2008/2/7 如月七日





名古屋港エリアの一部、ガーデン埠頭を眺める。
全国有数のウォーターフロントレジャースポットらしい。

尚、名古屋港からは、台湾の基隆港及び高雄港に行けるフェリーも出ている。
それぞれ3日及び4日かかるけどな。そんなに安いわけでもないし。




このサイトを見ている皆さんはご存知だと思うが、私は旅が好きだ。
おそらく同年代の人たちと比べると、色々なところに行った事がある人間だと思う。

しかしながら、今まで海外旅行に行った事はない。

これは興味が無かったというのもあるが、数年前までは意図して海外へは出かけなかった。

何故そうしたかと言えば、私にこのような意識があったから。

−海外を知る前にまずは日本を知りたい。
 とはいっても日本だって広いから、全てを見て回るのは不可能だ。
 でも海外に出かけるのは最低でも日本の全ての都道府県を訪れてからにしたい。

と言う事で、全ての都道府県に足を踏み入れるまでは海外には行かない、そう決めていた。

しかしこの自主ルールも、2005年の9月11日に宮崎県入りしたのを持って、
めでたく全ての都道府県に入ったため、解除された。

しかしそれから2年以上、私は海外には行かなかった。

何故なら、国外には言語の壁があるし、
また、日本国内については、小さい頃から地図や時刻表などを見ており、
こんな風に旅するようになる以前からそれなりの知識があったが、
海外はあまり興味がなかったので、そういう知識さえなかった。

そのため、わざわざ遠い海外なんか行かなくても、まだ見ぬ国内があるし、いいんじゃない?
そう思っていた。

しかしこれでは、いつになっても海外に行く事ができない。
もっとも別に行く必要はないのだが、そういう意味では国内旅行だって同じである。


なんていう前提があったわけだが、今回やっと海外に目を向けてみる事にした。
海外に興味があったわけではなく、国内航空券より国際航空券の方がマイルをお得に使えるからと言う理由だ。
(詳しくは昨年師走五日の日記参照)

もし、国際航空券の消費マイルが国内の数倍だというのならば、私は多分今回海外にには行かなかっただろう。


といっても今日はトランジットのための移動日であり、出国はせずに名古屋に泊まる。

何故かと言えば、一番早く台湾入りできるJALの便が中部国際空港からの出発なのだが、
その便には千歳を一番早く出発する飛行機に乗っても当日中には乗り継げないからだ。

また、国内区間で24時間の滞在が出来るのだから、その時間をうまく使おうという考えもあった。


札幌駅から快速エアポートに乗る。
次の列車は11時10分発だね。

ちなみに名古屋行きの飛行機の出発時刻は12時、
そして快速エアポートは札幌〜千歳を36分、
搭乗手続は飛行機出発時刻の15分前推奨・・・・・・あれ?
・・・・・・うん、細かい事は気にしない方がいいと思うんだ。(列車が遅れたら終わります)


その後、毎回恒例の空港内ダッシュ。
搭乗手続、手荷物検査をあっという間に終え、搭乗口を駆け抜ける。
結果、定時運行には影響を与えなかったとはいえ、
きちんと数十分前から手続きを行っている大多数の皆様のおかげと言う事を忘れてはいけない。

名古屋便に乗るのは久しぶりかな?
今日はそれなりに下界が見渡せたので、少し外でも眺めながら機内で過ごそう。


苫小牧市上空より。海に沿うようにして街が続いている。日本一長い直線線路も見渡せる。
苫小牧は雪が少ないと言うが、上空から見ると結構積もっているのね。


苫小牧の街を過ぎると、大きなカルデラ火山が見える。樽前山だ。


更に先へ進むと、室蘭の街が見えてくる。
飛行機は既に高度を上げているので、絵鞆半島が一望できる。
地上から見ると圧巻の白鳥大橋も、空から見ると小さいな。
尚、地球岬を含むあの半島の名前が絵鞆(えとも)半島ということを知ったのが、
この日記を書くために調べたときだと言う事は内緒だ。


飛行機は内浦湾を一気に飛び越え、あっという間に渡島半島へ。
陸路で行くと、豊浦だの長万部だの八雲だのを延々回らないとならず、その感覚が染み付いているので
室蘭市→森町の移動する早さに対する違和感は相当だ。
雪を被った白い峰は駒ケ岳。それにしても雪景色は空から見ると非常に映える。
冬のフライト、しかも積雪地域だけで見られるちょっとした楽しみだ。


