2006/8/24 葉月二十四日




暦の上ではキャンプ2日目、
放射線取扱主任者試験の過去問題もある程度やって寝ていると、朝2時頃、遠藤商店に起こされる。
朝2時なんて言う非常識な時間に起こすんじゃねぇ!!
と言うだけの気力も無く、再びさっさと寝る。
頼むから運転者の睡眠時間は確保させてくれ、免許持っているならわかるだろ?



朝4時代に目が覚める。外は少しずつ明るくなってきている。
こんな早朝にもかかわらず、既に殆どの人が起きている。
一部の人は、こんな朝早くから焼肉をしている。

皆さんあまり寝ていないはずなのになぜか元気だ。


テントで寝た人達は、大分蚊に刺されたらしく、顔が大分腫れている人も。
私は車中泊だったので、何十匹もの蝿に集られていたが、蚊はいなかったようで刺されはしなかった。


日本海を前に佇むトーダ氏 何かのポスターに使えそうだ。

このまま起きていると、その後が辛くなるので早めに出発する事にする。
こんなに早く起きるんだったら、レンタカーを24時間にして
10時くらいまでには返せるように日程組んでおけば、予算オーバーしなかったのにな。
もっともこんな事態は想定すらしていなかったし、
そういう予定を組みつつ破綻したときは、甚大な被害になるのであくまで結果論でしかない。


8時過ぎ、積丹野塚を出発・・・・・・と思いきや、直太郎の車がバッテリー切れ、エンジンがかかりません。
おそらく車についてよくわからない誰かさんが、
夜通し電気を使いっぱなしにしていたせいでしょうけど。
救援コードを使って何とか回復し、エンジンを始動する事ができた。
しかし今回、どうもトラブルが絶えないね。

ただ、ちょうどこのとき雨が降り出した。
もし今頃になって起きていたら、雨が降りしきる中撤収作業を行わなければならないところであり
この点は幸運だったかもしれない。


ここから私を除いた3台は、美国、古平方面へと元来た道を行くが
私は神恵内、泊村方面の西回りルートを選択する。
せっかく積丹に来たのなら、こちらのルートも通ってみたかった。
同乗するのは、多少は遠回りしても良いというトーダ氏とクワノ氏、
それと搭載人員の都合で犠牲になってしまったツカサ氏。
(結局tiger氏も、倶知安まで行ったらしいけどな)

西回りルートのほうが、東回りルートより道が良いみたい。しかし相変わらず交通量が少ない。
こちらの方は、あらかた新しいトンネルは作り終わったみたいで、スムーズに走る事ができる。
トンネルだけではなく、新たに橋を架けて道路を直線化する工事もあちこちで行われている。
クワノ氏、建築系専攻らしく橋梁などにも興味があるようで
建設中の橋梁の写真などを盛んに撮影していた。(私は運転中だから撮れません)

私が是非とも見たかったのが、神恵内村にある大森大橋。
数年前の台風で流失して以来、ここに来る機会が無かったのだが
立派な仮設橋の隣で、新しい橋をかける工事が進行中だ。
工事が完全に終わったら、昔の走りづらかった道路など見る影も無い
立派な道路が出来上がっていることだろう。

あと少ししたら、ここも走りやすい道に変わってしまうのだな。
道が走りやすくなり交通事故が減る、これはとても喜ばしい事ではあるが
そのためにかけている莫大な費用を考えると、ちょっと懐疑の念を抱いてしまう。

こんな交通量の少ない道路を、こんなに綺麗にする必要があるのかな?と。


泊原発入口を通り過ぎ、程なくして岩内町に到着。道の駅いわないで少し休憩、
ここでお世話になった国道229号線と別れ、今度は国道276号線へ。
途中にある『老古美』のバス停を、なぜか私は使った事がある。

国道5号線との合流点、国富分岐点をいったん右へ曲がる、
札幌方面は逆だが、ここまで来たのだしちょっと寄りたいところがある。
小沢駅前にある、小さなお店である。

小沢駅前では『トンネル餅』というお菓子を販売している、
一つ400円で、トーダ氏いわくトンネルのような暗くて重い味がするようだ。
(別においしくないわけじゃないよ)

今でこそ小沢駅は、山間にある寂れた駅だが、国鉄時代は岩内線との分岐駅だった。
おそらく乗換客が列車を待つ間に、このトンネル餅を買い求める人も多かったに違いない。
昔の乗換駅は、今の人が想像する以上に栄えていたらしいからな。
『越後湯沢』がせいぜいの今の時代、昔の乗換駅の繁栄ぶりを垣間見させてくれるのは
こういった駅に残るトンネル餅などの名物だけなのかもしれない。

