2007/8/12 葉月十二日
深夜の月形大橋である。
昼間に見ると格別面白い橋でもないが、夜にこうやって撮影してみるとなかなか威容がある。
臨時特急 高速いわみざわ号 岩見沢→岩見沢
(道央道・南七条米里通・豊平川幹線・R453・滝野公園通・厚別東通・R12)
23:44 岩見沢
レ 岩見沢I.C
レ 高速栗沢
レ 江別東I.C
レ 野幌
レ 江別西I.C
(0:04)米里(札幌I.C)
レ 菊水元町
レ 菊水
レ 水車町
レ 中の島
レ 真駒内本町
レ 真駒内南町
レ 石山東
(0:34)常盤
レ 真駒内
レ 滝野
レ 有明
レ 真栄
レ 里塚
レ 里塚緑ヶ丘
レ 平岡公園東
(1:04)上野幌
レ 虹ヶ丘
レ もみじ台
レ 厚別東
(1:14)文京台
レ 野幌町
レ 高砂町
レ 一番町
レ 王子
レ 江別太
レ 豊幌
(1:34)幌向町
レ 中幌向町
レ 上幌向町
レ 大和
1:42 岩見沢駅
本日始めのダイヤグラムである。我ながら非常に無駄な行程だ。
何でこんな走り方をする事になったかは、昨日の日記を見ていただきたい。
(帰りが一般道経由なのは、ただ単に高速道路代が勿体無いからである)
夜の道路は非常に走りやすい。普段なら闇を切り裂いて走るのはとても心地よいのだが
これからお迎えに行くのはボブさんだ。そう、ボブさんなのだ。
ただ走るだけだと時間が勿体無いのと、この後ボブさんに会うことを考えてのリスクヘッジのため
noct-氏にちょっとした相談を持ちかけたわけだが、その件については一旦置いておく。
いくら夜だとは言え、ここら辺では表定速度60km/hを実現する事は難しいのね。
岩見沢駅に着くと、ボブさんが疲れた表情で待っていた。
「遅い!待った!!こんな何も無い夜の岩見沢駅で!!!」
と言ってもこれがベストエフォートだと思うのだがな。
普通の人ならたぶん、一度札幌に戻ってしまった後に岩見沢に戻ってはこないだろう。
かと言って、もし札幌に帰らず、岩見沢でボブさんを待ち続けていたとしたら、
y@5u5hi氏とボブさんが文字通り衝突することになったと思われる。
(待てよ、もしボブさんがもう少し早い列車に乗っていたらどうなっていたんだろうね)
と言う事でボブさんを連行しつつ、吉野家にて食事を済ませていざ出発。
ただ単に国道12号線を北上して美唄に向かうだけでは面白くないので、
月形方面へと向かい、農道を走って美唄へと向かうことに。
深夜の真っ暗な農道を疾走する。
当たり前だが、こんな時間に走る車は他に無く、闇夜の下を動いているのは我々だけだ。
と言ってもここら辺の農道は、非常に路面の凹凸が激しく
下手にスピードを出して走ると、吹っ飛びかねない。
暫く適当に走ったのち、月形大橋にて車を停車。
ライトアップされた橋の姿がとても美しいので、三脚を出して撮影開始。
「ああ、カメラ持って来れば良かった」
と悔しがるボブさん。一心不乱に撮り続けるnoct-氏。
既に午前3時、こんな時間に不審な男性が3名で月形大橋をうろついていると言うのは
明らかに異常な状態ではあるのだが、異常なのは今に始まったことじゃない。
流石にこの橋は主要ルートなので、時折乗用車やトラックが通るのだが
まさかこの時間のこんな場所に人がうろついているとは思いもしないだろう。
一体、彼らの目には我々がどのように映っているのだろうか。
撮影を続けていると、少しずつ夜が明けてきた。
そろそろ引き上げて、美唄へと向かおうか。
午前4時、ボブ亭に到着。意外と立派なお家である。
ここでボブさんもカメラを装備、写真が撮れる状態となった。
さあ、次はどこへ行こうかと話し合った結果、
地元人、ボブさんの案内の下、旧市街方面へと向かうことに。
道道135号線へと入り、美唄I.Cの下を潜り抜け、東へ。
誰もいない道路を走っていくと、右手に広大な敷地が見えてくる。
アルテピアッツァ美唄である。
地元出身の彫刻家・安田侃の作品の作品が展示された広大な公園らしいのだが、
朝4時なんぞに営業しているわけがない。通過。
さらに暫く道を走ると、遠くに朽ち果てた円形の建物が見えてくる。
随分昔に廃校になった沼東小学校だ。
