2006/11/27 霜月二十七日



「AAAさんになかなか連絡とれないんだけど、どうすればいいだろうか?」

今日、そんな事を言われた。


まあ、私自身思い当たる事が多すぎてなんともいえない。
携帯電話は携帯していないばかりか、数日間電源を切ったまま放置という事も珍しくないし
たとえ持っていても、メールを放置する事は屡々ある。
当然、どこに直接電話しようが繋がらない。

更に、人によっては私の連絡先自体知らないと言う人も多い。
別に私は連絡先を秘匿しているわけではないが、
能動的に公開する必要もないと思っているので、不作為により放置しているだけだ。
そのため、私に連絡するためのメールを、メーリングリストに回した人までいる。
まあこの件についてはまた後で。


私は正直、携帯電話というものがあまり好きではない。
というと、時代の流れについていけない中高年世代と同じになってしまうだろうか?

もっとも携帯電話の技術自体はとても面白いものだと思うし、
社会的にも大変便利な物だとは思う。むしろ好きだ。

しかしだ、それを使う人間側が追いついていないのが、私が好きではないと思う原因だ。
具体的に言うと、

所構わず携帯電話を我が物顔で振り翳す輩が嫌いだ。
人の時間に介入してくるのに、それがさも当たり前だと思っている奴が嫌いだ。

とまあ、こういうところか。


更に携帯電話のメールと言うのは、断続的かつ非定期的に時間を奪われる。
さらにパソコンのキーボードなら、毎分1000字は楽に打ち込めるはずの文字が、
携帯電話だと極端に低下する。

携帯電話の入力インターフェイスが、とっつき易さに重点を置いているため、
高速化に全く対応していないのが問題だ。


どういうことか?同じく入力インターフェイスであるキーボードを例にとる。
パソコンの前にいるならキーボードを見ていただければ

ぬふあうえおやゆよわほへー
たていすかんなにらせ゛゜
ちとしはきくまのりれけむ
つさそひこみもねるめろ

と書いているはずだ。(「親指シフト」と呼ばれる特殊なキーボードなどを使っている人はごめんなさい)

これを見ると、『あ』〜『ん』まで、全てのキーが盤上に存在する。
これは即ち、かな打ちならば『あ』〜『ん』までの文字は全て一打鍵で、
濁音、半濁音及び『を』は、二打鍵で入力できる事を意味する。

ローマ字打ちが一打鍵で入力できるのが、
『あ』『い』『う』『え』『お』『ん(次に「あ行」や「や行」が続かない場合のみ)』のみで
殆どの文字において二打鍵になる事を考えれば、
スピード面ではともかく、入力する際の疲労という点では、かな打ちの方が明らかに有利だ。
その点から私は、ローマ字からかな打ちに転進し、普段の入力においてはかな打ちを利用している。

これが携帯電話の話にどう繋がるか、皆さん大体お察しだろうが
一打鍵で入力できるのは『あ』『か』『さ』『た』『な』『は』『ま』『や』『ら』『わ』、
まあ、これだけを見ればローマ字打ちよりマシではあるが
五打鍵要する文字が『お』『こ』『そ』『と』『の』『ほ』『も』『ろ』『げ』『ぜ』『で』『べ』『ぷ』、
『ご』『ぞ』『ど』『ぼ』『ぺ』は六打鍵、『ぽ』に至っては七打鍵だ。
全く高速入力する事を考慮したつくりではない。

携帯電話がこれだけメジャーになり、入力する機会も多くなったはずなのに
いったいこれはどういうことだ?
パソコンのキーボードに比べれば、キーの数が少ないし、キーのサイズも小さいのはわかるが
日本語の文章内の出現頻度に応じてキーを並べ替えるとか、
親指シフトのような高速化策を図るとか、改善策はいろいろあるはずだ。
もちろん、そういう並びになれば、最初に習熟するまでは難しいだろうけど
これだけ国民に普及した以上、その労を惜しむ人はいないはずだ。パソコンのキーボードと同じで。

ちなみに、携帯電話の入力インターフェイスと正反対で、最速化をとことん追求したのがモールス信号だ。
特に欧文モールスについては、出現頻度が高いアルファベットは少ない打鍵、
出現頻度が低いアルファベットは少し長めの打鍵となっている。
具体的に言えば、Eはト、Tはツー、Aはトツー、Iはトトで打てるが
Cはツートツート、Jはトツーツーツー、Qはツーツートツー、Yはツートツーツーとなっている。

モールス信号の上級者は、欧文でも和文でも毎分100文字を叩き込むことが出来、
(総合無線通信士試験で要求されるレベルなので、実際のプロはもっと早い)
携帯電話の入力速度を上回る。携帯電話より更に少なく、キーは1つしかないのにも係わらずだ。
正直この点については、過去の技術が現在の技術に勝っていると思う。

いっそ携帯電話に、モールス入力機能(ダイレクト信号送信、電子メール文変換)
及びモールス出力機能(音、光、バイブレーション)をつけてくれれば
その入力速度の点においては改善できると思うし、新しい使い方も生まれると思う。
どのメーカーでもいいから、やってくれないかね?
モールス機能搭載したら、すぐにその会社に乗り換えるぞ。(他の機能が現行並ならね)


まあ、モールス信号は半ば冗談だが(導入してくれれば嬉しいけどね)、
現行のクソ入力インターフェイスに関しては、メーカーも何とか考えてもらいたい。



大分論点をずらしてしまったみたいだ。話を戻そう。

ともかく携帯電話のメールは
『時や場合を考えずに飛んできて』
『返信するのにも時間がかかり』
『返信しないと何故か文句を言われ』
『返信したら返信したで断続的に時間を消耗する』
わけで、あまり私としては使い勝手が良くない。

私のこういう性格をよく知っている人は、
メッセンジャーやパソコンのメールに連絡してくれるので、大変助かっている。
パソコンならば、殆どリアルタイムでやり取りする事も出来るし、
パソコンの前にいないときに介入される事もないし、入力は速やかに行えるし、いい事ずくめなのだ。


もう1つ、私の連絡先を知らない人が多い件。
今までは私は、特別連絡が必要ない人とわざわざ通信する必要はないという考えから
何らかの事情なしに人の連絡先を知ろうとも思わなかったし、
その裏返しで逆に自分の連絡先を積極的に公開する気もなかった。
そして私の生活においては、それで困らなかった。

しかし私が、経済的な手法を応用した誘導政策を取ってからは話が変わった。
例の、福利厚生の一環としてのフィルムの安価販売の事だが、
制度上は、特定の条件を満たしていれば誰でも使えるという、システム上は公平な物だ。

だけどシステム上の公平と、実務上の公平は異なる。
つまり、システムを運営しているのが私である以上、
私に連絡しづらい人(色々な意味で)は、この制度を利用するのにハードルが出来る。
何人かの人からは、この現状を何とかするよう指導が入っているが、これについて妙案はない。
本来、私がもう少し積極的なコミュニケーションを心がければいいだけなのかもしれないが。

一部の人達は、私の心裡留保(望んでいる事と実際にやっていることが異なる)状態を敏感に察知して
フォローしてくれはするのだが、それを素直に受け止められないのも悲しい性である。
まあ、喪男の習性ということで勘弁して欲しい。


ともかく私自身も、なるべく来た連絡に対しては放置しないように努めるし
よっぽど忙しい時以外は事務連絡以外でも対応するようにしようと思う。
別に、意図的に交流を拒絶しようとしているわけではない事をご理解いただければありがたい。