2008/1/19 睦月十九日




19日土曜日、20日日曜日は、大学入試センター試験の実施のため学生の立入はできません。

北海学園大学にもこのような掲示がなされていた。


でも私は、19日土曜日、北海学園大学へと向かった。
受験者でない大学生は入れないけど、受験者である大学生は入れる。
でも受験者である大学生など例外だから、そのことには触れない。


そう、私の6回目のセンター試験の始まりである。


今年も受験番号はトップナンバー1001番、やはりドイツ語と工業数理基礎の冊子を頼んでいる。
しかし、こうすれば受験番号が固定できるわけだから、
応用すれば、誰かと共謀すれば前後の席になることもできるわけだよね。
あまりいいシステムでは無いと思うのだが。


すでに私が最初にセンター試験を受けてから長い時間が経った。
今までのセンター試験では、誰かしらの知り合いと試験会場で会っていたが
今年はK.K氏も受けていないし、流石に誰かと会うことはないだろう。
そう思いながら軽く公民の科目を終え、次の時間に備えていた。
しかし、その予想は直ぐのに裏切られる事になる。


「あれー?AAAくんじゃないの」

は?誰だよ、私の名前を知っているのは、と思いきや・・・・・・。
ぎゃあ、北海学園大学入試科の職員ではないか!

「こんな所にいるとは思わないから驚いたよー」

それはこっちのセリフだ。と言うか、私の顔、覚えられているのね・・・・・・。

「何でセンター試験受けているのさ。そしてちゃんと他大学受験届は出したのかい?」

はい?他大学受験届?何ですかそれは?

「他の大学を受験する時は、入試科に他大学受験届を出してもらわないとだめなんだよ」

いや、他の大学を受けるつもりはないんですけど・・・・・・。

「でもセンター試験を受けると言う事は、他の大学を受けるって事だよね、普通は」

私の場合、普通じゃないからな。と言うのはいいとしてだ。

「まあ、提出しなかったところで罰則があるわけではないけどさ、ところで・・・・・・。」

彼は私が机の上に出しているナイフを見てこう言った。

「ところでこのナイフは何?随分と物騒なものを持ち歩いているね」

鉛筆削りですよ。試験要項に鉛筆削りの種類までは制限されていないようですから。

「でも普通はこんなの持ってこないよ」

私の場合、普通じゃないからな、二度目。

「しかし、うちの大学生で、こんな風に実力試しでセンター受ける人って初めて見たよ、まあ頑張ってね」



ふう、思わぬところで知り合いとエンカウントしてしまった。
試験会場が自分の所属する大学だと、こんな妙な事が起きてしまうのね。

さて、次は地理歴史。
やっぱりここは毎年恒例の地理を選択。
そういえば日本史とか世界史とかやったら、どれくらい取れるのかな?
昔一度だけ模試で世界史受けた気がするけど、地理ほどは取れなかったような気が。



地理歴史の試験時間が終了し、答案を回収。多分、昨年並みの出来だな。
勉強しなくても、一度身に付いた知識って、そこまで落ちないものね。
それとも私の場合、勉強してつけた知識じゃないから、勉強しなくても落ちないのかな?


と、ちょうどそこで私が持ってきたナイフについて試験監督員から注意を受けた。

「そのナイフは危ないので、使わない時はしまってください」

はぁ・・・・・・。良くわからないけどとりあえずしまった。


お昼休みの間に速やかにすすきのの吉野家まで行ってくる。
国語の時間までに帰ってくると、また試験監督員が話しかけてくる。

「そのナイフは危ないので、カッターナイフを用意しました。これを使ってください」

はぁ?何だそりゃ。カッターナイフは良くて、電工ナイフはだめなの?
(とりあえず出発する時手近にあったのが電気工事用の電工ナイフだったので、持ってきた)
カッターナイフよりも電工ナイフの方が、使い慣れていて削りやすいんだけどな。
ある意味鉛筆を削るのって、IV線の被覆を剥くのに似ているし。

と言うか、昔はみんなこれくらいのクラフトナイフを使って鉛筆削っていなかったか?


数年前、「はさみ」を鉛筆削りに使った時は、
「このはさみは何ですか?」「鉛筆削りです」で済んで、それ以上何も言われなかったんだけどな。
電工ナイフはダメなのか?良くわからん。

そしてこういう事を言われると、どこまでなら良くて、どこまでならダメなのかを検証したくなるのが私の性分。
電動の物はダメだと明記されているが、それ以外は特に書かれていない。

鋸とか鉋とか鑢とか持ち込んで、鉛筆削りだと主張したらどうなるかな?
さらに言えば銃剣や日本刀を持ち込んだら・・・・・・逮捕されるに決まってますね・・・・・・。



毎回左の一番前と言うのも・・・・・・。ちなみに私の直ぐ後ろは、『あ』から始まる普通の女子高生。
いい迷惑だよな、あいうえお順で一番最初だからって、私のようなキチガイの後ろに座らされるのは。


と言う事で国語の試験。
仕方なくカッターナイフで鉛筆を削るが、やっぱりやりにくい。
でも、今回の国語は、何か妙に調子がいいような気がする。
国語力が伸びたのだろうか?それとも試験問題が簡単なだけだろうか?