函館上空を通る。一番手前の大きな平地は函館空港、その少し奥に有る楕円形の平地は函館競馬場。
函館山は残念ながら雲に隠れて見えなかった。

少し雲が出てきたため、この後の景色はあまり良くない。
そもそもこの後は暫く日本海を越えていくため、右側は海しか見えない。
しばらく眠りに着くとしようか。


大分時間が経った後、ふと外を見ると眼下に広がる北アルプス。
写真中央のひときわ高く、雪を被った山は穂高だろうか、立山だろうか?
黒部立山アルペンルートも一度は行ってみたい場所だ。


長野県を越え、景色は高い山から平野に変わってくる。
愛知県を上空から見る機会は少ないので、これがどこだかは解らない。
まもなく、ベルト着用サインが点灯したので撮影終了。
その後、セントレアへと迂回して飛行していく際に三河湾を一望できた。


中部国際空港に到着。
明日の飛行機まではほぼ1日あるので、一旦名古屋市内まで行きます。


ダッシュで乗り継ぐと14時発の名鉄特急にギリギリ何とか間に合った。
手元にトランパスはあるし、きっぷを買わなくても大丈夫・・・・・・なんだが
出てくる客とちょうど改札を通るタイミングが重なったため、強行突破したのと一緒になってしまった。
(後からこのせいで運賃を現金で払う羽目に、トランパス利用なら実質1割引なのに〜)


特急列車は始発から満席だ。
まあ、ミュースカイに乗ろうが特急に乗ろうが、先に出た列車が先に名古屋方面に着くから、
混雑度はむしろ特急の方が高くなるのは自然だな。
まあ、途中駅の朝倉で着席できたがな。
列車は尾張横須賀、太田川、神宮前と止まり、金山に到着。


金山総合駅に到着。何故総合駅かといえば、このように名鉄の駅とJRの駅が一緒になっているからだろう。
(南側から順に、JR東海道本線、名鉄名古屋本線、JR中央本線のホームがある)
ちなみにこの写真を撮るためにわざわざ、JRと名鉄が同時に来るのを待っていたり。


構内も広い。さすが総合駅。
私はこの駅を利用したのは今回を除いて過去に2回だが、いずれもダッシュで乗りついだ記憶しかない。
尚、JRと名鉄は別の改札、どうせなら豊橋みたいに一緒にしてしまえばいいと思うのだがね。


ちゃんと駅の表示にも金山総合駅と書かれているんだな。
そういえば日本中を探しても、総合駅なんて名乗っている駅はここだけだと思うが
何でここだけが総合駅って言うようになったんだろうね?
路線数で言えば北千住とかも凄いけど、総合駅とは言わないね。


金山からは名古屋市営地下鉄名城線・名港線に乗り継げる。
今日は名古屋を中心に動くので、地下鉄の1日乗車券(740円)を使う。
尚、土日のみ使えるドニチエコきっぷだと600円で市バスにも乗れます。


まずは名港線に乗って名古屋港方面へと向かおう。
名城線・名港線は同じ列車が乗り入れている。

名港線は名城線の支線の様な扱いになっているのでそんなに乗客もないのだが、
元々は環状部分ではなく、こちらの名港線の方が名城線だったのだ。
詳しく知りたい人は各自調べてくれたまえ。

金山から10分ほどで名古屋港駅に到着。


名古屋港には『南極観測船ふじ』が停泊している。
既に現役からは引退した同船だが、ここに係留され、博物館として保存されている。

入場料は単独だと300円だが、
南極観測船ふじ、名古屋港海洋博物館、ポートビル屋上展望台の3つに入れる
名古屋港エリア3施設共通入場券を買うと700円である。
尚、名古屋港水族館との4施設共通入場券は2400円、
まああれだ、名古屋まで来て一人で水族館なんていうのは悲しいから、今回は3施設用で。


内部、旅客船ではないから狭いなー。頭をぶつけそうだ。


一般船員用の寝台。3段構造になっていて、非常に狭い。
南極まで向かう際に毎日こんな狭いところで寝ていたのか・・・・・・大変だな。


甲板に出て、港湾内を見る。
ちょうど水上警察の船艇が港に戻ってきた。
水上警察、東京港や大阪港などにもいるけど、北海道ではあまり見ないよな。


名古屋港エリアにあって一際高い建物がポートビル。
内部には名古屋港海洋博物館があります。

さて屋上展望台に行こうか。


観覧車があったり、水族館があったりと名古屋港内も色々と賑やかですな。
アミューズメント施設が充実している一方で、
苫小牧行のフェリーと言った長距離を行く大型船も就航している辺りが
大都市名古屋にある港らしいともいえる。
(苫小牧港とか仙台港とか秋田港とか敦賀港とかは遊びの要素がないもんな)


