2007/12/5 師走五日
父親から電話がかかって来た。
「年末に失効するJALのマイルがあるから、使えって言っておいただろう?
こちらは忙しくて使えないんだ。早く旅程を決めてマイルを消費してくれ」
そうだ、そう言われていたのをすっかり忘れていた。
いや、忘れていたわけではないのだが、何となく億劫なので先延ばしにしていたのだ。
私は旅が好きだけど、マイルを消費して欲しいから何処かに行けと言われても、なかなか難しいものがあるなぁ。
さて、ここでJAL(日本航空)のマイル制度について説明しておこうか。
まず、マイルの貯め方だが、JALマイレージバンクでは、航空路線それぞれにマイル数が設定されており
飛行機に搭乗すると、区間に応じたマイルが貯まる。
例えば東京(羽田・成田)から札幌(千歳・丘珠)は511マイル、
大阪(伊丹・関空・神戸)から札幌(千歳・丘珠)は667マイルといった具合だ。
普通運賃で搭乗した場合は、設定された区間マイルが100%付与されるが、
旅割やバーゲンフェア等の割引運賃では、付与されるマイル数は区間マイルの75%となる。
また、搭乗回数に応じてクリスタル、サファイア、ダイヤモンドといった上級会員資格が与えられ、
上級会員は、区間マイルの数倍のマイルが付与される。
また飛行機に搭乗する以外でも、JALが発行するクレジットカードを使ってお買物すればマイルが貯まる。
私はJALカードは持っていないが、父はクレジットカード支払の殆どがJALカードなので
必然的にマイルが貯まっていく事になる。
それ以外にも日常生活の中で、マイルを貯める方法は色々ある。
続いてマイルの使い方であるが、基本的には特典航空券に交換するのが有利だ。
特典航空券はマイレージバンク会員本人はもちろん、二親等以内の親族若しくは姻族にも譲渡できる。
特典航空券に交換する場合に必要なマイルは次の通り。
国内線 任意の1区間の往復が15000マイル、ただし沖縄離島便乗継の場合若干の例外あり。
つまり、現行制度においては、羽田−伊丹だろうが羽田から広島だろうが、羽田−福岡だろうが、羽田−沖縄那覇だろうが
全部一律15000マイルで特典航空券と交換することができる。
よって計算上では、できるだけ長い距離を飛ぶ便に乗った方が相対的なパフォーマンスは優れる事になる。
しかし制度上、乗継を伴う行程はマイル数が倍になってしまう。
例えば、羽田−隠岐に行きたいとしよう。だが羽田−隠岐の直行便は存在しない。そのため大阪か出雲での乗継が必要だ。
仮に出雲で乗り換えるとしたら、羽田−出雲、出雲−隠岐の2区間のマイル、つまり30000マイルが必要になる。
隠岐は沖縄より遥かに近いのに、使用するマイルは倍になってしまうのだ。
ちなみに普通運賃でこれらの区間を搭乗したとすると、羽田−沖縄那覇37500円、
羽田−大阪−隠岐は41200円、羽田−出雲−隠岐は40150円となる。
沖縄より近い隠岐までの方が高くはなっていると言え、倍までの差は出ない。
尚、先に書いたように、沖縄離島便乗継の場合だけ少し例外がある。
本土から沖縄へ向かう便と、沖縄から離島へと向かう便を乗り継ぐ行程の一部が往復5000マイルで引き換えられる。
例えば大阪−久米島間には直行便はないが、大阪−沖縄那覇−久米島と乗り継ぐ行程ならば
15000マイル+5000マイルの20000マイルで交換できると言うわけだ。
では次にマイルを札幌(千歳・丘珠)から利用する場合を考えてみよう。
本日現在、札幌からJALグループの直行便が就航している都市は、
女満別・釧路・函館・青森・三沢・秋田・花巻・仙台・山形・松本・東京羽田・東京成田・
名古屋中部・大阪伊丹・大阪関西・神戸・広島・福岡
である。
先月末までは沖縄直行便もあったのだが、採算が取れなかったらしく運航休止になってしまった。
先述した理由により、近距離でマイルを使うのは勿体無いので、
西を目指して福岡、広島あたりがターゲットになると思うが、
何だかんだ言っても福岡便は良く利用しているし、広島便は時間帯の関係で使いにくい。
関西圏も何だかんだ言って利用しているしなぁ・・・・・・。
ちなみに特典航空券の予約は、2ヶ月前から4日前まで可能だ。
国際線 日本国内発のエコノミークラス往復行程の場合以下の通り
韓国 | 15000マイル |
中国・台湾・香港・フィリピン | 20000マイル |
グアム | 20000マイル |
マレーシア・インドネシア・シンガポール・インド・ベトナム・タイ | 35000マイル |
オーストラリア・ニュージーランド | 40000マイル |
ロシア | 40000マイル |
オランダ・フランス・ドイツ・スペイン・イタリア・イギリス | 55000マイル |
ホノルル・コナ | 40000マイル |
アメリカ・カナダ・メキシコ | 50000マイル |
ブラジル | 80000マイル |
流石にこちらは、どこでも均一だよと言うことは無い。
日本発ブラジル行だと80000マイル、国内区間の5倍以上のマイルが必要だ。
さて、ここで注目すべきことは、
