2008/7/27 文月二十七日





望来にある海水浴場である。
日曜日であり夏真っ盛りのと言う事もあり、多くの海水浴客が訪れていた。

考えてみれば札幌はある程度大きな街でありながら、自然も多いし、海も山もすぐに行ける。
夏はそこまで暑くないし・・・・・・普段考える事はないが、結構住むには良い街なのかもしれない。



最近、日記を全く更新しておらず、読者の方々の中には、
「いったい最近のAAA氏の状況はどうなっているのかな?」
「全く日記が更新されないけど、AAA氏は元気なのかな?」
などと心配されている方もいるかもしれない。(なんて自意識過剰な気もするが。

久々にまた、今現在の私の状況などでも掻い摘んで説明しておこうか。



実は明日から三日間、もう何度目か数えるのも面倒になった東京遠征が控えていたり
二日後に締め切りを控えたNHKや共同通信のエントリーシートを書くという作業が残っていたりして
日記を書いている場合ではないような気もするのだが。


それでも本日、日記書記に時間を費やそうと思ったのはちゃんとした理由がある。

日記を書くというのは私にとって自分の人生におけるフィードバック作業であるのだが、
最近ではそれを行う時間が不足しており、結果として自己を顧みる時間が無くなってしまった。

ここ最近、ずっと立ち止まる時間がなかったので少しだけでもゆっくり今の私を取り巻く状況を整理してみようと思う。


前回、水無月の某日の段階では、どこを受けてもまったく内定がでない状況を憂いでいたが、
今の状況は、あの時とはまた少し変わっている。

あの時は本当にどこもかしこも内定が出ないという状況だったが、
さすがにあれから先もあちこち受けまくったため、いくつかの企業から内々定はいただいた。
内々定をいただいた企業の名前はここでは伏せさせていただくが、
職種は殆どSE、勤務地は全て道外である。

しかし、このような状況になったらなったでまた、新たな憂いが押し寄せてくるのである。

この憂いは様々な要因が絡んでいるが、要素に分解すると大きく三つだろうか?


一、適職についての憂い

 私を良く知る人たちはご存じだろうが、
 私が昔志望していた職業は研究職や技術職といったバリバリ理科系の職種であった。
 だから法学部に進んだ現在でも、学部制限などの条件を覆してでも技術系職種に進もうなどと考えていた。
 しかし、そういった固定観念に囚われていたためか、
 私は本当に技術職として活躍したいのかを、じっくり考えてみる機会がほとんどなかった。
 考えてみようにも、走り始めてしまってからは、立ち止まることを許されなかった。
 今、私自身、本当に技術職をやりたいのかわからなくなっている。
 下手に、どんな事も出来るマルチ人間を目指してしまった為か、
 「どんな業種でも自分が能力を活かせる部門はあるし、どんな職種でも自分ができる事はある」
 なんて考えてしまうため、この後に及んでも自分が何をやりたいのか絞り込みができない。
 別に技術系じゃなくても、公務員なんて言うのも面白いかなと思っているし、
 新聞記者なんかも自分にあっているんじゃないかなんて考えたりもするし、
 法科大学院を経由して検察とか弁護士という道を模索する道も考えていないわけではない。
 果たして私が本当にやりたい事は一体何なのか?

二、教育課程についての憂い

 私を良く知る人たちはご存じだろうが、
 私はもともと法学部に行く気などあまりなく、専ら薬学部や理学部、工学部といった理科系の学部を志望していた。
 だが紆余曲折を経た結果、現在は理系学部ではなく、法学部の4年生になっている。
 しかし、本当にこれでよかったのだろうか?
 あれだけ理科系に憧れた俺が、理科系の知識を全く学ばないまま、社会に出て行っていいのだろうか?
 もちろん過去にさかのぼってやり直すことはできないから、
 今更何故法学部なんかに来たんだと後悔してもどうにもならないが、未来は変えることができる。
 法学部卒だって大学院工学研究科に進む手は残されているし、その気になれば学部再受験だって可能だ。
 周囲の人間は学部卒から就職するのが当たり前の人が多かったが、理科系の学部なら修士課程まで進む人も多い。
 だから、理科系を望むならば、就職でなく進学を考えるというのはそこまでおかしい道では無いと思うのだが・・・・・・。
 大学受験がうまくいかなかったからこんな事になった私が、進学の為に努力することができるのか?
 そして今の私は、本当に理科系の道へと進みたいのか?他にいい職業はないのか?

三、居住地についての憂い

 私を良く知る人たちはご存じだろうが、
 旅行好きでかつ鉄道マニアな私は、普通の人以上に移動が多い人間だ。
 そのため多くの街を見てきており、案外どんな街でも楽しめた人間である。
 だから最初の頃は、居住地は日本中どこでもそんなに問題はないだろうと考えていた。
 東京、大阪、名古屋、福岡、仙台、広島のような大都市にも、地方の県庁所在地クラスの都市にも、
 はたまたそれよりももう少し小さい町だろうがその土地その土地の良さがある。
 だからどこの土地であろうが私は楽しめると考えていた。
 しかし、それはあくまでも土地に関する要因についてでしかないという事に私は気付いていなかった。
 私が一番怖いのは、都会の通勤ラッシュや物価高でも、田舎の何もない環境や不便さでもない事に気付いたのだ。
 もし私が来年から札幌から離れれば、おそらくもって今まで札幌で構築してきた人間関係の多くは
 消滅、もしくはきわめて希薄になるだろう。それが怖いのだ。
 かといって、このまま札幌に留まるというのも、もったいない気がする。
 例えば内定企業のひとつは名古屋勤務が濃厚だが、名古屋を生活の基盤にすると言う事は
 愛知県や岐阜県、三重県などが近場になるということで、新たな発見というものは非常に多いだろう。
 これについては、人の輪を維持できるならば全く問題ないのだが・・・・・・。(言語の問題がある海外勤務はまた別だが)
 そんな都合のいい方法があるのだろうか?



