2007/2/25 如月二十五日




今日は国公立大学前期日程試験の日である。

私自身は明日の沖縄旅行を控え、いつもと大して変わらぬ生活を送っているが
私の周囲では、今日がまさに決戦日という人が何人かいる。
そして時折彼らから、戦況の連絡が入ってくる。

午前が終わろうかと言うときには、K.K氏から連絡が入ってきた。
地学難化により、戦死したらしい。

K.K氏は今年北海道大学水産学部を受けたのだが、
一科目目の理科で戦死するとは、よほど厳しい戦いだったのだろう。
しかも後ほどの予備校の講評では、物理化学が易化したためますます差がつきそうだとか。


理系の大学入試においては、物理、化学、生物、地学の4科目から選べるところでも
たいていの人は物理・化学の組み合わせを用い、たまに生物を絡め
ごく稀に地学を使う人がいる。
2科目の組み合わせで言えば、物理・化学、化学・生物、物理・生物、
そして地学はどれとの絡みでも少なく、他との組み合わせは誤差の範囲だ。

K.K氏はいわば裏ルートの生物・地学で特攻したため厄介な問題に苦しめられたらしい。
聞けば、今までで初めて試験問題にカラーページがあったとか。

ちなみに地学は参考書も少ないため、情報が極端に得られにくい。
私も昔地学を使っていた事があるが、最近はご無沙汰だ。
高校時代の日記を見れば、ここら辺についての記述はもっとあるだろう。



続いて日が暮れてきた頃、π氏から電話が入る。
彼は東京大学理科U類受験なので、明日も試験が続く。

てっきり、試験の結果がどうだったのかを伝えるために電話をくれたのかと思うと
「後ろの声聞こえる?」
「いや、よくわからぬ」
「試験が終わって歩いていたら、唯一神が演説しているから電話した」

・・・・・・おい、電話の用件は又吉イエスかよ。

「録音しようと思ったが、ちょうど借りたICレコーダーの電池が切れた、残念」

録音するのかよ・・・・・・。

ともかくπ氏は、初日の国語数学をとりあえずはこなし、明日の理科と英語に望みを繋げたようだ。



さて、π氏の運命も明日で決まるわけだが、実はこの出来不出来によって
私の運命も大きく変わってくる。

もし合格なら、4年間居住する不動産の物色のために私が東京まで同行する事になっている。
一応宅地建物主任者を取得しており、鉄ヲタでもある私のほうが
不動産事情には明るい(と思われる)からだ。

まあこちらはたいした事じゃない。

一方、もし不合格なら、私はπ氏に半強制的に勉強する事を強いられる事になる。
何故こんな事になるのかと言えば、まあいろいろ特殊な事情があるのだが
π氏いわく「今年東京大学不合格になったら、おそらく今年は数学を重点的に勉強して
      合格へ一切の死角を無くすことになる。
      その際、てめえの存在が非常に問題だ。
      俺と比べて元々の頭の出来が悪いわけではないのに、
      勉強せずに北海学園大学なんていう専門学校でぬるま湯につかっている
      (π氏によると北海道において北海道大学以外の大学は、大学と認めないそうです)
      これは断じて許せん。
      よって貴様も、少なくても俺並には勉強して、もっと上を目指せ」
と言う事らしい。

「人間の優秀さは、元から備わった力ではなく努力できるかどうかで決まるのだよ」
と反論しようものなら(この反論も非常に情けない物だが)
「じゃあ努力しろ、出来るはずだ。わかっているならやれ。特に英語。
 そうやって怠惰心が先行して未来を変えられないなら、結局お前が嫌悪するDQNや無能と一緒だ」
と言う答えが返ってくる。

と言う事でπ氏には、いろいろな意味で無事合格してもらいたいのです。



明日から私は沖縄に逃げます。
別に逃げるわけではないのですが、なんとなく逃げる気分です。

まあそもそもパラレルワールドに逃げてきたこの世界、
どこかで終止符を打たないとならないのですが、
その終止符からも逃げています。もうどうしようもないね。

やがて時が解決してくれる、という言葉がありますが
私にとってはいっそう潜在ダメージが増えているだけですね。
歪んだプレートがいつかは弾けて地震が起こるように、
この問題も、最後は地震という大災害で終止符を打たれてしまうかもしれません。