この特典航空券は“任意の1区間の往復”では無く“日本国内発の往復”であることだ。
例えばCTS(札幌千歳)−LHR(ロンドンヒースロー)にJALグループの直行便は無いので
札幌から成田若しくは関西を経由して乗り継ぐことになるが、
当該乗り継ぎの為の国内線部分も、特典航空券に含まれると言う事だ。
具体的には国際線の特典航空券には、乗継のための国内区間の航空券2枚がセットになっている。
つまり、国内線行き→国際線行き→国際線帰り→国内線帰りの4枚の航空券が
上記のマイル数で交換できると言うわけだ。
こうなると、成田から国際線に直接乗る人よりも、
地方空港などから乗り継ぐ人のほうが相対的にマイルを有効に使える事になる。
最も東京の人だって、東京羽田→大阪関空→海外→大阪関空→東京羽田と言う行程をとることは出来るし、
Webページの説明を読んだ限りでは、東京羽田→福岡→中部→海外→成田と言う行程も問題なさそうではある。
ただし、国内線区間のチケットはあくまで乗継のためであるので、
国内の乗継経由地では24時間以内の滞在でなければならず、
また目的地の海外滞在期間は24時間以上でなければならない。
そして国内線の特典航空券においては、マイルのみで当該区間を往復する事ができるが
国際線特典航空券の場合、マイル以外に税金や空港使用料、さらには燃料特別加算金などといった追加費用が発生する。
現在原油価格が高騰しているため、こういった調整金も数万円単位に膨らんでいるので、その点は注意が必要だ。
尚、こちらは搭乗日の330日前から7日前までの予約が可能だ。
追加費用が発生するとはいえ、こうやって比べて見ると、
国内線よりも国際線のマイル特典航空券の方が興味が沸く。
更になんと、今ならキャンペーンで国際線の特典交換マイルが2割引になっていると言う。
よし、折角マイルをもらえるのだから、いい機会だ。海外に行こう!
父に問い合わせる。
「何マイルまで使用してもよろしいでしょうかね?」
「3万でも4万でも使いたければ使ってもいいぞ、どうせ仕事が忙しくて使えないから」
と言う事は、今は2割引だから・・・・・・ヨーロッパは無理だけど、北米までなら行けちゃうね。
さあ困った、いざ海外といっても、別に何処か行きたい国があるわけじゃないから、
こうやって一気に選択肢が増えても、直ぐに決めるのはなかなか難しい。
アジアにするか、グアムにするか、オセアニアにするか、それともアメリカ・・・・・・。
なんて色々考えているのはいいが、何故今まで私が海外に行かなかったか?
それはもちろん、語学の壁だ。
海外である以上、どこに言ったって語学の壁は存在する。
しかも私の場合、自由にどこでも行きたがる人間だから、日本人向けの観光地に滞在するなんてありえない。
自由に動き回りたい、しかし語学の壁があって海外ではそれが実現不能だから、今まで海外に行こうとしなかったのだ。
とはいえ、そんな言い訳を繰り返していたら、いつまでたっても外の世界に行く事はできない。
ならば、もういい。単純な理由で決めてしまおう。
私は鉄道が好きだ。国内では一日中鉄道に乗って適当な駅に降りてを繰り返しでも楽しめる。
だから海外に行っても鉄道があれば、きっと満足できるはずだ。
しかしそれを言い出すと、韓国だろうが、中国だろうが、
オーストラリアだろうが、アメリカだろうが、鉄道はある。
となれば、日本と鉄道システムが似通った国を選ぼう。
一時期は日本領であった韓国、そして台湾が該当するな。
待てよ・・・・・・そういえば今年の頭くらいに、台湾に日本の新幹線が導入されたと聞いたな。
700T系、日本の700系にそっくりらしいじゃないか。
よし、決定。台湾に行こう。新幹線に乗りに。
台湾の国際空港はTPE(桃園国際)とKHH(高雄国際)の二つがあるらしいな。
両方とも日本からの直行便があるようなので、どうせなら行き帰りで両方を使いたい。
でも、高雄国際空港は、JALの便は日本からの便が現地夜間着で、日本への便は現地朝発か。
正直、知らない土地に夜間着くのも嫌だし、現地を朝に出るのも嫌だな。
仕方ない、桃園の往復行程でいいや。
そして、国内線の乗り継ぎを最大限利用して・・・・・・と。
結局選んだ行程は
2月 7日 CTS(札幌千歳)→NGO(中部国際)
2月 8日 NGO(中部国際)→TPE(桃園国際)
2月12日 TPE(桃園国際)→NRT(東京成田)
2月13日 HND(東京羽田)→CTS(札幌千歳)
税金やら何やらかかるとはいえ、それらはだいたい1万6千円、えらくリーズナブルな海外旅行であります。
もちろん現地での滞在費用とかいろいろ必要だけどね。
二ヵ月後なら、テストも終わっているだろうし、この期間には資格試験もないし、問題ない。
予約を完了し、JALのページを見る。
あ・・・・・・そういえば、私自身のマイルも約3万マイルあるんだ・・・・・・。
しかも、年末で7000くらい失効するみたいだ。
こっちのマイルも使わないとならないのか・・・・・・。
今日はもういいや、このマイルの使い道はまた後日考えようっと。