先に進んでいったみなさんに問いたい。

チタン氏へ。
今の仕事は辞表提出寸前(もしくはもう提出したのかな?)まで行っているようだけど、
新卒ではなくなった今、たとえ不利だとわかっていても辞表を提出しようと思った動機はなんですか?

y@5u5hi氏へ。
カメラマンという仕事、選んで良かったと思いますか?
そして、なぜか那須や磐城へと転勤が続く人生ですが、それでもその会社に勤務して良かったと思いますか?

レビン氏へ。
もともとは大学院に進学するという予定だったのに、学部卒で働く事を決断した理由はなんだったのですか?
そして今現在、その選択は正しかったと思いますか?

K.K氏へ
今でもまだ、農学部や水産学部を経由して、食品関係の研究をするという道は考えているのですか?
そして学部時代、就活をしないという強い意志を貫き通すに至った動機はなんですか?


他にもいろいろと聞いてみたい人はいるけれど、紙面の都合もあるのでこの辺で。(何






なんか重苦しい日記になってきたので、ちょっとブレイクしてここからは普通の日記でも。






本日は日曜日、一応一日使える日であり、
ちょっとあいの里まで所要があったので、厚田方面まで足を伸ばしてきた。

日記前段にあったような理由でいろいろと悩んでいたのもあり、
場合によっては、今年が札幌で過ごす最後の夏になるかもしれないと思っていたので、
改めて札幌の近郊を少しだけドライブしてみようと思ったのだ。

あいの里から札幌大橋を渡り、当別へと抜けると、あっという間に街は消え、畑が広がる農村風景になる。
日本の中ではかなりの都会である札幌ではあるが、少し郊外へと走るとあっという間にこういう風景が味わえる。
考え方によっては、これも札幌の大きな魅力の一つではないだろうか?
空は青く、草木は緑、夏の爽やかな日差しの下を疾走しながらそんなことを考えていた。

比較的道路が走りやすいのも北海道の魅力である。
交通量があまり多くないし、農道クラスの道路でも十分に使い物になる。
これが本州だと、高速道路や主要幹線は走りやすいが、あくまで走りやすいだけで、面白くはない。
下手に県道に入ると、すぐに細く曲がりくねった道に遭遇してしまう。
「走りやすい」と「面白い」を兼ね備えた道、北海道はいっぱいある。


そして望来へと到着。


既に世間では夏休み入りしており、天気がいいことも相俟って、望来海水浴場は家族連れでいっぱいだ。

そういえばもう、長いこと海水浴なんてやってないな。
3年くらい前に沖縄の水納島で誤って片足を海に入れてしまった以来、
海に行くことはあっても、海に入った記憶がない。


私もこうやって報道、記録としての写真を撮るのではなく、
普通に海で泳ぐ側の人間になりたかったな、と最近思う。

そう、世間一般の人たちは、海水浴場をひとりで訪れることはまずないし、
お祭りや花火大会、遊園地に一人で突撃することはないようだ。
でも、私はそれを平気でやってしまう。

何故か?それは記録写真を撮る人間だからだよ。だから、ひとりでも楽しいんだ。

記録写真を撮る人間と言うのは、自分が楽しんではいけないけど、かといってまったく無関心でもいけない。
自分が楽しんでいると、客観的な視点から“撮る”と言う事を忘れてしまうし、
無関心だと、そもそも撮ろうとする気がおきないからだ。
でも、記録を撮る人間はそれが楽しいというのだから、言葉って難しい。

すなわち、記録写真家の楽しいという感情は、世間一般の人たちが感じている楽しいとはおそらく異質なものだ。
言い換えれば、楽しみ方としては異常なんだ。


私はそんなに器用じゃないので、その楽しみの切り替えが下手なんだな。
自分自身が楽しくなくても、記録者として楽しければいいかな、なんて考えてしまう。

でも、私自身それに満足しているわけではないから、それに気づいているtiger氏は
「カメラを持ち歩くのをやめろ」と言うアドバイスをくれるのだろう。

しかし、既に私にとっては『業』と化してしまっているからなぁ・・・・・・。



頃合いを見て切り上げたのちは、国道231号を南下して札幌市内へ戻る。
写真は石狩川河口橋ですね。
高校生だった頃は、ここはずいぶん遠い場所だった気がするけど、今はかなり近くなったな。


そして今度は百合が原公園へ。

ラベンダーには少し遅かったみたい。

でも、夏になればなったで咲く花はある。

リリートレインの車窓より。
それにしても、こんな晴れた日にこう言う公園に来るのっていいですね。

ちなみにここ百合が原公園には「リリートレイン」という鉄道の遊具がある。
一応“鉄道”なので、360円払って乗ってみたのである。
(ちなみに母の話によると、私はこれに22年前に乗っているらしい。さすがに記憶がない・・・・・・)




久々の休日、札幌近郊をいろいろとうろついてみたわけだが、こんな事を思った。

「札幌という街って、なんだかんだいっていい街じゃないか?」

日本中旅しており、東北も関東も北陸も東海も近畿も中国も四国も九州も見てきた私だが、
それらの街を見てきた限りでは、明確にここを離れる理由となり得るアドバンテージというものは見いだせなかった。

ただし逆もまた真なりで、札幌に絶対に留まりたいと思わせる理由もないのだが・・・・・・。


いったい私が本当に望む自分は何なのか、考えれば考えるほどわからなくなる。






そしてそんな憂いを消化しきれないまま、明日もまた東京へと飛ぶのであった。
あーあ、明日の飛行機も速いのに、また眠いままでの出発になりそうだぜ