去っていったのであった。



しかし、ずっと撮影していたせいで、どさくさにまぎれてお食事をいただく機会もなかったし、
卒業式と祝賀会の間に昼食をとる暇も無かった。
なんてことだ。


ところで・・・・・・私と一緒に撮影に従事していたRuminArieさんは、
その後、佐々木さんにケーキバイキングに連れて行ってもらったとか。

僕もケーキ、食べたかったです。
どうしてこの日にちょうど、グループディスカッションが入っているのか・・・・・・設定した企業を恨みます。




でも、卒業式を撮影するなんていう機会は、もう無いだろうしな。
いや、下手したら卒業式に出る機会さえ、もう無いかもしれないしな。
(前述したとおり、9月に卒業した場合、卒業式はないのです)

だが、ただでさえ波乱万丈な私の人生において、こういう予想は案外当てはまらなかったりする。
例えば、アルバム委員としてではなく仕事で卒業式を撮ることになる、だとか、
今年の夏もとんでもない事態が起こって9月卒業を逃す、とか
紆余曲折の結果大学院に進学し、3年後に大学院の卒業式がある、とかね。



ともあれ、一緒に入学した同輩達の多くが、今日を最後に二度と会わない事になるんだろうな。

さよなら、みなさん。
そして5月頃に届くであろう、私たちが作った卒業アルバムを是非見てね。