2007/10/26 神無月二十六日





朝7時台の喜茂別町にて。
札幌の隣町であり、よく通るとはいえ、この時間にこの町を通ることはあまりない。


昨日少し早く寝たため、朝5時起床。
折角早く起きたのだから、朝日でも拝みにいこうかという事で中山峠方面に向かうことに。
昨日、秩父別まで走ったばかりだと言うのに、また走る。
そこある何かを求めて。


午前6時を少し過ぎた頃、簾舞から砥石山方面を眺めて。
昇る朝日とあいまって、山が燃えるように赤い。


迷うことなく定山渓を抜け、中山峠へと足を進める。
中山峠は、ここ最近よく通っているな。


紅葉には少し遅いような気もするが、それでもまだ間に合ったようだ。


尚、新豊橋付近の気温表示は1℃だった。
逓減率を考えると、峠の頂上に近いあたりは、氷点下と言うことになる。
撮影の為にカメラを持って車を降りると、一気に冷える。


7時少し過ぎ、中山峠の頂上に到着。
地面が少し凍りついている。やはり気温は氷点下のようだ。
ここで引き返そうかとも思ったが、羊蹄山と尻別岳に誘われ、峠を喜茂別側に降りることを決意。
流石にこの時間の望洋中山の駐車場は、あまり車がいない。


中山峠をゆっくりと駆け下り、喜茂別に到着。
まずは喜茂別町民公園を訪れる。


流石に朝の8時とあっては人がいない喜茂別町民公園だが、こちらも紅葉が綺麗。
一応8時からパークゴルフ場がオープンしていたが、
流石にこの季節の平日の8時なんかに、プレイする客の姿はなし。


とりあえず目指すはニセコ、経路としては最終的に羊蹄山を一周したい。
今回は左回りで倶知安方面から行こうか。


喜茂別から京極方面に向かうと、羊蹄山ビュースポットがある。
一直線の道路の先にある羊蹄山の姿が美しい。


羊蹄山の周りを回る道路に入る。左回りなので、
基本的に常に左側に羊蹄山を見つつ、走行することになる。


喉も渇いたことだし、京極町内で少し寄り道する。
「名水の郷きょうごく」のあるふきだし公園、ここで水を飲もう。


流石に朝の8時を回ったあたりでここを訪れる人なんていないよな。
と思いきや・・・・・・(画面の右上に注目)、大量のビンを持ってここを訪れるおばあさんがいた。
様子を見ていると、何往復もしながら、ビンに水を入れている。
私の勝手な予想だが、ここら辺で飲食店か何かを経営していて
業務用に使用する水を汲んでいるのだろう。朝早くからお疲れ様です。


ここに来るとやっぱりこの構図で撮りたくなる。
ただ撮影しても面白くないので、露出時間を30秒にしてみた。
当然キチガイフィルター、ND400を使用。


駐車場に戻ると、中国人を乗せた観光バスが来ていた。
こんな時間から観光バスも来るんだね。

私はそこら辺の観光客相手のお店で、朝食代わりにコロッケを頼もうとした。
「すみません、男爵のコロッケは無いのですか?」
私はそう聞いたのだが、何故か返ってきた答えは中国語、
中国語でコロッケの説明されてもわかりません。
「我不是中国人・・・・・・もとい、私は中国人じゃないですよ」
というと、あらま、と言う顔をして、言語を日本語に切り替えた。

私が中国人に見えたのかな?(日本語で話しているのに)というのはともかく
こんなところの土産物屋のおじさんが、中国語を話せることに驚愕した。


京極町を後にしてさらに西へ、倶知安方面へと走る。
当たり前だが羊蹄山も、見る方角によって少しずつ姿が違う。
一番良く見える角度って、どの方向から見た場合なんだろう?


9時過ぎ、倶知安町に到着。久々の街らしい街だ。
とはいえ、裏通りに行くとやはり寂れており、少し街らしいのは国道5号線沿いだけみたい。
マックスバリュで、特産の『豪雪うどん』を買い求め、先へ進む。


9時40分、道の駅『ニセコビュープラザ』に到着。スタンプ押印。


この道の駅から、国道5号線を経由して札幌に向かうと111kmだが
真狩・中山峠経由だとだいたい92kmくらいで札幌に到着する。
私は昔から鉄道路線を中心に考えており、
札幌から倶知安やニセコへ行くには、小樽、余市、稲穂峠経由のルートを思い浮かべてしまうため
札幌から倶知安でだいたい両ルートが等距離、ニセコだと中山峠が有利だと言う事実が何となく飲み込みにくい。


この先、蘭越や黒松内へと進むことも考えたが、起きた時間が朝5時であることや
当初はここまでくる予定も無かったことを考え、ここで引き返すことに。
この判断は、ある意味では正しかったのだが、結果として非常に危険な事態を引き起こすことになる。