ボブさんいわく、炭鉱が栄えていた頃は賑わっていたが、
今では心霊スポットになってしまったらしい。
私とnoct-氏は是非探検しに行きたいと言うが、ボブさんは
「やだよ、行きたくない。絶対なんか出るよ」
と。施設の紹介をしておきながら、行きたくないとは・・・・・・残念な案内人だな。
と言っても、ここにボブさんだけ置き去りにして2人で廃校探索に行くのも何なので、
ここは今回は通過することとし、さらに先を目指す。
そしていよいよ道も細くなってきた。
ここから先の地は地元の人でも殆ど訪れる事は無く、せいぜい肝試しとかそういう用途くらいだと言う。
一見すればただの細い山道だが、目を凝らして森の中を見ると、
一体なんの為にあるのかわからないような橋がかかっていたり、
昔道路があったと思われるような跡があったり、至る所で不思議な違和感を覚える。
今はすっかり自然に還りつつあるが、確かにここには人が住んでいた・・・・・・
歴史も遺構もそれを証明してはくれるのだが、俄かに信じがたい。
更に進むといよいよただの山道に。舗装も無くなる。もう少し先には工事中の看板があり、進めない。
美唄川の上流にて。朝霧が立ち込めている。
ここまで来るのは工事関係者以外には、我々のような変人だけだろうね。
人造のびばい湖、美唄ダムである。美唄市の水源だ。
寂しく残る構造物が、かつてがこの地が炭鉱だった事を教えてくれる。
昔は本当にここら辺一体に街があったらしいが、今見る限りではその面影すら感じられない。
この道は将来的には富良野方面へと繋げる気だという。
確かに道道名は美唄富良野線だし、実際に奥のほうでは工事を行っていた。
しかし、三笠経由のルートがあれば、別にいらないと思うがなぁ。
noct-氏はもう少し撮影したかったようだが、蜂が執拗にボブさんを追いかけるため、ボブさんが帰りたがる。
何か、昨日と似たような展開だなぁ。
最も昨日とは違って、流石に私やnoct-氏の体力も減ってきたし
noct-氏は肩を負傷していたので、今日のところは帰る事に決まった。
一度来てその良さがわかったのだから、また今度来ればいいのだ。
「この場所、知らなかった?」とボブさんは私に問いかけるが、
私は暇があれば地図を眺めるので、美唄の東側に道があり、ダムの辺りまで伸びている事は知っていた。
しかし地図を眺めればそういう行き止まりの道はいっぱい有るし、
特段の行く目的もないので、行こうと思えば行けただろうが来たことが無かった。
しかしここで、数多有る内の一つだった位置づけから、行ったことがある面白い場所へと変わった。
感覚としては、ドラクエでルーラの行き先に追加されたような感じだ。
もし、今回ボブさんに振り回される事が無ければ、おそらく私がこの地を訪れる事は無く
また、この地にある色々な魅力に触れることも無かっただろう。
そして何だかんだ言って、地元の人間は強いね。
そういう点ではボブさんに感謝しなければ。
ボブさんの家の前より撮影。美唄駅至近。この立地ならそれなりに便利かもね。
午前6時、ボブさんを家に送り届け、我々は一路札幌まで向かった。
朝の通勤割引も適用になることだし、今度は高速経由である。
美唄より高速に入り、一気に札幌南まで。
そしてボブさんを巻き込んだ波乱だらけだった今日の旅は終わるのである。
さて、深夜から早朝にかけてのドライブ中に口数が多くなるのは私の特徴だが(そうしないと眠くなるからね)、
今日は何を思ったか、noct-氏に恋愛相談を持ちかけてしまった。
正直あまり適当な人選では無いような気がするが、
価値観が大きく異なる人に聞いても、それはそれで意味が無いからな。
noct-氏曰く、
「あら、君にしては随分現実的な人を好きになったんだね」
と。そりゃ、守備範囲の殆どが二次元の君に比べればね。
「でも君の行動からは、それについての行動が微塵も見られないね」
とも。はあ、左様で御座いますか。まあ、喪男の仕様です。
その後、noct-氏からのアドバイスはこれだ。
「とりあえず、もし一緒に飯食いに行く事があれば、店員に『約款見せろ』って言うのは止めた方がいいと思うよ」
・・・・・・何ですか、それは。私がいつも「約款見せろ」って言っているとでも?
