2006/9/19 長月十九日



7月の月高祭以来2ヶ月ぶりに、月寒高校に向かった。
この時期に高校に行くのは卒業してから毎年恒例であり、今年も慣例に従った。

ただ今回が昨年までと違うのは、K.K氏と一緒であること。
昨年までは、私一人でここに来ていた。

私がここに毎年来ているのは、卒業証明書を受け取るため。
昨年までは私が、滋賀県在住のため札幌になかなか来られないK.K氏の分も一緒に受領していた。
今年になってどうしてK.K氏が直接来られるようになったか、それは諸々の事情がある。


そもそも私とK.K氏は、どうして毎年のように卒業証明書が必要なのか?
それはパラレルワールドを歩いているのは私だけじゃなくて、K.K氏もだからだ。
もっともK.K氏の方が、パラレルワールドなんて言い訳をしていないし、
いざと言う時のリスクヘッジも行っているし、私より賢い選択をしていると思うがね。


ここにK.K氏の略歴を紹介する。

前略
平成15年3月 北海道立札幌月寒高校卒業
平成15年4月 滋賀県の有名私立大学経済学部入学
平成16年1月 卒業証明書を使用する
平成17年1月 卒業証明書を使用する
平成18年1月 卒業証明書を使用する
平成18年9月 某BKCの卒業要件単位充足予定
平成19年1月 卒業証明書使用予定

少し伏せて書いたが、大体これで意味はわかるだろう。

ただ、途中まではリスクヘッジする事が可能でも、
最終的には二者択一、どちらかを選ばなければならないが、
K.K氏は元の世界に戻る道を選んだ。実際に彼は一切の就職活動をしていないらしい。
(フリーターやニートになるわけではない)

この問題は、私にも常に付きまとってくる問題だ。
竜宮城から玉手箱を持って故郷へ帰った浦島は、もう竜宮城には戻れないのだよ。
浦島が望郷の念を捨てる事ができなかったのと同様、
私も決断を迫られる時には、行先不明の片道航海に乗り出す可能性は高い。
現在進行中の路線の、最高峰の登頂に成功することができれば話は別だが、
その山を登るためには多大なエネルギーが必要だし、
登山に失敗すると大怪我して二度と日の目を見ることができなくなる可能性もある。

K.K氏には、5度目にして最初の、本当の戦いに、見事打ち勝って欲しい物だ。




無事に目的を終えた私とK.K氏は、メイド愛好家のレビン氏を誘って食事に行く。
向かった場所はメイド喫茶・・・・・・ではなくメイド居酒屋、
どこがメイド喫茶と違うのかと思いきや、メニューがきちんと居酒屋を踏襲している。


外観ではあまり普通の居酒屋と区別できないが
中に入るときちんとメイド服を着たウエイトレスが出てくる。
おっとこの言い方では興醒めか。便宜上メイドさんと呼ぼう。

我々のように複数で来ている人もいるし、
メイドさんとの会話を楽しむために一人で来ている人もいる。
話によると、そういう人も結構多いようだ。

メニューも一見他と大して変わらないが、少しだけ特色あるメニューが見られ、
さらにはお酒や料理などに混じって変わった物がある。

「お帰りなさいご主人様」 0円
「お帰りなさい ○○様」 0円

○○の部分には自分の名前などを入れてもらえるらしいが、もちろんの事私は頼んでみた。

店員のメイドさんは少し照れながら言ってくれたが、ネタ的には面白かったけどあまり萌えないな。
私はネタが大好きなのでメイド喫茶は好きだが、メイドさんが好きなわけでは無いのよね。
更に言えばこういうお店は自由に撮影できないし。

ちなみにこの店を出る時の挨拶は
「気をつけてお帰りください」
だった。メイド喫茶によっては、『お帰りなさいご主人様』との整合性をとる為、
「気をつけて言ってらっしゃいませ」「旦那様がご出発です」
などとなっているお店もある。って、こんな細かい事を気にするってことはやっぱりフリークだな。


萌えは非日常ではなく日常の中にあると私は思う。
メイドカフェという非日常の中で萌えを楽しむ人を否定はしないが、
作られた萌えより自然な萌え、その方がやはり高品質だと思うのだ。
(萌えの品質って・・・・・・何だろう)
まあ私自身、女の子との関わりが非常に希薄な方なので
そのような『自然な萌え』を経験する機会も極稀ではある。
(ちなみにここで言う萌えの対象は人物や属性ではなく、シーンやシチュエーションである)

だからメイドさんの「いらっしゃいませご主人様」よりも
身近な女の子の何気ない一言の方がクリティカルヒットするであろう。
仮定形なのは、現実にそういう事態が無いから想像でしか物を言えないのだ。

罵詈雑言なら嫌と言うほど浴びたがな。
そのおかげでそちらには免疫がついて、たいていの暴言なら馬の耳に念仏状態だが
逆方向には開閉器を設置していないから、一発でブレーカーが飛ぶかも・・・・・・。


何か話が変な方向にいってしまった。これ以上書き続けると、
妄想全開の酷い状態になりかねないので、そろそろやめておくことにしよう。
更に言えば、予期しないところに来るからこそ萌えるのであって
最初から予想してしまったらつまらないしね。