2007/3/14 弥生十四日



少し前に日銀が追加利上げを行い、銀行間が短期的に資金を融通する金利である
無担保コール翌日物金利が現在0.5%になっている。

これに伴い、普通預金や定期預金の金利、さらには証券会社のMRFなどの運用利回りがまた少し上昇した。

例えば都市銀行であるみずほ銀行においては、
普通預金の金利が0.2%、1年物の定期預金の金利が0.35%、
ネット専業銀行であるイーバンク銀行においては
普通預金の金利が0.35%、1年物の定期預金の金利が0.67%、
証券会社大手の大和証券においては
MRF(まあ証券会社の普通預金だと思ってもらえれば)の運用利回りが0.31%である。


※全て3月14日現在の数字。
 尚、いずれも税引き前の金利であり、実際はそこから20%分が所得税として課税される。
 イーバンク銀行の定期預金金利は、100万円を預けた場合の数字。
 MRFの運用利回りは、直近7日間の運用実績であり、将来もこの数字が保証されるわけではない。


何がいいたいかと言えば、ゼロ金利時代が終わった今、
今までの数年間ゼロ金利に慣らされてきた感覚を捨てて、
金利を意識した運用を考える必要があるという事だ。

例えば預金金利が0.02などであった1年前までは
100万円を1年間預金しても金利は160円だった。
これでは細かなお金を預金しても、金利は小数点以下しか発生しなかった。
今はどうだろう?まだまだ以前金利は低水準だが、1年前に比べれば大分ましな水準になってはいる。

例えばイーバンクに普通預金で10万円を1年間預けておけば280円の金利がつく。
10万円預けて280円、これをたいした事ないと思うか、凄いと思うかは人それぞれだろうが
ともかくここ数年はありえなかった事である。

銀行に預けておけば、少ないながらも金利が付くということは、
言い換えれば現金で持っているより、銀行に預けた方が少し有利という事である。
私も長い間ゼロ金利に慣らされたせいで、手元に現金として持っていようが
銀行に普通預金として預けておこうが一緒だという考えになってしまっているが
この考えは改めないとならないという事になる。

となると理論的には、使うお金以外のお金は預金にしておいた方がいい事になるが
(ここではペイオフ対策をしなければならないお金持ちの事は考えません)
実際には現金と預金はいつでもどこでも切り替えられるわけではない。
預金を引き出すために交通費をかけたり、時間外手数料を払ったりすれば
あっという間に金利分など吹き飛んでしまう。


出来る限り金利を失わないようにしつつ、預金を下ろす手間や費用をかけない。
これを実現するためにはどうするべきか?

方法は二つ考えられる。

一つは預金を下ろす際のロスを極力少なくする方法。
もう一つは預金のままで支払や決済を行う方法だ。

前者を行うために便利な条件としては、預金を引き出せるATMの数が多い事、
時間外手数料がかからない事であろう。
ATMが少なければATMを探し、そこまで移動するのに時間や労力、費用が発生してしまうし、
時間外手数料が発生すれば、その時間帯に拘束されてしまう事になる。

後者は、現金での決済ではなく例えばクレジットカードやJデビットでの決済、
もしくは口座間での振込で支払を済ませてしまう方法だ。
これだと手元に現金を取り出す必要は無いので、効率よく金利を受け取れる。


さて、これらの条件をうまく充足するには何を使えばいいか?

一つは郵便貯金を選択する方法である。
郵便局の店舗網は他の銀行をはるかに凌ぎ、さらには時間外手数料がかかることも無い。
しかしその反面、他の金融機関への振込には弱い。

私が今現在で考え得る最善の策は、イーバンク銀行をうまく駆使する事である。
ネット専業銀行であるイーバンク銀行は、普通預金金利が他行より高めである。
さらに、イーバンク銀行同士での振込なら、手数料がかからない。

と、これだけでは預金の引き出しに対しての利便は無いように見えるが、
イーバンクキャッシュカードを作成すれば、空中戦だけではなく地上戦にも強くなる。
全国のセブンイレブンに設置された、セブン銀行のATMが24時間時間外手数料無料で使えるのだ。

さらにクレジットカード機能付キャッシュカードを申し込めば、郵便局の出金手数料が月5回まで無料
クレジットカード機能付カードでなくとも、口座残高が5万円以上あれば月3回まで無料だ。

これを利用すれば、資金を金利が付く状態に出来るだけ保持しつつ
必要なときには現金として用意する理想のパターンの構築も比較的楽になる。


これ以外にも、ゴールドラッシュプログラムやアンケートサイトの報酬受取など
様々な使い方が出来るイーバンク。まだ口座をお持ちで無い方は、是非この機会に開設しましょう。




↑ こちらから口座開設ができます


なんてイーバンク銀行の宣伝になってしまったが、話を元に戻そう。
(いや、イーバンク銀行の話自体は、別に逸脱していないのだが)

これからの時代、金利に敏感になっていかなければならないのは先に述べたとおりだが
世界に目を広げると、まだまだ日本の金利は低すぎる事がわかる。
例えばユーロ圏は先週、政策金利を3.75%に、
またニュージーランドは同じく先週、政策金利を7.50%に引き上げたばかりだ。
まあこちらの話を始めると、キャリートレードだのFXだのと
外為の話になってしまうので、軽く触れる程度に留めるが、
金利の差を考えると、まだまだ外貨での運用は美味しい取引だと言えよう。



最後に、時間外手数料について考える。

多くの銀行では18時以降にATMを利用して現金を引き出すと、何故か105円の手数料が取られる。
夜間にATMを稼動させておく費用を利用者に転嫁していると考えれば仕方ないのかもしれないが
利用者としては、出来るだけ払いたくない費用ではある。
何せ、金利が数百円、数千円しか付かないのに対して105円である。
仮に10万円預けているとしたら、半年分の金利をごそっと消費する計算になる。

私は今まで一度だけ時間外手数料を支払った事がある。
4年前の3月、ある事件が発生した日であり、緊急に資金が必要になる可能性が高まっていた。
ともかく、それ以外では時間外手数料が発生するような取引を行った事は無い。


さて、私は現在写真部の会計を担当しているため、職務として写真部の資金を管理している。
善良な管理者の注意義務に従い利殖に努める為、資金は出来る限り銀行口座に入れている。
当然時間外手数料を払う取引を行う事も無いのだが、
過去の通帳の履歴を見ると、前任者の時代に、口座から時間外手数料105円が何度も引き落とされている。

何だかなあ・・・・・・。

以前、大学生はコスト意識が希薄だという事を日記に書いた気がするがこれもその一つだなぁ。
たかが105円、されど105円、意外と105円は馬鹿に出来ないぞ。
小さなお金の積み重ねが大きなお金になる。
私が相場をやるようになってからますます感じている事だ。


誰かが金は使わないと入ってこないと言っていたが、私はそんな事は無いと思う。
下手に金を稼ぐより、支出を引き締めた方がお金は貯まる筈だ。
もちろん収入を増やしつつ支出を減らせれば一番良いけどね。

いろいろ勉強して賢いマネーライフを送りましょう。