名古屋港から海を見ると、ちょうど伊勢湾岸自動車道に架かる橋が見える。
もっと近くに行って見てみたいな。


今度は逆に名古屋市街の方を眺めてみる。
左奥に有る白いツインタワー、あの辺りがちょうど名古屋駅だ。
名古屋港がいかに名古屋の街から近いかが実感できる。


その後、名古屋港海洋博物館にもちゃんと入って中を見たのだが、
何故か写真を一枚も撮っていないらしい。
名古屋港の沿革とか、現在の名古屋港の役割とかが紹介されていた。
トヨタの車が展示されている辺りが、愛知県の港ならではだな。

さて、名古屋港エリアの見学は終了。次はどこへ行こうか?


山手線や大阪環状線のような他の環状線が「外回り,内回り」を用いるのに対して
名城線の列車は御覧のように「右回り,左回り」を用いる。
左側通行だということを意識した上で考えなければならない「外回り,内回り」の表記より
感覚的に理解しやすいという事らしいが、さて。


車内の案内表示も環状表示。この部分に関しては、液晶ディスプレイ方式の山手線の方が上だな。

と言う事で次のように移動。

名古屋港→(名港線)→金山→(名城線)→上前津→(鶴舞線)→丸の内→(桜通線)→中村区役所


丸の内からは中村区役所行きの桜通線に乗る。
色が似ているけど丸の内線じゃないし、(名古屋にも丸の内があるとはいえ)御堂筋線でもないよ。

中村区役所に着いた後は、歩いて名古屋駅を目指す。
名古屋駅までは一駅、程なくして到着。


天高く聳えるJRセントラルタワーズ。
デパート、レストラン、宴会場、オフィス、ホテル、そして展望台を備えた複合施設である。
ああ、この光景ももう少ししたら見られなくなるんだなぁ。
ん?何がって?よーく写真を見てね。ちょうど500系のぞみがいるでしょ?
500系のぞみは今年の秋ごろに、東海道新幹線から姿を消すのだ。


名古屋駅構内、桜通口側。ここが名古屋駅では主な待ち合わせ場所になる。
いつも思うのだが、何故か名古屋駅は他の駅に比べて警備員、警察の数が多い。どうしてだろう?

と思いきや、今日はいつもに増して多い。
あちこちで制服のオッサン達が周囲を警戒している。
それともう1つ、異変が・・・・・・。
大きなカメラを携帯しているプレスと思わしき人が駅の至る所に待機している。

一体何があるんだ?

面白そうなので、暫く様子を見てみることにする。


すると、突然知らない人が話しかけてくる。

「ねぇ、今日は随分報道関係者が多いようだけど、ここに誰か来るの?」

は?こっちが聞きたいよ。ただの観光客だから知りませんよ。

「あら、随分とカメラ機材持っているようだから貴方も報道関係者かと思っちゃった」

・・・・・・ああ、そうですか。確かにデジタル一眼2台装備は、堅気に見えないかもしれないけどさ・・・・・・。
あいつらの装備はこんな安物じゃない。1DにL玉を装着しているなど、全然違うだろ?わかってくれよ。

しかし、その場にいるとその後も、
「すみませーん、ここに誰来るんですか?」 
「ねぇ、誰が来るの?有名人?教えてよ」 
「誰を待っているんですか?」

そんな感じの質問を聞かれる事約20回、何てことだ。
と言うか、何で他の報道関係者ではなく、私のところにばかりに来るんだよ。
いかにもと言う感じの報道関係者よりは聞きやすいからかな?

私も知っていれば教えてもいいのだが、知らない以上
「私自身も、上から何も聞いていないんですよね」
などと言って流していたのであった。
まぁ、私自身情報を集めたところ、時津海親方の逮捕に伴い、もしかしたらここを通るかも位のことだったらしい。
かもしれない程度の情報で待機しないとならない報道関係者も大変だな・・・・・・。

尚、いい加減に色々な人に質問されるのに辟易した私は、素直に立ち去る事にした。


太閤通口のビックカメラ。名古屋にはヨドバシカメラが無いので、
私のような人間は必然的にここに足を運ぶ事になる。


先ほどとは逆側からセントラルタワーズを見る。
各部屋の照明をうまく点灯すれば、大きな電気を文字を作れそうね。


さて、次はどこへ行こうか?
まだ見た事が無い名古屋城を見に行くのもいいし、豊臣秀吉の生誕地でも見に中村公園へ足を運ぶのもいいな、
とは思ったものの、既にすっかり日が暮れた名古屋の街。
行ったところでおそらく真っ暗だな。

