2006/9/1 長月一日



自分の住む街を観光したことはあるだろうか?

私の住む札幌は、北海道最大の都市であると同時に観光都市でもある。
しかしながら、自分の住む街というのは逆に盲点であり
私も移動や街歩きなどで市内の隅々まで移動する事はあっても、
施設などをじっくり見学する機会はあまり無い。

そんなところにこんな話題が。
札幌市では新たな試みとして札幌まちめぐりパスという物を試験販売するらしい。。

札幌市交通局 札幌まちめぐりパス

札幌市の観光施設の入場券と、地下鉄・バス・市電の共通一日乗車券がセットになったものだ。
価格は2000円とかなりお得な料金だ。

こんな面白い物が発売されたのだから、利用開始初日の今日、
これを使って札幌市内をきちんと観光してみることにした。


さて、このパスを使って入場できる施設は20箇所あるが、
時間の制約により全てを回る事は恐らく不可能だ。今回はどの施設を目指そうか?
一応昨日のうちに、開館時間や移動時間、是非行きたい施設を考慮して日程を作ってみた。
だいたい17時くらいで営業終了する施設が多いので、それまでの勝負だな。


このきっぷが発売されているのは市内の主要ホテル。
本来、市外からの観光客向けに開発された商品なので、駅では取り扱っていない。
ただし札幌市民でも購入する事はできる。
私は中島公園にある札幌パークホテルに向かい、購入。


左が本体で、右のパンフレットつき。本体は記名式なのだが、掲載にあたり画像からは氏名を消去。

まずは地下鉄で一気に宮の沢に向かおう。
と思いきや、本体に附属していた一日乗車券がいつの間にか消失している。
ホテルから貰った時は確かにあったのに。
パークホテルから駅までの約3分の間に落としたのかな?

しかしそのわずかな区間を探してみるも、見つからない。誰か持ち去りやがったな。
仕方がないので、別途もう一枚一日乗車券を購入する。
(附属している一日乗車券は、駅で販売されている一日乗車券と一緒)

パスを普通に持ち歩いていただけなのに乗車券が本体から零れ落ちる。
カードを収納するポケットの構造があまりよくない。
正式にリリースする際は改善する事を期待する。
(ちなみに、このような使ってみた感想や要望などを記入するアンケートが添付されているのだ)

それはともかく私の一日乗車券拾った奴、使うならせめて10乗車はしろよゴルァ。


気を取り直して宮の沢へ。最初に目指すはイシヤチョコレートファクトリー。
ここではチョコレートについての歴史や文化、
さらには石屋製菓の主力商品である『白い恋人』の製造過程を見学する事ができる。


施設の外に広がる庭には、恋人広場と言う名称がつけられている。

さっそく中に入って係員にパスを提示する。
私がこのパスを利用した第一号みたいで、少し手間取る場面もあったが無事入場。
この施設の入場料は通常600円で、パスの価格を考えると凄く安い。


白い恋人の製造ライン。ここで作られた製品が各地の土産物屋に並ぶわけだ。

中には、昔のおもちゃコレクションなどもあり、子供連れでも楽しめる作りとなっているのだが
施設の中身について詳しく書くと、行く楽しみを失わせてしまいそうだし、
さらには日記が長くなってしまうので、省略させていただく。

AAAの満足度 ★★★★☆





石屋チョコレートファクトリーを後にして、『西町北20丁目』より琴似駅行のバスに乗る。
バス停の方が宮の沢駅より近かったので早いかな?と思ったが、琴似駅まで大分時間がかかった。
今日はバスに乗るのが目的ではなく、いっぱい観光する事が目的。
これ以降は、私の知識と経験を駆使して、最速乗継を心がけることに徹する。

と言うことで琴似駅から地下鉄に乗り西28丁目駅へ、
そこから環20、山の手環状線の外回りに乗車し、『彫刻美術館入口』バス停で下車する。
(ちなみに本当は、東京の山手線と違って内回り外回りとは言わない。)

