2007/4/16 卯月十六日




私が第一種普通自動車運転免許を取得してから4年弱が経過した。

死格マニアである私だが、運転免許については2003年の8月に取得した大型特殊免許以来、新たな区分を取得していない。

運転系の資格は、他の資格試験と比べて取得費用が高額で、そうポンポン取れるものでないのも原因の一つだが、
運転免許制度が改正され、中型自動車免許が新設されると言うことも
私の運転免許取得を躊躇させた大きな原因である。

今の私の布陣からすれば、次に取得するのは大型、牽引、若しくは二種だが、
大型は、中型免許が新設される以上、取ってしまうとフルビットが達成不可能になってしまうので不可、
牽引は大型と運転特性も似ており、大型と同時に練習した方が都合がいい関係で少し躊躇、
となると二種がいいかなと思っていたわけだが、普通若しくは大特免許取得後
3年間を経過しなければ受験でできないとあって、昨年まではただひたすら待っていたわけだ。
しかしいつの間にか3年の月日が流れ、二種免許の受験資格が得られたのだが、
結局諸般の事情で受験する事ができていない。

最初に自動車学校に通い始めた時は、将来二種免許は取ろうと考えてはいたが、
フルビットなどと言う考えは無く、小型特殊自動車免許を取ったのは一種のきまぐれに近い。
(教習も終わりに近づいた頃、偶然フルビットそして小特の存在を知り、
 いても立っても居られなくなって翌日には試験場に直行していた)
とはいえ、フルビットを完成させるのは過去の私との約束だし、その後も、
「中型免許が新設される6月には、一気に勝負をかける」と言う事にしていたので
そろそろ運転免許取得を念頭に入れて、始動しようかと思った。


二種免許は教習所に通って取るのでもいいが、もし一発試験で取得できるものならば金銭的に非常にお得になる。
という事で今日は、二種免許を取るつもりで少し公道で練習してみる事にした。
(一種取得時と違うのは、路上を走る免許は既に手元にあるので、一人公道で思う存分練習できる事だ)



調べたところ二種の路上試験は、だいたい6キロのコースを走行するらしいので
近所の勝手知ったる道を、試験コースに見立てて法規走行してみる事にする。


二種免許の試験は、旅客を乗せて走行するという二種免許の性質上、採点が一種より厳しく、
ちょっとした蛇行や安全確認不十分などでもすぐ減点され、あっという間に減点超過になってしまうとか。

さらに、とあるWebページの情報だと、歩行者に対する対応には特に厳しいらしく、
道の脇に立っている人がいるのにも関わらず道路を通過、その後、その人が道路を横断した場合、

「あ、あの人この車が通った後、渡ったね。
 と言う事は歩行者が横断しようとしているのを 邪魔した事になるよね?
 はい、検定中止!」

とか言われるらしい。今日の練習はそれを念頭に置いた上でやろうか。



という事で車の点検を行い、ミラーとドアロックを確認したのち、独り言で
「お客様、シートベルトの確認をお願いします」と言ってから出発。
しつこいくらいに安全確認を行い、制限速度をきっちり守る法規走行で走る。


おっと、前方に信号のない横断歩道の前に立っているおばさんを発見。
道交法では、こういうときは停止して歩行者が渡るのを待つのだったな。
後方確認したのち停車っと。

しかしこのとき対向車は、みんな全く気にも止めずに走っていくので、おばさんは道路を渡れない。
一方私は、停止線で止まって延々と待ち続けているので、私の後ろには車列ができる。

かといって横断歩道の前に立っているおばさんを無視して進行する事はできない。
これが検定中なら、検定員が待ってましたとばかりに

「今の横断歩道、人立ってたよね。
 横断歩道に人が立っていたら止まって渡るのを待つって習ったよね?
 はい、検定中止!」

となるだろう。だから、たとえ後ろの車が詰まっていようが、おばさんが渡るまで待ち続ける他無い。



さらに道を進んで、信号のある小さな交差点に差し掛かる。
私が設定したルートだと、この交差点では左折する事になっているので
安全確認のち方向指示器、車を車線の左側に寄せつつ徐行、巻き込み確認と一連の流れを行うわけだが、
その際に横切る横断歩道の向こう側に、歩行中の小学生を発見。