まだまだ名古屋は見たことが無い場所が多いから、行きたい場所はいっぱいあるのだが、
海外旅行前のトランジットで訪れたという今回の条件だと、どうもあまり気乗りがしない。


こういうときはまあ、いつもどおりでいいか。
と言う事で桜通線を終点まで乗り通す。(私にとってはこれがいつもどおり)

名古屋の地下鉄は、東京や大阪のそれに比べてまだあまり乗ったことがないのだ。
(大阪だって昨年7月及び11月の2回の訪問で一気に乗った程度だが)
だから適当に地下鉄路線に乗っているだけで未乗区間に乗車できる。

桜通線終点の野並駅に到着し、駅周辺をぶらつく。

ヤマダ電機を発見。
そういえば今回、延長コードを持ってきていなかったな。
ちょうどいい、買っていくか・・・・・・待てよ?
240V対応の延長コードなんて売ってるのかな?

すみません、AC240V環境対応の延長コードお願いします。

出てきた研修中の女の子では当然対応できず、後ろから“詳しい者”が出てきた。

「うちでは240V対応の機器は取り扱っておりません」

あらま、ところで保障が無いのを承知で125V対応のコンセントに240V通すと何か問題がありますか?

「いいえ、その場合保障はありません」

いや、メーカーの保障の対応にならないのはわかった。実際に使用するとどういう危険性があるか聞きたい。
電路が細いために電流の二乗に比例する電力損失によるジュール熱が被覆を融かすとか、
外装及び二線間の絶縁耐力に難があり、絶縁破壊を起こして短絡し、火災の原因になるとかそういうことでいいのか。

「良くわかりませんが海外での使用は保障がありません」

ああ、これ以上聞いても無駄だな。延長コード、自作してこればよかった。
たぶんマージンがあるから、大丈夫だとは思うけど・・・・・・。
まさか回路計や絶縁抵抗計なんて持ってきていないしな・・・・・・。

そろそろ夜も遅くなってきた。宿泊地に向かおう。
本日の宿泊地は名古屋の繁華街、栄。
新瑞橋で名城線に乗り換えればOKだな。

と言う事で名城線に乗り換えたのはいいが・・・・・・。


次は瑞穂運動場東です。
ん?あれ?金山の方に行きたいのに、何か逆方向に乗ってしまったようだぞ。

地図上で左に向かっていくから、左回りでいいと思って乗ってしまったが
良く考えれば円周の上部で左に向かうのが左回りなんだから、
円周の下部で左に行きたいなら右回りに乗らんとならない、と。

先ほど回りの表記方向についていろいろ書いたが、
右回り、左回りだろうが間違う時は間違うという事だな。

しかし、山手線や大阪環状線で逆周りに乗り間違えた事はないんだがな。
名城線に乗るのは今日が初めてだからな、仕方ない。

結局、本山で東山線に乗り換え、東山線の新栄町で降りたのであった。


となると、環状線の案内で一番いい方法は何だろうね。
「外回り,内回り」、「右回り,左回り」、それとも「○○方面,××方面」か・・・・・・。

例えば「山手線 新宿・渋谷方面」、「山手線 上野・東京方面」
「大阪環状線 西九条・弁天町方面」、「大阪環状線 京橋・鶴橋方面」、
これなら確かに私にとっては「外回り,内回り」より解りやすい。
しかし、これはあくまで私がこれらの環状線の駅の位置関係を把握しているからであって、
あまり駅の相互関係を理解していない名古屋において
「名城線 栄・大曽根方面」、「名城線 新瑞橋・八事方面」が並んでいたら
どっちに乗っていいか迷う場面は出てきそうだ。


新栄町から少し西へ歩き、本日の宿泊地へ。
私は今回始めて、カプセルホテルに泊まる。

私は今まで、深夜の静寂が確保できない可能性がある、
立地条件にこだわらなければ普通の宿泊施設でも安いところはある、という理由でカプセルホテルは避けてきたが、
今回、朝早くから中部国際空港に行かないとならない関係で
いつもの岐阜の安宿は使えず、名古屋市内のカプセルホテルを利用するに至った。

更に、いつも名古屋に来る時は18きっぷ等のフリーきっぷ利用だから
岐阜だろうが名古屋だろうが対して変わらないが、
今回はそうでなく、岐阜までの往復運賃を払ってしまうと、割高になってしまうことも理由である。

まあ、思いのほか静寂が保たれていたし、
(ロッカーが細くて、カメラ機材をフロントに預ける手間があったが)
栄で朝飯&ワンドリンクつき3600円なら結構お得かな?


さて、二十余年の人生で初の日本出国、いよいよ明日。