2008/7/5 文月五日






小樽港の搭乗用ブリッジ。絵的には好きな場所なのだが、
利便性から考えると毎回ここを通るのは正直億劫だ。



舞鶴−小樽航路。
関西から北海道へと移動する手段として、これ以上リーズナブルな手段を私は知らない。

関西から北海道、飛行機なら普通運賃で4万円、特割でも3万円を超えてしまう区間だ。
企業がポンと出してくれるならいざ知らず、個人的に使うときに気軽に使える値段ではない。

それに対してフェリーなら、2等の学割利用で7200円。
関西から北海道まで普通列車を乗り継げば、3日はかかってしまうことから
あの「青春18きっぷ」利用ですら、この値段に勝つのは難しい。

この値段に唯一対抗できるとすれば、18きっぷ+新潟−小樽航路の利用だろう。
ただし、移動に丸二日ほど費やさねばならない為、総合的に考えるとあまり有効とは思えない。


舞鶴港−小樽港の所要時間は高速船で20時間。
飛行機より18時間ほど多くかかる計算になるが、
その半分は、どちらにしろ寝ている時間と考えれば、
9時間分の時間を拘束される代わりに、2万円超の費用軽減を実現できたと考えることはできないだろうか?

しかも時間を拘束されるとはいえ、その時間がまったくの無駄になるわけではない。
本を読んでいようが、何かを書いていようが、DVDを見ていようが、自由だ。
そう考えれば、どうしても目的地間を素早く移動しなければならない事情さえなければ、
フェリーというのは非常に有効な移動手段であると言えるのではないか?

私の場合ここで、先日調達したASUSのモバイルノートが大活躍だ。
今までは、持ち込んだ資格試験のテキストを読み耽るくらいしかやることがなかったが、
今回からはフェリーの中にいる時間を、普段家にいてPCを使うときのような、
文書作成、表計算、動画視聴にゲームなどの時間に充てることができる。

まあ、洋上であるためインターネットに接続できず、
必要なファイルはあらかじめ用意しておかねばならないことや、
モバイルゆえにマシンスペックが限られるため、
Photoshopのような重いソフトは使えないこと、
内臓SSDの容量が小さいためにソフトウェアのインストールが限られることなどの制約はあるが<
そこら辺は事前準備と創意工夫で補えばよろしい。

ちょうどこの日記も、今まさに船内で書いているところだ。
これならば自宅に戻ってからやることは、
画像付加→HTML化→関連ファイルの書き換え→FTPでアップロードだけで済むので
今までに比べて速やかにアップロードすることができるだろう。

フェリーの船内にて後方に流れ行く海を見ながら日記を書く、
慌しく飛行機で帰る時間よりも贅沢な時間の過ごし方のような気がする。
これで外が快晴で、太陽光が船内に差し込んでくるようなら言うことないのだが、
残念ながら外は濃い霧に包まれており、少し先も見えないような状況だ。


本日未明からこの状況が続いているようで、
高速航行にも影響が出ており、既に遅延が決定している。

18時過ぎ、既に北海道沖まで来ている時間なのではあるが
相変わらずの霧模様で、右舷側を眺めてみてもまったく何も見えない。

全然写真がなくてつまらないので、挿絵風に撮った写真でも載せておく。





そういえば、本日この「あかしあ」に乗船したことをもって、
もしかしたら新日本海フェリーの現役就航船全てに乗船完了したかも。
舞鶴−小樽航路の利用は二度目だが、前回は「はまなす」への乗船だし
それ以外の航路は既に何度も利用しているのでね。
苫小牧東−敦賀間の「すいせん」に乗ったかどうかが少し怪しいといえば怪しいが。
(そこまで乗った航路ではないので、全部「すずらん」の方かも)



さてさて、せっかくフェリーの話が出てきたことだし、
こちらをお読みの皆様に、お得な新日本海フェリー利用の格安プランを紹介しよう。

新日本海フェリーさんは全然広告しないから、
商船三井フェリーさんのパシフィックストーリーに比べてまったく知られていないが、
小樽−新潟までのフェリーと、新潟−池袋のバスがセットになったツアー、
小樽−舞鶴までのフェリーと、舞鶴−新大阪のバスがセットになったツアーを設定している。
ヴィーナストラベル エコノミーきっぷ

学割が使える身分の私だとあまり恩恵がないものの、
そうでない人なら、この値段でこの距離を移動できる方法はそうそうないだろう。

さらにフェリーの一番のメリットは、夜ぐっすり寝られることだと思う。
同じ格安移動手段である深夜バスや「ムーンライトながら」などは、
夜間を移動に使え、安いという点では一緒だが、翌日への影響を拭い去れない。
だがフェリーなら、相部屋だとしても広々としたスペースを使って眠る事ができる。




何か最後までフェリーの宣伝みたいな日記になってしまった。
まあ、フェリー業界も、度重なる原油価格の上昇の影響をもろに受けており、
結構苦しい状況なので、是非どんどん利用してほしい。
特に新日本海フェリーは、他社と比較して割安であるとともに、
船舶の速度も非常に早く快適な船旅を楽しめる。

繁忙期である夏休み期間中はすこし値上がりしてしまうが、
それは他の交通手段でも一緒だし、飛行機ほど露骨な価格上昇はない。
青春18きっぷと組み合わせて格安旅行を楽しむのもまた一興だ。



こんなことを書いているうちにフェリーは小樽港へ到着。
いつの間にか遅延がさらに拡大していた。



フェリーターミナルまでの長いブリッジは、いつ見ても素敵。
ただ、歩く側にとってはただ長いだけの厄介者とも言える。

ちょっとここで撮影していたのと、荷物が馬鹿みたいに重いのでしばらく休んでいたのとで、
しばらくここにいたら、出入り口を閉鎖されてこの中に閉じ込められかけた。
あまり長居しすぎると危険だということだ。

船内で日記を書き終えたと思ったが、こんな内容を付加することになるとはね。