2005/8/2 葉月二日 August Second





さて、私の試験も今日で最終日だ。今日は、行政法と宇宙科学の二つ。
先に行われる行政法の講義は、あまりにもつまらないため、
出席者数が常に1/3程度という有様だった。
試験問題を、Webページで事前に公表するという方法も、出席者数減に拍車をかけただろう。
試験方式は、6つの事前に公表された試験問題の中から3つが出題され、
その中から1つを選んで解答するというもの。もっと具体的に言うと、

現代国家における政治と行政の関係について論じなさい。
大統領制と議院内閣制の違いについて論じなさい。
政策実施過程について論じなさい。
日本の行政のおける意志決定の特徴について論じなさい。
戦後日本の行政組織の特徴について論じなさい。
ギルバートの行政統制の類型を示し、それぞれの事例を述べなさい。

この6つの中から、本試験では3つが提示され、一つを解答するわけだ。
さて、ここで各問題を見てみると、最後の一つだけは、
「論じなさい」ではなく「述べなさい」だ。
おそらくこの問題は、他の問題より簡単だろう。

そしてもう一つ、各問題に対する解答を用意した場合の成功確率と労力を考えてみる。
3題の出題のされ方は、6C3であり20通り。
よって、対策した問題の数と、対策した問題が出題される可能性は以下の通りである。

 
対策問題数出題確率
 0問   0%
 1問  50%
 2問  80%
 3問  95%
 4問 100%
 5問 100%
 6問 100%
つまり4問以上対策していけば、どんな問題が出ても必ず対応できる。 まぁそんなことは、わざわざこんな表にしなくても誰でもわかるけど。 逆に、問題の対策にかける労力をできるだけ最小限にして、 最大の効率を上げたい場合はどうするか。 それぞれの出題確率を、対策問題数で割って算出する。  
対策問題数出題確率効率
 0問   0%
 1問  50%0.5
 2問  80%0.4
 3問  95%0.317
 4問 100%0.25
 5問 100%0.20
 6問 100%0.167
以上のことから、一問だけ勉強するのが最も効率が良いのですな。 ということで私は、ギルバートの一問だけ対策して試験に臨むことにした。 そして予想通り、ギルバートの問題は出題された。 あとは用意しておいた答えをズラズラと書き連ねるだけ。 そのためか、受験者の大半が30分経過して退出可能になった時点で 一斉に席を立ち、去っていった。しかし相変わらず退出後もうるさかった。 頃合いを見て私も席を立った。 さて、次の試験開始までは、2時間半程度の時間がある。 資格試験なら、その間に少しでも勉強を進めるが、 次の宇宙科学は“計算・検索・通信可能な機器を除いて全て持ち込み可”と銘打たれている。 だから、直前たたきをやっても、あまり意味がない。 大学の前でヒューマンウォッチングでもして時間を潰すかな? でも、別の試験時間中だし、隣の高校生は夏休みだし、あまり楽しくなさそうだ。 待てよ?“計算・検索・通信可能な機器を除いて全て持ち込み可”なんだよな? まぁ実際は、機械類の持ち込みが禁止らしいですが、 紙の資料なら何を持ち込んでもいいとのお達しが出ている。 そうだ、今から図書館に行って、持ち込む資料を探そう。 持ち込んだ物を使わないことは自由だから、 試験場の自らの机のスペースを埋め尽くして身動きが取れないとか、 本が重すぎて試験教室に向かえないとか、そう言う状態にならない限り損はしない。 ということで、テスト勉強の人でにわかに賑わう図書館へと向かう。 勉強しているように見えて、実は寝ている人も結構いるようではある。 図書館から借りられる本の冊数は5冊、この5冊という範囲の中で どのような本を持ち込むか?思案どころだ。 全く宇宙と関係ない書籍を持ち込むのも面白そうではあるが、 噂ではこの宇宙科学の試験は、何でも持ち込める代わりに難しいらしい。 理系科目で不合格になったら洒落にならないので、 一応戦力として使える本をピックアップする。 私が図書館から借りたのは、天文学に関する分厚い辞典が4冊と、物理学に関する辞典が1冊。 他の人も同じ試験を受けるのに、1人で辞典を4冊も独占するのはどうかと思ったが 図書館でこの試験の勉強をしている人たちは、辞典を利用しようとはしていないようだし 試験開始30分前になってから借りる人も、私以外にはいないと思うので遠慮なく借りてきた。 けっこう重いし、鞄に入りきらないので、そのまま抱えて試験教室へと向かうことにする。 張り出された座席表示を見る受験者。 手前の人がドアを開けていなければ、もう少しいい構図になったな。 図書館で借りた本以外にも、3冊の本を持ち込む。 1つ目は授業で使ったテキスト。試験は授業の内容をベースに行うのでこれは当たり前。 2つ目は高校地学の教科書。月寒高校では地学の授業は無かったが、 私は自力で地学を学習したため、手元に教科書がある。 私の他にも2名、地学を学んだ人がいて、それぞれ別々の教科書を使っていた。 ちょうど刊行されている高校地学の教科書が3種類だったから、 示し合わせて別々のものを選んだのだ。 そういや今年の北大入試で、始めて地学を実践投入したんだった。まあそのことはいいや。 3つ目は理科年表、中学校時代の私の愛読書だ。 またちょっと過去の話にさかのぼるが、 中学校の時、伏見という理科教師がいて、私はその教師にいつも勝負を挑んでいた。 もっとも、大学で学んだ教師と、中学生がまともに勝負できるわけがない。 だから私は、理科年表などの資料を駆使して、必死に食らいついていく。 そんなことを日常的に行っていれば、当然のごとく理科の知識が増える。 だからこの伏見先生は、私のこれまでの理科系人生において 一番重要な役割を果たしていると言っても過言ではない。 もっとも今の私は何故か法学部にいるわけだけど。 過去の話が無駄に長くなってしまったが、とりあえずこれだけの資料を持ち込んだ。 私の近くの座席の人は、私が持ち込んだ大量の資料を見てちょっと圧倒されていた。 この講義の担当講師も 「おおっ、凄い量の資料やなぁ」 と驚いていた。とりあえず周囲にプレッシャーをかけることには成功した。 ほどなくして、問題が配られて試験開始だ。 試験問題はその殆どが空欄補充式、しかも選択式。 殆ど授業で利用したテキストだけで、特に苦労することなく解答できる。 他には地学の教科書と、天文辞典一冊を知識の裏付けのために使ったが、それ以外は出番無し。 順調に試験問題を進めていくと、最後に面白い問題があった。 こうすればもっと授業が良くなる という提案を書いてください。(1つ1点、3つまで) ある意味一番難しい設問だぞこれは。何を書いても点数くれるんだろうか? といっても、唐突に聞かれてもなかなか思い浮かばないな。 ということで、この問題に一番時間を注いでしまった。 これで私の大学の試験は全て終了しました。 他の人は夏休みに入りますが、私の夏休みはこれで一旦打ち切りです。 何故かというと、まず4日後にエネルギー管理士(熱)試験、 その2週間後には三種電気主任技術者試験、 さらにその1週間後には社会保険労務士試験が控えていますから。 8月28日に社会保険労務士試験が終了するまで、勉強の日々が続く・・・・・・予定。 よく考えると、そもそも私に休みなんてないはずなんですけどね・・・・・・。 試験が終了して、大学から帰る人たち。世間一般の学生はこれから長いお休みだ。