横断歩道を横断する歩行者を妨害してもやはり
「はい、検定中止!」
だ。小学生が渡りきるのを待たないと。
だが、いっこうに小学生は横断歩道を渡ろうとしない。
でもあの動きからすると、小学生は間違いなく横断歩道を渡りたいはずだ。

横断歩道を挟んで、私と小学生の睨み合いは数十秒間続いたが、しばらくして歩行者用青信号が点滅し、赤に変わった。
流石に赤信号になったら、小学生が渡る可能性も無いだろうと思い左折決行。
すると小学生は、私の後ろの赤信号になった横断歩道を急ぎ足で渡っていった。

何か、逆に危ないような気がする・・・・・・。



さらに先へ進む。今度は沿道の駐車場から歩道を跨いで車道へ左折で入る時。

歩道の前では歩行者がいようがいまいが一旦停止、安全確認のち進行するわけだが、
ここで歩道上に買い物カートを引いたおばあさんがいた。
私の車の前を横切りたいようだが、歩道上で立ち止まってこちらが通過するのを待っている。

もちろん例のごとく、また睨み合いだ。

私もおばあさんも一歩も動かないまま、またまた数十秒が経過した。
先ほどの信号とは異なり、このままだと延々と睨み合う事になるかもしれん。
かといって、私が先に動く事はできないのだ。
仕方ないので窓を開けて、おばあさんに話しかけた。

「私は止まっているのでお先にご通行ください」
「いえいえ、いいですよ。先に通って」
「いや、実は法規走行の練習中なので、歩行者の方に先に通って貰わないと困るのです」
「あらそうでしたか、じゃあ失礼して」

ふう、何かえらく難儀だなぁ。




私も歩行者の時、場合によっては車が通るまで待つことがあるが、
検定の際にそれをやられると非常に不幸だということがわかった。
これからは歩行者のときは、自分が優先なら素早く横断することにしよう。

しかしながら大多数の運転者は、横断歩道の前に歩行者が立っていても止まらないし、
我が物顔で善良な歩行者を蹴散らして走る輩もいる。
そういった運転者が多数を占めるとなると、車が通過して安全が確保できるまで渡らないのが合理的な行動なのかもしれない。
いくら法律的には正しくても、轢かれたらダメージを受けるのは九分九厘歩行者側なのだから。

みんながきちんとルールを守れば、そういった問題も生じないのだがねぇ・・・・・・。


でも、ルールを守れない人間はどこにでもいる。
自分の勝手な都合で、ルールを守らない人間は、どこにでもいる。
誰も見ていないから、と言ってルールを破る人間は、どこにでも、いる。
それは何も、車の運転に限った事じゃない。




そういえば私が一種普通免許を取得するために教習所に通った際に、性格診断テストのようなものをやらされたが、
ルールを守らない人間に対する寛容さがまるで無いという結果が出た。

確かにそうだ。私はルール違反の人間を見つけると、すぐに晒し上げや嫌がらせに走りたがる。
正義感からというわけではないため、ルール違反を直接注意するわけではなく、
後からジワジワ効いてくる方法で痛めつける。
もちろんその方法は、ルール違反にはならない範囲で。(たいていマナー違反を伴うが)

と言う事で誰とは言わないけど、私の周囲で正統な理由無きルール違反をしている人を見つけたら、
自分の事は棚に上げて、陰湿的な攻撃を加える可能性があるので、できればルールはきちんと守って欲しい。






そうだ、免許を取ったばかりの人がいたら、その人の運転する車に乗せてもらいたいな。
知らず知らずのうちに当たり前だと思っている癖を修正するのに役立ちそうだから。