そう、次の目的地は札幌彫刻美術館、
彫刻家、本郷新の彫刻や絵画などが展示されている美術館だ。

バス停から宮の森の高級住宅街の中を歩き、美術館に向かうが
少し距離があり、結構な傾斜の上り坂を歩くことになる。


なぜか彫刻美術館前にはたくさんの高校生がいた。平日のこの時間にいったい何をやっているんだ?
修学旅行かとも思ったが、北海高校をはじめ、札幌市内の学校の制服なのよね。


高校生と入れ違いに彫刻美術館に入り、パスを提示する。

「えー、今は特別展をやっているので追加料金が必要です」
何?追加料金だと?パスの提示で特別展も閲覧できると書いてあるんだが。
「それどういうパスなんですか?・・・・・・もうお金払ってるんですか、わかりました」

危うくお金を取られそうになり、さらに大分待たされたが入場できた。
どうやら窓口の人はまちめぐりパスの存在を知らなかったようである。
パスの利用可能施設として参加しているからには、きちんと周知しておいてほしいな。


館内には彫刻が所狭しと並ぶ。
どこかで見たことがある芸風だと思ったら、北海高校にある『わだつみ像』も彼の作品のようだ。
館内の案内によると、それ以外にも日本のあちこちに作品があるみたい。
今まであちこちで見たことがある作品の数々が、実は本郷氏の作品だと知るのは楽しかった。

AAAの満足度 ★★★☆☆





もう少し作品を見ていたかったが、今日はこの辺で美術館を後にする。
坂を下り、北1条宮の沢通へと戻る。帰りのバスまではしばらく時間があるがどうしようか?

よし、大倉山に向かう途中、少しだけ円山動物園に寄って行くことにしよう。
これならバスを待つ必要も無い。

円山動物園へと向かう[西15]動物園線の地下鉄接続駅は円山公園駅、
現在地から移動する[環20]山の手環状線の地下鉄接続駅は西28丁目駅、
市外からの事情を知らない観光客ならば、パスの案内通りに
彫刻美術館→西28丁目→円山公園→円山動物園と移動してしまうだろうが
私は、この両路線が共に北1条宮の沢通を走行している事を知っているし、
さらには両路線の分岐点である『宮の森1条10』バス停は、
『彫刻美術館入口』バス停のひとつ隣であることも知っている。
よってバスを待つ必要もないし、いちいち地下鉄駅まで戻る必要も無い。

(そういえば今年の4月から、JR北海道バスの系統番号の変更が行われ
 文中の[西15]は[円15]に、[環20]は[循環西20]になったようだが
 古い系統番号が私の知識として定着してしまっているため、
 日記内でもしばらくは新旧の系統番号が混ざる事がありますがご了承願います)

『宮の森1条10』からバスに乗り、円山動物園に入る。
私はここ円山動物園の年間パスを持っていてちょくちょく訪れるので、
今日わざわざ入場する必要も無かったのだが、
大倉山方面へ向かうバスの時刻との兼ね合いから、
少し寄って、なじみの動物達に挨拶していく事にした。


園内には幼稚園児がいっぱいいた。ちょうどお昼ご飯の時間らしくみんなでお弁当を食べていた。

さて、もう時間だ。駆け足になってしまったが、また今度きちんと動物を撮りにこよう。

AAAの満足度 ★★★☆☆





円山公園駅へと向かうバスを『神宮前』で降りる。
ここ『神宮前』のバス停は、大倉山方面へと向かう二つの路線、
[西14]荒井山線及び札幌散策バスの両方が停車するバス停なのだ。
少しでも早く行くために先に来たバスに乗ろうとしたため、こういう戦略をとってみた。
(札幌散策バスには一日乗車券では乗れないがな)

結局JR北海道バスの[西14]が先着、『大倉山競技場入口』バス停まで乗ったのだが


バス停から先、しばらくこの坂を登らなければならない。
もう9月に入ったとはいえ、まだまだ暑さが残る昼下がり。
こんなところで照り返すアスファルトの上を歩き続けるのを好む観光客はいないだろう。
急ぎ足で坂を駆け上り、汗だくになってやっと競技場に到着。


ここ大倉山競技場は、札幌オリンピックの際に作られたスキージャンプ競技場で
現在も国際大会などの舞台として使われている。
このリフトは、ジャンプ競技の際に選手が使用するものであるが、
夏は山頂の展望スポットへと観光客を運ぶ手段に早変わりする。

例のごとくパス利用でこのリフトに乗れるのだが、
またもや係員がパスの存在を知らないらしく、しばらく待たされる。
同じ事を何度も言うのもなんだが、事 前 に 周 知 し て お け よ!