「そして、たとえ店員の方に非があっても、やたらとくだらないことで店員とバトルするのは止めた方がいいし、
自遊空間でドリンクを滅茶苦茶ブレンドして変な飲み物を作るのも自重した方がいいし、そして・・・・・・」
ヴッ・・・・・・。いや、ですからいつもそんな事をしているわけでは・・・・・・。
「・・・・・・と言っている傍からあれだけどさ・・・・・・、
もしドライブする事があれば、高速栗沢に入っていくのはよした方がいいよ。
俺とかなら別に驚きもしないけどさ、普通の女の子だったら間違いなくドン引きだよ。」
・・・・・・返す言葉が無い。
「そうだ俺の友人に、君と同じくらい敵に回したくない奴がいたけど・・・・・・」
これを書き始めると長くなるので略。
「とりあえずあれだ、天然と(意図的な)キチガイは非なるものだからな。
むしろああいうタイプは分かっていてキチガイ行為をやる人間を嫌うと思われ」
・・・・・・ええ、頭では分かっていても、長い間自己防衛機構として発動してきたものを
一朝一夕に修正することはできないのですよ、悲しい事にね・・・・・・。
そして帰り際、noct-氏から面白いお土産を貰った。
時間は7時20分、空も蒼く清清しい天気だ。
気温もまだ暑くないし、折角だから墓参りにでも行ってきますか。
と言う事で平岸霊園に車を進める。
既にこの時間から結構な人出があるようね。
えーと、どこに車を止めればいいのかな?
・・・・・・後ろのタクシー、さっきからクラクション連発して煩いな。
私が走るのが遅いとでも言いたいのか?でも、ここは30キロ制限だぞ。
その後、タクシーは狭い道を無理やり追い越していった。
まあいい、そんなにクラクションが好きですか。
ならば此方もそちらの流儀に従ってあげましょう。
警音器を電鍵に見立てて・・・・・・っと。
タタタタ タタータ タタタタ タタータ タータタタター(HRHR BT)
M・O・U・S・H・I・W・A・K・E・A・R・I・M・A・S・E・N
タター タタータ(AR)
こちらがモールス信号を送信しながら追いかけると、タクシーは一目散に逃げていった。
あら、警音器愛好家の流儀に従ってあげたのに、逃げるとは残念ね。
と言うか、この程度で逃げるなら最初から煽るなよボケが。
と勝ち誇っていたのも束の間、すぐに激しい自己嫌悪の念が沸いてきた。
noct-氏がここにいたらおそらく
「あのさ、そういうキチガイじみた行為は、俺でもどうかと思うから止めたほうが(略」
と言うだろうね、きっと。
一般人に戻りたい。(いや、未だかつて私が一度たりとも一般人だったことがあろうかね。)