2006/10/30 神無月三十日



「自宅からひたすら真っ直ぐ、真っ直ぐいけなくなったら右折、それも無理なら左折、
 こうやって道路を進んだら、どこにたどり着くんだろう?」

今日の意味不明なドライブは、弟のこの台詞から始まった。
自宅から特定のルールに従って走り続ける。ただそれだけだ。

もともと、北海道道の駅ラリーの完全制覇賞をもらいに
中山峠へと行く予定だったのだが、スタンプ帳が見つからず
このような不思議な道路走行を行うことになった。

さて、今回の走行ルールは

一、ひたすら直進できる限り直進する
二、直進する道がない場合は右折する(交差点内に複数の右折可能な道路がある場合、一番直進に近い角度の右折を行う)
三、直進も右折も出来ない場合は左折する(交差点内に複数の左折可能な道路がある場合、一番直進に近い角度の左折を行う)
四、道路交通法上、進入が許されない道路には入らない。
五、行き止まりに差し掛かる、もしくは無限ループが完成したところで終了。そこを到達点とする。
六、国道などの主要幹線で札幌市外に出た場合、そこで暫定終了とする。

今日の内容は、実際にそこを走った人じゃないとわからないような、
道路についての描写が多くなると思われる。
できれば主要な交差点については写真を添付したいところだが、
運転中に撮影するのは難しいので、ご容赦願いたい。

さて、最初に到達点の予想を行ってみる。
私の予想は「藻岩山にぶち当たって終わり」
弟の予想は「札幌市外に出て六のルールで終わる」

石狩街道などの主要国道に乗った場合、延々と右左折することなく進行し
札幌市の範囲をはみ出すことは容易に想像できるので、案外弟の予想があたるかもしれない。
ともかく、不思議な冒険に出発。


自宅を出て環状通へと突入、南十九条橋を渡り、ひたすら環状通を西へ行くところからこの旅は始まる。
普段よく移動している札幌市、この道は円山の裏を越えて、西区や手稲区に向かう時に利用する道、
しばらくして環状通と道道札幌環状線(道道89号線)は分離し、
直進の結果、車は道道札幌環状線(この部分の名前は藻岩山麓通)へと進む。

藻岩山ロープウェイ乗り場、今シーズンの営業を終えたちざきバラ園のそばを通り、
伏見、旭ヶ丘と地名は変わっていく。
そのまま界川、双子山と、藻岩山麓通に乗って移動していくかと思っていたが
本線はゆるやかに左カーブをしているため、直進する事により離脱、
ルートは菊水旭山公園通の東行きに乗った。
さきほどまでは西を目指すと見られていたが、今度はひたすら東を目指すことに。先は全く読めない。

再び市電の線路を2回渡り、中島公園の駅を見つつ、今度は南大橋で豊平川を渡る。
また豊平区に戻ってきた。水車町、旭町を経て、国道453号線にぶつかる。
国道453号線とのクロスは、右と斜め前方左に道があり、
その斜め前方左が、直進になるか左折になるかで少し議論があったが、
結局『直進』であると言う事で、豊平方面へと進路をとる。
先ほど上述した定義だと、ルートが『直進』の解釈で分かれる可能性があるのだな。
とはいっても、これについて確定する明確な定義は思いつかず、
交差点ごとに判断すると言う、裁量が入る形の決着に任せることにした。

国道453号線の終点に着くと同時に国道36号線を横切り、車は白石区の菊水へと入る。
そして道道札幌夕張線(道道3号線)にぶつかり、右折して東行きの流れに乗る。
道道3号線は、途中で南郷通と合流し、厚別区内で右へ分離していく。
その結果、直進方向に残るのは南郷通で、南郷通の終点は野幌森林公園であることは確認済みだ。
(正確には、野幌森林公園内にも道路は続いているのだが、一般車進入禁止なのだ)
という事で、到達地点が読めたかと思ったが、菊水の円形歩道橋、
すなわち南郷通との合流点で、本線は少し右にそれている。
直進方向に、小さな道があったため、進路はそちら。
また、到達地点は全く読めなくなった。