−−−−−この行から数行は、鉄道に興味が無い人は読み飛ばしてください−−−−−
『越後湯沢』の意味

越後湯沢駅は、現代の乗換駅の象徴である。
首都圏と北陸(富山・金沢)を結ぶ最短ルートは、
上越新幹線と特急はくたか号を越後湯沢駅で乗り換えるルートであるため
越後湯沢駅に上越新幹線が入ってきたとき、又は特急はくたか号が到着した時、
殆どの乗客が、もう一方の列車に乗り換える。
このときだけ俄かに駅が賑やかになり、通路は行列ができるほど混雑するが、
約10分程度の乗換時間を経て接続する列車が発車する時刻になると、駅は再び静まり返る。
次の列車がやってくるまで、広いコンコースを静寂だけが包みこむ。

これを踏まえた上で本文を読んでいただければ、言いたい事がわかっていただけるかと存じます。
−−−−−     ここまで     −−−−−


トンネル餅も買ったし、後は一路札幌へ走るだけ。稲穂峠を越えて仁木町へ抜ける頃には
クワノ氏とトーダ氏はすっかり深い眠りの中。
その間私は、ツカサ氏と色々喋っていた。
昨日の少し硬めの話題に、意外と興味を持っていただけたと言うのは、色々な意味で喜ばしい事である。

「直太郎さんの車に乗っていたときはずいぶんとばすなという印象だったけど、AAAさんは安全運転ですね」
と言われた。直太郎氏の運転がどうかは知らないけど、
今日の私は、スピードを控えて疲労がたまらないような運転をしているから、そう見えるのかもしれない。

ヘタにガンガン追い越しをかけたり、
少しばかりスピードを出して運転しても所要時間は大して変わらない。
が、その割には心の余裕を失う。いつもは流れる水のごとくで良いというのが私の考え方だ。
あとは車種の問題か。ハイエースでコーナー攻めたら、リアル横転の可能性があるからな。

基本的にはハト派な私だが、実は周囲に警戒感を与えたり、
不愉快さを増大させるような運転手法を山ほどやっている。
(例えば私のブレーキのかけ方は、後続車の運転者の性格しだいでは非常に腹立たしい物となる)
ルールを守らない車に対しては、意地悪してやろうとするしね。
まあ、今回はあまりダークな部分は出さなかったし、よしとしよう。


小樽の町を順調に通過した後、銭函I.Cを降り、
ツカサ氏を下ろして国道に入ろうとしたところ、
左斜め後方の道路から合流してきた車が。
まさかそんな方向に道があると思っていないし、
私は停止線の真ん前にいて、まさか後方から車が出てくるとは思っていなかったので完全に不意をつかれた。

クシュッ

ブレーキが間に合わなかった。車両同士の接触事故発生。
先ほど安全運転を褒められた矢先にこれだ。好事魔多し。

もっとも不幸中の幸いで最も私が恐る恐るの運転をしていたため、
接触した相手の車にはこちらの車の塗料が付いた程度で済んだ。
(こちらの車はバンパーが数ミリ削れた)
これならお互い、車としての機能に支障をきたすこともないし、
修理費用が発生する事もなさそうだという事で、
念のため連絡先を聞く物の、特にどうこうすることは無く終了した。
被害極小で済んでよかったが、場合によってはもっと大きな事故になっていたかもしれないし気をつけよう。

この事故で一番被害にあったのは、この交差点を通ろうとした他の車である。
しばらく交差点の中で話し合ったから、この交差点を通れなかったのさ。


とりあえず気を取り直して、ヤマシナさんの家に借りていた道具を返し、後は2人を送り届けて終了、と。

まず、とりあえず寝る。体力を全快させたら残る時間を全て問題演習につぎ込む。
余計な言い訳はしたくない。明日の試験はなんとしても合格で締めくくる、それだけだ。



ところで今回のキャンプは、アパシー氏が発起し、それを私が補佐したわけだが
彼はそもそも、なぜキャンプに行こうなどと計画したのだろう?
最初の意気込みだけはともかく、その後の企画立案作業をおざなりにするあたり、
ただ単に、特定の女の子と仲良くしたいという下心でキャンプを計画したように見えてしまう。
下衆な勘繰りをしているだけかも知れないが、言動から推察できる内容から判断するとそうなる。

そのような下心は多かれ少なかれたれでもあるものだし、
(私も出発前までは少しだけ期待していたし。繁忙に潰されてそんな余裕なくなったがな)
それが悪いとは言わない。
ただ、リスクを取らないでリターンだけ欲しがる、
種蒔きせずに収穫の時だけやってくる、濡れ手に粟、棚から牡丹餅、それはいただけない。
主催者たる物、自分がやるべき責務をきちんと果たした上で楽しむべきで、その義務を怠るから
「お前は幹事として何をやったのよ、ただ女とずっと喋っていただけじゃねーか
 それだったらみんな連れてわざわざキャンプなんかいかなくても、
 お前ら2人で飲みに行く費用出した方がよっぽど安上がりだ」
なんて揶揄されることになる。更に周囲からの信頼度も急落するというオマケつきだ。

私が同じ立場ならば、ただ目の前の利益を追いかけるのではなく
善管注意義務をもって誠実に職務を遂行し、長い目で見た利益を目指すんだがな。
ともかく、あまりがつがつしているのは、はたから見ると見苦しい。
もう少しスマートさが欲しい物だ。