2006/9/27 長月二十七日



今日から福岡を中心に、西日本の旅に出る。

今回の福岡行の目的は今月末を持って国内旅客定期航空路線から退くYS−11だが、
それ以外にもいろいろ観光などを絡ませている。

福岡までの直行便は午後にならないと飛ばないため、お昼までは大学へ。
お昼過ぎ、部室にて
「じゃあ、ちょっと千歳行ってくるよ」
と言うと、千歳在住のクロサワ氏が
「え?何で千歳行くの?」
と不思議そうに聞いてくる。
「飛行機に乗るからです」
と答えになっているのかわからない答えを返すと、
ますます混乱していたようだが。
私が大学に行く時の格好と、旅する時の格好は、
リュックの中身が違いこそすれど、殆ど変わらないからなぁ。

快速エアポートで新千歳空港に着き、ちょっと一休み。


FUK、福岡空港行の便はJALで1日2便あるのだが、1時間間隔と隣接している。

ANAの便も1日2便あるのだが、これも時間帯が似たり寄ったりなのだ。
せっかく1日4便も札幌福岡便があるのに、これでは勿体無い。
そもそもこの区間に満席になるような需要があるわけでもないので、
客の奪い合いもないだろうし、(むしろ今のダイヤの方が無駄に奪い合っていると思う)
二社間で協議して、うまく時間帯をずらすように出来ないのだろうか?
私としては、朝の9時くらいと、11時くらいに福岡に向かう便があれば嬉しい。
または半分が北九州空港行でも面白いとは思う。


千歳から2時間20分で福岡、この路線は比較的良く使うが、
羽田まででも1時間30分かかる事を考えると、早いよなぁとつくづく思う。

もはやすっかり見慣れた感がある福岡空港着。
今回の主目的であるYS−11が、数路線就航している空港だ。
YS−11は、札幌からの便が到着したのとは別の第一ターミナルからの発着だ。
ちょっと足を運んでみたが、残念ながら今はいないようだ。

福岡空港から博多までは地下鉄で2駅、5分。
非常に便利な空港なのだが、いつも通りに地下鉄で移動では面白くない。
いつもとは志向を変えて、博多駅行のバスに乗ってみることにする。

空港の敷地から出ると、すぐに街が広がる。
バスはあちこち回り、こまめに乗客の乗り降りがある。
所要時間20分、博多駅のそばにある博多バスターミナルに到着。
運賃250円は地下鉄と同じで、普通の人が使う意味はあまりなさそうである。


博多バスターミナルでバスを待つ人達。九州各地へとバスが出ている。

福岡市から北九州市までの足はいろいろ考えられるが
今まで快速列車、特急列車、新幹線といろいろ使ってみたので、今回は高速バスを選択してみる。
小倉方面へは、博多駅前のバスターミナルからは乗れないので、地下鉄で天神へと移動だ。


天神の地下街。地下鉄七隈線への乗り換えの時はここを延々と歩くことになる。


福岡天神の繁華街。福岡市で繁華街と言えば、中洲の方が有名だがな。


軽く食事でもしつつ、バスターミナルへ向かう。
天神バスセンターは西鉄天神の駅ビルの3階にあり、
ビルの3階からバスは発車する。北海道にはない立体バスターミナルだ。


同じ乗り場でも、乗るバスに合わせて待ち行列の場所が違う。こうしないと発着数の多さに対応できない。

赤間、中間、香月、直方、行橋、諫早・島原、別府、大分、湯布院、日田、
伊万里、唐津、呼子、佐賀、佐世保、長崎、高千穂、延岡、宮崎、鹿児島の九州の各地、
さらには関門海峡を越えて下関、高知、大阪、京都、名古屋、
さらには水曜どうでしょうでキングオブ深夜バスとして有名な、東京行き「はかた号」もここから発着する。

小倉行きのバスは、「なかたに号」「ひきの号」「いとうづ号」の三種類があり、全て経路が違う。
私が乗ったのは「なかたに号」、所要時間は約80分だ。


都市高速が発達している福岡の街ではあるが、バスターミナルを出てから中洲を経て
高速道路に入るまでは少し時間を要した。
感覚的には、札幌ターミナルを出たバスが12号線を経て米里から高速道路に入るのと同じくらいか。
高速道路に入ってしまえばとても快適である。

北九州市内に入ってからは、モノレールの下を延々と進む。
乗客は、モノレールの各駅前にあるバス停で次々と降りていく。
結局小倉駅まで乗りとおした人は、私ともう1人だけだった。

このバス、北九州モノレールの沿線に行くなら便利だが、目的地が小倉駅なら
素直に4枚きっぷでも利用しつつ、ソニックや有明に乗ったほうが賢明ではありそうだ。
もっとも、バスの方が列車より少し安いがな。

しかし福岡(博多・天神)〜小倉間には
普通列車が毎時3本、快速が毎時3本、特急が毎時3本、新幹線が毎時5本、
そして高速バスが毎時8本就航しているわけで、とても移動における選択肢が多い。

予算と時間の都合に応じて、

新幹線  博多〜小倉 18分 2050円
在来特急 博多〜小倉 40分 1300円(2枚きっぷ利用時の値段、通常料金だと1750円)
快速列車 博多〜小倉 60分 1250円
高速バス 天神〜小倉 80分 1000円

と使い分けられるのは非常に便利だと思う。


小倉駅から南を見る。

21時10分、ちょうどいい時間だ。これから小倉港まで歩こうか。
小倉は昔からの港町なので、駅から港までが非常に近く15分も歩けばつける。
駅の南側とは対照的に、閑散としている駅の北側の通路を歩き、小倉港へ。


関西汽船のフェリー、松山行。
北海道航路に就航するフェリーに比べ、ちょっとこじんまりとしている感がある。

北海道の人間が、北海道が絡まない長距離フェリー航路を使う機会というものはあまりないだろう。私もこれが始めてだ。
しかしうまく使えば、夜の間の時間を有効に活用できて、宿泊費も浮く。
さらに今回乗船する小倉〜松山の区間なら、このフェリーが一番安い移動手段でもある。
車を使わない旅においても、フェリーはいろいろ利用方法が見出せそうだ。
今までフェリーのことはあまり考えなかったが、今後の旅は生かしていきたのものだ。

明日はいよいよYS−11とのご対面、逸る気持ちを抑えつつ、眠りに着く。