左に札幌コンベンションセンターを眺めつつ、車は東へ。
道はほぼ南郷通と並行しているのだが、日章中学校付近で突き当たり右折、また豊平区方面へと向きが変わる。
ここらへんはふだん良く移動する場所ではあるのだが、
普段移動する際は、主要道路を通るため、細い道がどのような位置関係になっているのかを考える事はあまりない。
ましてや、この道をずっと真っ直ぐ行ったら・・・・・・なんて考えない。そんな事をする機会がないからだ。
だから、この道はこの場所に通じているのか!と意外なつながりを見つけることになる。
日章中学校のところを曲がったこの道も、美園を経たのち、白石中の島通を斜めに横断、
そして豊平区役所の脇を曲がりながら上っていく道に繋がっているとは思いもしなかった。

今度は南区に突入か、そう思って道を進んでいくと平岸プールにぶち当たり、また右折。
ここは白石藻岩通、南二十二条橋へと繋がるルートだ。
さっきから何か、うちの近所ばかり移動している。
道路って、ひたすら直進したらループするように作られているのだろうか?

再度中央区に投入、市電と並走しつつ中央図書館を左に見て、藻岩山方向へ。
ここで市電のM101形車両に出会うも、道路が渋滞しているため
あっという間に見えなくなってしまった。

停車中に運転席の窓から。この角度から街を切り取ってみるのも面白い。

本線は電車事業所のところで右へと曲がっていったが、直進する細いルートがあったので進む。
電車事業所の裏手を通って、藻岩山麓通を横切る。先ほど通った場所だ。
このルールだと一度通った場所でも、進行方向が同一でなければOKだ。
横切る場合はもちろん、逆方向から来た場合でも、ルートが重複になる十分条件とは言えない。
伏見地区の住宅街を走りつつ、また右折、今度は行啓通を東に行く。
今度は幌平橋を渡って豊平区だ。

白石中の島通を東に行って行き着く先は、JR白石駅。
月寒高校時代に何百回も通った道である。
平岸駅、月寒高校、アサヒビール園を眺めつつ、
栄通、南郷通、本郷通、白石本通、平和通と移動しJR白石駅で右折。
何か、さっきから豊平区、中央区、白石区を行ったり来たりしているだけだ。
そろそろもう少し別の世界へ行きたいところである。
とはいっても私は道のままに進むだけ、どこに着くかは道次第。

少し函館本線と並走した後、踏切を前にしてまた右折、またも豊平区へ戻されそうである。
平和通、白石本通、本郷通、南郷通、栄通、そしてまたまた豊平区、今度は月寒東、
どうしても豊平区に戻ってきてしまう。
月寒東のある交差点で右折、この道路は国道36号線とほぼ並行する道路だ。
月寒丘を駆け下り、美園、豊平と移動する、これは36号線と殆ど一緒だが
この道路には、豊平川を渡る橋がない。
そのため豊平川を目の前にして右折、豊平川の右岸をひたすら下流に向かって進む。

一条大橋、瑞穂大橋、東橋、平和大橋と道は進むが、
川と並行する道路は、一向に曲がることはなく先へ進む。
そして前に見えてきたのはJR函館本線、右岸に続く道もここで終わりだ。
右折した後、南七条米里通のアンダーパスの横に出てくる。
線路に近すぎるため、こちらからアンダーパスに入る事は出来ず、
アンダーパスの上をぐるっと回る一方通行である。

そのまま南七条米里通に流れるかと思いきや、横にそれる小さな道を見つけ、そちらへ。
線路際を少し走ると突き当たり右折、さらに南行きもすぐに右折、そして・・・・・・

先ほどの平和大橋と上白石橋の間の川と並行する道路に到着した。
そこで右折すると言う事は、ループが完成し、あとはいくら走ってもここから抜け出せない事を意味する。
ルール6に基づき、ここが到達点だ。

自宅からひたすら進んだ先がこことは、想像だにしなかった。
もしかしたら、解釈次第で別の地点が到達点になるのかもしれない。
しかし、とりあえずここが1つの到達点であることは確かなようだ。


ちなみに今回通った全ルートを、地図にトレースするとこうなります。(マニア向け)
何度かルートを横切っているため、赤→青→紫の順に線の色を変えました。

環状通のスタート地点は、自宅の位置を特定されるのを防ぐため、中の島の交差点にずらしています。


無駄な時間と言えばそれまでだが、ただ漠然と道を走るのとは違った楽しみがある。
みなさんもやってみてはいかが?
ちなみに今度は、直進→左折→右折の順番(左折優先)、及び
右折左折を交互に、というルールで、どこにたどり着くかやってみようと思う。
出発点を自宅以外の他の何処かに変えるのもいいね。