今はまだモニター用だからいいが、もし本格的に導入されるならば
窓口でスムーズに手続きが済む事は、観光客に普及するための必要条件だろう。


リフトに乗って頂上へ向かうと、なぜかおっさんがいっぱい。
いったい何をしているのかは知らないが、平日昼間にこんなところにいるからには何らかの仕事だろう。
まあそれはともかく、天気もよく良い眺望である。


競技場を俯角で見る。下まではずいぶんな高低差がある。
ジャンパーが飛び立つ際も、同じような角度から下を見る事になるのだろうが
彼らはよく恐怖なしに飛べるものだと思う。


都心方面を見る。近すぎず遠すぎず、札幌の街を眺めるにはいい場所だ。
他に札幌の街を一望できるスポットとしては旭山記念公園や藻岩山がある。


望遠にして、都心付近のビル街を切り取ってみた。何かミニチュアのようである。
写真の右側上方にある一際高いビルがJRタワーだ。
そこから手前方向は西側になるが、最近都心回帰により高層マンションの建設が相次いでいる地域だ。
逆にJRタワーより奥、すなわち東側の地域は、比較的開発が遅れておりまだ低い建物が多い。

このように、札幌の街をいろいろな楽しみ方ができるので、
札幌市民で街が好きな方は登ってみる価値はあると思う。リフトの代金は500円だ。

AAAの満足度 ★★★★☆





大倉山からの帰りは札幌散策バスを利用する。
(同じく大倉山にあるウインタースポーツミュージアムもパス使用可能施設だが、時間の都合で行かなかった)
一日乗車券は使えないため別料金だが、
このバスはJR北海道バスの[西14]と異なり競技場まで乗り入れる上、
都心方面まで直接乗り入れるため、ここら辺を観光するのならば非常に便利である。


さらに途中、円山動物園も経由する。
先ほどの園児達はちょうどお帰りの時間らしい。
狭い乗降スペースは沢山の観光バスで非常に混み合っていた。

この後バスは、北海道神宮、円山第一鳥居、道立近代美術館と停車し、
札幌駅前バスターミナルまで運行する。
バスの中では観光案内の放送も流れ、一般路線バスとは一線を画している。

ということで円山動物園はともかく、大倉山を観光可能施設に入れるなら
このパスで札幌散策バスも利用できるようにするのは必須だと思うがな。
これもアンケートに書いておこう。



都心を経由したついでにちょっと時計台を訪れる。

ここ時計台は札幌農学校演武場として造られた建物であり、
北海道開拓の歴史を刻んできた由緒ある建物なのだが、
いかんせん場所がビル街のど真ん中にあるために、
変な期待を抱いてきた観光客に落胆され、日本三大がっかり名所に入れられてしまっている。
とはいえ人気は根強く、この場所を通るといつも観光客が写真を撮っている光景を見かける。


中には様々な資料が展示されている。時間があればじっくり見て回りたい場所だ。

AAAの満足度 ★★★☆☆





さて、ここからは東に向かって北海道開拓の村を見学するコースと
南に向かって、滝野すずらん公園を見学するコースを考えていた。

どちらも面白そうだが時間的に二者択一、施設の内容では決めがたいので
今回は、普段一日乗車券では乗れないバスを使わなければ行く事ができない、滝野すずらん公園に行く事にした。

一日乗車券では真駒内花園以南のバスには乗れないのだが、
札幌まちめぐりパスの冊子に、滝野すずらん公園行のバスのチケットが綴じられている。
同じく芸術の森も指定施設なのだが、こちらも一日乗車券の範囲外だが、
バスのチケットはご丁寧なことに、真駒内駅←→芸術の森、真駒内駅←→滝野すずらん公園、
芸術の森←→滝野すずらん公園、福住駅←→滝野すずらん公園の計8枚が用意されている。
8枚全部使う人はさすがにいないだろうけど。