もちろん調子がいいと言っても、私の調子のいいだから、9割とかは期待出来ないが。


外国語。そろそろ疲労が溜まってくる時間帯。私には別冊子が配られる。

あれ?私には別冊子が配られたのはいいが、英語の試験問題はもらえないのか?
手を挙げる。

外国語の別冊子配布を希望した人でも、英語の試験問題は配布されるはずです。改めて確認をお願いします。

私一人だけ試験会場で目立ちまくってしまっている。
先ほど大学職員にも見つかった事だし、後で色々と噂されかねないな。

そして、無事に英語の試験問題も貰った。
もちろんここは英語を受けて、後のリスニングテストも受験した。



センター試験1日目終了。とりあえずお疲れ様でした。


続々と帰る受験者達。
受験者が一番多い英語の試験を一日の最後にすると、人の流れが分散されないから良くないなぁ。
昔がそうだったように、最後を公民にするといいような気がしますが。


地下鉄が混雑しているが、何とか乗り込む。


実は本日、ベガ氏から北大のグリークラブの定期演奏会のお誘いを受けている。
センター試験終了が18時35分、演奏会の開演が18時30分で、もう既に始まってしまっているのだが
ベガ氏も今年で北大を卒業するので、今回が見に行く最後のチャンスである。
東豊線から東西線へとダッシュで乗り継いで、会場である北海道教育文化会館へと急行する。

急いだ甲斐あって、何とか後半部分には間に合う事ができた。
会場にはギョフ氏も来ていた。


グリーってどこもこの衣装が正装なのかね。

この歌声の中ではシャッター音ですら耳障りなので、撮影は控えめにして歌声に耳を傾ける。

曲目が良くわからないが、ラストの1つ前の曲が個人的には良かったと思う。
(って文章で書いても伝わらんよな、視覚以外の分野は写真では表せないし)
三脚にコンデジを据え置いて動画を撮影していたが、後から見ると何故かデータが壊れていた。


20時頃、演奏会が終了。途中から来た私には、あまりにも短すぎる時間だった。


でも、外でもう少しだけ歌ってくれます。
カメラ3台と三脚を担いでこの人ごみに入るのはちょっと大変だったが。


このようにグリーには、今年で卒団する人たちを雪の中に投げ入れると言う伝統行事があるらしい。
これは北海学園においてもあったな。
今年卒業するベガ氏も、後輩達に雪の中に投げ入れられ、非常に寒そうだった。


高校の同級生だったベガ氏も、来年はもう社会人か。
同じく高校の同級生であるギョフ氏は既に社会人だし、だんだんと遠くなっていくな、いろいろと。



「ところで帰りに何か食べていかないか?」
とギョフ氏。私もセンター試験が終わってから直行していたので、ちょうどおなかが空いていた。
ギョフ氏は車で来ているようなので同乗し、適当な店を探す事にした。

「しかし俺はこの辺でこの時間空いていて車が止められる店、全く知らんぞ。何か知らないか?」

どういう系統の物が食べられる店だ?

「いや、特に指定はしない。美味いものなら何でもいい」

となるとラーメン屋さんか・・・・・・それともハンバーグ屋さんでも行くか?

「ん?それは例のお店か?君は行った事あるの」

いや、無い。諸般の事情で、無い。

「よし、なら是非行こうではないか!道、案内してくれ」

え?それは本気で言っているの?ですから諸般の事情が・・・・・・。

「まあいいではないか、とりあえずどんなお店か見てみたい」

あっ、そう。わかりましたよ、ハイハイ。



ここでもし、私が本気でリスクを回避しようとするのなら、
断固として拒否するか、曖昧にして煙に巻くか、偽りを申すか、
いや、そもそも最初の選択肢としてそれを提案しないだろう。

しかし私は、明確に拒否する理由まではもたなかった。
これが潜在的な破滅的願望の成せる技なのか、それとも策士たる自己による一種の謀略なのか、
はたまたもっと単純かつ明快な理由なのか、正直自分でもわからない。

“私のニュートラルな状態が、他の人にとっては特殊である”という事実が、事態を余計に混乱させている。



北1条宮の沢通を西進し、宮の森の高級住宅街を横目に車は走る。



しばらくして“例のお店”に到着。

本日はお休みでした。

ホッと安堵すると同時に、何か残念さも感じるのであった。

次元は全然違うけど、何か今日のセンター試験の国語の問題みたいだな。


「あら、閉まってたか。でもいい感じのお店だな、今度来てみよう」

・・・・・・好きにしてください。

「でも、君に案内された通りに走っただけだから、道順がわからないな」

・・・・・・。



結局、我々は発寒で寿司を食べた。

ギョフ氏の家は江別、私の家もこちらではないのに、何で食事の為に発寒に来るんだか・・・・・・。


普通の人ならそういう疑問が生まれてもおかしくないが、
私については言うまでも無く、ギョフ氏も私同様に好奇心の強い人だから、
食事の為に発寒に行こうが琴似に行こうが手稲に行こうが篠路に行こうが、ニュートラルな状態なのよね。



まあいいや。
ギョフ氏よ、今度室蘭へでも行きましょう。蒼色四号氏がいる間に。