やはり羊蹄山を左手に眺めつつ、真狩方面へ。
真狩村、留寿都村を経由しつつ、喜茂別町へと戻る。
羊蹄山一周を達成するなら、京極方面へと走るべきなのだろうが、まあいいや。

数時間前に通った喜茂別町を、今度は逆向きに通る。
さて、ここから札幌まで1時間と少しだな。

峠道へ長々と続くアプローチ道路で、私は眠気を感じていた。
普段、5時になんか起きないからなぁ。
まあいいや、中山峠くらいの大したことが無い峠なら、何とかなるだろう。
ちょうど頂上には道の駅があるし、下れないようならそこで休もう。

この甘い判断こそが、ドライバーを地獄へと誘う第一歩なのである。


喜茂別側から峠を登ると、登坂車線があるので、遅い車は左を走ることができる。
いつもなら、高速で峠を駆け上がるのだが、今日は先ほどから少し眠いし
後続車に道を譲りつつ、登坂車線をゆっくりと登っていくことにする。

途中、何度か気を覚醒させながら峠を登る。
いよいよカーブが増え、中山峠喜茂別側のハイライトとも呼べる地点に差し掛かる。
そこで悲劇は起こった。


気がついたら、目の前に道が無い。
目の前に飛び込んできた景色は、緑色の草と少し枯れかかって茶色くなった木々。

しまった、眠気で意識がとんだ!
このままだと路外に飛び出す、事故だ!!

ドガガガガガというような音が鳴り響く。
しかし、意識がとんだ直後にもかかわらず、
本能がそうさせたのか、体が覚えているのか瞬間的にハンドルを右へ切る。
あ、何とか本線に戻った!事故はなんとか回避できたか。
すぐに車を止めて、周囲の状況をチェックする。


発生直後に撮影した写真。
車の下部には大量の土や草を巻き込んでいる。
この写真の手前の部分あたりから抉り取ったのだ。
タイヤが通った場所がなんとなく跡になっているが、お分かりいただけるだろうか?

すぐさま車の点検を行うが、側面には傷なし。
下部のチェックはできないが、走行に支障はないみたい。

今回ばかりは、私といえど流石に肝が冷えた。
確か、走行速度は時速55キロくらいだったので、1秒間に15m進むわけだが、
写真を見ればわかるように、あと15mどころか数m進んでいれば
路外逸脱で制御不能、そして標識に激突が待っていた。
事故発生までコンマ数秒のレベルで、何とか助かったわけだ。

更に言えば、もし意識がとんだ場所がここではなく、崖に面した所なら
そこから転落してさようならと言う可能性もあったわけだし、
もし左カーブであれば、対向車線にはみ出して激突、
自分が死亡するだけではなく、対向車にも迷惑をかける可能性があったわけで、ゾーッとする。

いくら走りなれている峠だからって過信は禁物、眠気を感じたら休みましょう、と。

運転に慣れてきたあたりが一番怖いと言うが、
その怖さを十二分に味わわせてくれたインシデントであった。


なんとか中山峠頂上まで戻って来た。
流石にあれだけのことをやらかしたので目は覚めたと思うが、念のため駐車場にて仮眠をとる。

朝5時台に家を出たのに、札幌に戻ってきたときは既に15時を回っていた。


大学に行くとgcfnさんが一人で部室に。ここ最近、1人しかいないなんて珍しいね。
暫く経つと、ナオさんがやってきて、3人で妙な内容の会話をする。
ある意味タイムリーと言えば、タイムリーなのだが、
普段なら私が取り扱うようなディメンションの話題ではないね。
“誰とも付き合ったことがない”と言うのは実は幸せなんじゃないか、と少しだけ感じた瞬間だった。

その後ファクトリーへと移動した後、19時を回ったのちマツモトキヨシを訪れる。
スミチェル氏のバイト先訪問兼私のいつも良く飲む飲み物の纏め買いが目的だったが、
何故かgcfnさんが一緒についてくる。意外とネタ好きなのね。

店にあるだけキレートレモンを持ってレジへ突撃し、ポイント利用&QUOカード払いで。


ちなみにこれ、店の外からの撮影なのでセーフってことで。


しかし、スミチェル氏とgcfnさんのカップルは、見ていて微笑ましい。
周囲からは色々と意見もあるだろうが、私は純粋に羨ましいよ。
彼らの中睦まじい様子を見ていると、やっぱり私のやってきたことは間違っていたな、と思うわけだが・・・・・・。

戻れない世界に憧れを抱くより、自分が今まで生きてきた世界で生きるべきか、
戻れないとは言えど、戻る努力を怠ったらそこで試合終了なのか、はてさて。