南北線の終点、真駒内駅よりバスで出発。石山陸橋、常盤を経て滝野へ。
他の乗客は、サンブライトまでの間に全員が下りてしまい、
滝野すずらん公園まで乗りとおしたのは私だけだった。


滝野すずらん公園にはいくつかの入り口があるが、今回私は東口より入場。


芝生の緑も鮮やかにのんびりした時間が流れる公園内、つい転寝したくなる天気だ。
大通公園、中島公園、月寒公園、平岡公園、野幌森林公園、モエレ沼公園、前田森林公園・・・・・・、
札幌市内に公園数あれど、のんびり自然の揺り籠に揺られ悠久の時を過ごせる公園はあまりない。
しかしここ滝野は、喧騒とした外界を忘れさせてくれる空気がある。
言葉で形容すれば形容するだけ私の意図するものからかけ離れていくのでこの辺で。


もう少し時間を忘れていたいところだが、
あまりゆっくりしていると、帰りのバスが無くなる。
札幌早巡りの今日にはふさわしくない場所だったかな?
今日のような急ぎ足ではなく、別の機会にゆっくりと見て回りたいものだ。

AAAの満足度 ★★★★★





さて、もう少しここにいたい気分だが、もうそろそろ福住行のバスが来る時間だ。
予定ではここからバスに乗り、『真栄』のバス停で下車、
バスを乗り継ぎ大谷地に抜けて東西線で青少年科学館。
事前調査だと、この乗り継ぎなら何とか入場最終時刻に間に合うのだ。

渓流口のバス停でバスを待つのだが、時間を過ぎてもバスが来ない。どういうことだ?

もう一度よくバスの時刻表を見てみる。
ん?なにやら注意書きがある。なんだろう?

滝野すずらん公園まで乗り入れるのは休日のみ

・・・・・・やられた。道理でバスが来ないはずだ。
そうだ、思い出した。平日は滝野すずらん公園まで来ないで、
ここから約4km先の『ふれあいの森』で折り返すダイヤなんだ。
前に株主優待券でバスを乗り回していた頃も、同じミスをした覚えが・・・・・・。

まあ、青少年科学館は無理だな。となると次の目的地は羊が丘展望台なのだが、
どうしよう?しばらくここで真駒内行のバスを待って、真駒内から[真105]で福住に抜けるか?

にしても、もう一度公園に入って待つならともかく、駐車場にポツンとあるバス停で待ち続けるのは好きじゃないな。
もう入場券は使ってしまったから、公園に再入場できないし。

よし、決めた。ふれあいの森バス停まで歩いてやる。
たった4km、いつも駅間連絡などで歩く距離だ。


鱒見の滝までは公園の中を通る。
ここに来たのはもう10年以上も前の事だな。ちょうど歩くスキーのコースだった。
夏にここを通るのはこれが最初か、何かRPGに良くありがちな
ご都合よく道があるフィールドマップみたいな風景だな。


鱒見の滝入口付近から公道へ出る。ここにもバス停があるが
例のごとくいくらこのバス停で待ってもバスは来ない。


しばらく歩くと清田区に入る。ここを歩く人なんて他に誰もいません。
しかし車の通行はそれなりにあり、あっという間に私を追い越していく。
それにしてもここは、札幌市内を歩いている気がしない。


歩く事約40分、やっとバスが見えてきた。
たいした時間ではなかったが、あまり歩いていて楽しい道ではなかったな。


ふれあいの森バス停で待機するバス。乗客はもちろん私だけ。
と言う事で何とかバスに乗る事ができたが、約1時間のタイムロス、
バスのダイヤはきちんと確認していかないとダメですね。
しかし、まちめぐりパスには小さくしか「土日祝のみ運行」と書かれていないし、
同じようなトラップに引っかかる人は他にもいると思うな。
私のようにこの区間を歩く人はいないだろうけど、福住駅についてみてバスがない事を知る人や
やむを得ず真駒内経由で折り返す羽目になる人は。

