2007/5/30 皐月三十日




本日、北海学園大学の古いOBの方が大学にやってきた。

写真スタジオの社長をやっている方なのだが、
運動会の撮影スタッフがどうしても確保できなかった為、
大学の写真部に“撮れる奴”を求めてやってきたようである。

札幌市内では5月の終わりから6月の始まりにかけて小学校の運動会シーズンであり、
この時期は多くのカメラマンが運動会の撮影に借り出される。

しかし5月の終わりの土日には、石狩地方には強い雨が降り、運動会が出来る状態ではなかった。
そのため各小学校は、運動会の日程を翌週に延期する事にした。

と言う事で6月2日には、元々その予定で運動会を実施する予定だった小学校の他に、
5月の終わりに運動会を実施する予定だったが雨のために翌週に延期した小学校も、運動会を行うことになった。
そういう事情で6月2日には運動会が殺到し、このOBの方の経営している写真スタジオでは
6月2日に18校もの小学校の運動会を撮影しないとならなくなった。

こうなると困るのが、カメラマンの確保である。
殆どの写真事務所では、このような予期しないピークに備えて人や機材を確保するだけの余裕が無いが、
このスタジオも、18校もの同時撮影を行えるだけのスタッフを用意していなかった。

OBの方も、あちこちに手を回した結果、16校分の撮影スタッフは集めることができたようだが、
後の2校、どうしても人材が足りなかった。
そのとき、自分の卒業した大学に写真部があった事を思い出し、
学生部経由で、人を貸してくれないか、と言う依頼を行ったわけだ。



さて、札幌市内の大学の写真部では比較的層が厚い北海学園大学の写真部ではあるが、
小学校の運動会を、スタジオの名を背負って恥じないレベルで撮れる人間は殆どいないと思われる。
作品を撮る為の撮影と、記録に残すための撮影は、基礎となる技術はともかくとして
要求されるスキルが大きく異なるからだが、具体的に言えば
“神”noct-氏は別格としても、それに続く人間が私やy@5u5hi氏、クロサワ氏まで飛び
それを下回ると、デジタル一眼レフを使えるかすら危ういような人ばかりだ。

プロ写真家のお手伝いで補助として撮影すると言うならともかく、
我々学生が2人1組で2チーム組んで撮影するという条件らしいので、
“撮れない奴”が1人でも混ざると、そいつとペアを組んだ相手が
もう1人をフォローするために走り回らないとならなくなるわけであり、
そうなれば最悪、写真スタジオが求めるクオリティの確保も危うくなる可能性がある。

ともすれば、一応部内でアルバイト募集の公募はかけたものの、
提示された条件を勘案すれば事実上、アルバム撮影の経験者でなければ無理だろうな。





今の時代、デジカメが一般大衆に広く普及し、誰でも手軽に写真を撮ることが可能になった。
また、カメラ自体の機能も進歩し、優秀なプログラム撮影機能を使えば
初心者でもそれなりに失敗無くきれいな画を撮る事ができる。
それ自体はとても良い事だと私は思う。

しかし、それによって一部の者達は、写真なんて誰だって簡単に撮れるんだと勘違いしたり、
自分は写真が上手いんだと思い込んだりする。
別に思い込むだけなら、誰にも迷惑をかけていないしどうでもいいのだが、
その考えを前面に出してしまう人になると、場合によっては迷惑この上ない。


確かに誰だって“きちんと訓練すれば”いい写真を撮れると思うが、
ズブの素人が一朝一夕に撮れるなら、プロのカメラマンなど必要ないわけで、
そこのところをもう少し理解していただければな、とは思う。

なんて、偉そうなことを書いてしまったが、
私だって、一般人に毛が生えた程度のスキルしか持ち合わせていないただの素人なのよね。
ウリと言えば「人の目を気にせずに場所を選ばず撮影できる」事くらいだが、
裏を返せば「場の空気を無視する非常識かつ無神経な人間」であるわけで、スキルと言えるのかは疑問だ。


ともかく、日常的に撮影する以上は、いい写真が撮れるように日々精進したいと思う。




今日の写真を2枚ほど。


某高校の高校生が、ふざけていて線路に切符を落としたようで、駅員がそれを回収している様子。
「人の目を気にせずに場所を選ばず撮影できる」能力はこういうシーンを撮る際には役立つかな?
これを撮影した後、撮られた事を不愉快に思ったのか、しきりに高校生がこちらを気にしていた。
言いたい事があるなら直接言えばいいと思うが、事に私相手の場合は無視が賢明だとも言える。



マッサージサービスを受けるy@5u5hi氏。
この写真を見た人が、「俺も俺も」とならないことを祈る。(何