しばらく運転士と私の二人旅が続く。有明地区の集落からも乗ってくる人はなし。


『真栄高校』のバス停まで来ると、ようやく人の姿が。
真栄高校の中まで入っていくバスと、そうではないバスがあるようだ。
このバスは真栄高校の敷地内まで入っていくバスのようで、
女子高生が道路に面したバス停からあわてて走っていった。
ちなみに写真は、真栄高校の敷地内にあるバス停である。

真栄高校生を乗せた後、バスはアンデルセン福祉村に寄り道し、ここでも学生を大量に乗せる。
ふれあいの森を出たときは閑散としていたバスは、あっという間に混み合った。
そしてバスは福住へと到着する。



福住からは[福84]に乗車し、羊ヶ丘展望台を目指すはずだったのだが
次に来るバスはその手前のバス停『福住3の9』止まり。
それでも次の便を待つより、福住3の9から歩いた方が早い。


徒歩で羊ヶ丘展望台の入場ゲートを通り、パスを提示する。
ちなみにバスで入場する場合、このゲートのところで係員がバスに乗り込んできてきっちり入場料を回収していく。
中央バスの全線株主乗車証を持ってしても、追加料金なしには乗車できない区間なのだ。


ここに来たのも本当に久しぶり、最後に来てから十数年は経っているのではないだろうか?
おなじみクラーク博士の像の前で撮影する人も多い。
少し寂れた感じがするゲストハウスに行くと、こんなところで倶知安名物の豪雪うどんを発見。
今まで何もお土産は買わなかったが、ここに来て初めて購入。でもなぜか豪雪うどん。
だって、さすがに札幌の名産品を買って帰る気にはならなかったんだもの。

しかしこの場所は、カップルやグループで訪れている観光客が多かった。
今まで私は一人で観光して回っていて、それが普通だと思っていたが
やっぱり一人であちこち回っても少しさびしいかもな。
賑やかに盛り上げる他の観光客を横目で眺めていて、そう思った。

AAAの満足度 ★★☆☆☆





時間は18時を回った。そろそろ大半の施設は営業終了。
ここからは夜の部、まだ営業中の都心部にある定番スポットを巡る。

まずはテレビ塔から。札幌市民なら普段いつも目にしている施設だが、登る機会はそうそうない。
パスがある今日は絶好の好機。さあ、さっそく展望台へ行こうか。


この時間帯に来ると、夜景が綺麗である。
街のど真ん中に立っているため、ビルがすぐ間近であり、
藻岩山などから見る夜景とはまた違った美しさがある。


私は一心不乱に写真撮影していたが、そんな人は他になし。
と言うか一人で来ている人自体が皆無で、みんな家族や仲間、恋人同士で楽しんでいるようだ。

AAAの満足度 ★★★★☆





次に行きますはJRタワー、札幌駅に付随する高層ビルである。
開業したのはつい最近のような気もするが、もう3年前のこと。
T38、すなわちJRタワー展望台は、話題になりながらもなかなか行く機会が無かった。
盲点と言うよりは、高い入場料を払って入場するのは二の足を踏んでいたと言う感じだが、
今回、せっかくこのパスで入れるのだから登ってみよう。


私はここでもまた例のごとく夜景撮影。客層はやはりテレビ塔と同じで、一人で訪れている人は他にいない。

もっちも他にも夜景撮影に挑戦している人は多くいるものの、
ガラスにフラッシュを焚いて真っ白になっている人、明るさが足りなくて真っ暗になっている人、
手ぶれで光が泳いだ画になってしまっている人など、なかなかうまく撮れないという嘆きの声が聞こえる。
夜景撮影するなら、少しは勉強して来いと言いたい。
(そういうこと言うと「はいはいヲタ乙、一人でわざわざJRタワーに来て撮影とか必死だな、
 別に撮影するために来ているわけじゃなくて雰囲気を楽しむために来ているだけで
 撮影は主目的じゃないから」とか言われそうだけど)

まあいいや、偉そうな事を言ってばかりなのもなんなので、
比較的容易に夜景を美しく撮影する方法でも書いておこうか。


まず夜景撮影の基本だが、カメラを固定する事。
何故か?カメラのフィルムもしくはCCDやCMOSは、人間の目ほど光に対する感受性が高くない。
そのため人間の目では十分に明るく見える場所でも、写真にすると光量不足になってしまうからだ。
よって、露光時間を長くして十分に光を取り込むわけだが、
その際にカメラが動くと夜景がブレてしまう。だから固定してブレないようにするわけだ。

さらにテレビ塔にしろJRタワーにしろガラス越しの撮影なので、
ガラスの反射によるバックの映り込みが問題になる。
これを打ち消すためには、後ろからの光がレンズに入らないようにしてやる必要がある。
偏光フィルターを使う手もあるが、普通の人はそんなものを持ち歩いていないだろう。

そこで私のお勧めは
・カメラのレンズをガラスに押し付ける。(極力ガラス面のきれいな部分で)
・レンズの周辺を覆う。レンズフードがついていればそれでいいし、なければ上着でカメラ自体を覆ってしまおう。

これで特別な物を持ち歩いていなくてもカメラを固定し、映り込みを抑えることができる。
それでも多少のブレや映り込みは起こるので、枚数に余裕があれば何枚か撮影する事をお勧めする。

絞りやシャッタースピードを調節できる機種なら、ある程度絞ったほうが美しくなると思う。
しかしあまりシャッタースピードを早くすると、ブレて台無しになる可能性があがる。
(ちなみに私はだいたい2.0秒、F4くらいに設定して撮った)

AAAの満足度 ★★★★☆





さて、いよいよ今日も残すところあと少し。
まちめぐりパスで最後に訪れるのは、すすきのにオープンした観覧車、NORIA。
観覧車に一人で乗るのは少し憚られたが、
こんな機会でもないと私が観覧車に乗る機会等無いと思ったので突撃してみる。

繁華街を歩き、nORBESAに入る。
早速場違い感が私を襲うが、その程度はなんともない。

そしていよいよ観覧車へ。さて、すすきのの街を一望しようか。

・・・・・・と最初は意気揚々としていたのだが、次第に意気消沈。

何が悲しゅうて一人で観覧車乗らないとならんのだ。


ここは喪男にとって死地だ。みるみるうちにエネルギーを奪われていく。
ああ、一人で観覧車なんて乗るべきじゃないな。
常に動いている観覧車においては、長時間露光による撮影は事実上不可能で
撮影に逃げることさえ許されない。

上空で大声で絶叫して他の観覧車に乗っているカップルを怯えさせてやろうとか、
観覧車の中で暴れまくって揺らして(以下略)とかも考えたが、実行までには至らなかった。

あれ?何で泣いてるんだろう、私?
いままでの行程だってずっと一人だったじゃない。最後の10分くらい・・・・・・。

もうだめだ、涙が止まらない・・・・・・もう二度と一人で観覧車は乗らねぇ・・・・・・。

AAAの満足度 ☆☆☆☆☆






と言う事でグダグダな終わり方になってしまった札幌観光ですが、
一応最後を除けば充実した行程になったと思います。

パスの代金2000円分以上、十分すぎるほど堪能しました。
こんなお値打ち価格の商品を企画してくれたことに感謝です。

今回はまちめぐりパスが利用できる施設ばかり回りましたが
札幌市にはまだまだ面白いスポットがいっぱいあります。
時間と資金が許せば、またあちこち回ってみたいですね。

観光スポットにも、一人で行ったほうが楽しめる場所、
大勢で行った方が楽しい場所、デートスポットに最適な場所がありますので、
次の機会があれば、今回のようなソロでの観光ではなく、
それ以外の組み合わせで行ってみるのも楽しそうです。
まあ、こんなくだらない事に付き合ってくれる人がいるかどうかが問題ですがね。



札幌は今回紹介した施設以外にも、自然や文化を堪能できる様々な観光名所があります。
皆様、是非札幌にお越しください。(よろしければ札幌シティガイド検定保持者の私が案内するお)