2005/4/24 卯月二十四日 April Twenty-Fourth



昼食を食べ終わると、親に本棚の解体を頼まれた。
バールを渡すから、それでぶっ壊してくれということらしい。
なつみSTEPに出てくるような巨大なバールが出てくるのかな?
と一瞬思ったけど、当然そんなわけは無かった。
物を分解するのは楽しいのだが、まだ使えるものをゴミへと変える作業だと考えると少し悲しい。
数十分を経ると、先ほどまで棚だったものが、板切れの山と化していた。
数日後にはこの板切れは、灰と二酸化炭素になっていることだろう。

本日は、ひたすらゲームで遊んでいた。今の私は、日曜日こそ勉強しなければならないのに。
小学生、中学生の時は、勉強をする必要もなかった(正確には無いと思っていた)ため、
毎日のように、時間の大半をゲームに費やしていた。
とは言っても、親によるプレイ時間制限がかかってくるので、延々とできるわけではない。
親の目を避ける為、恐ろしく早く寝て、夜中に起きて3時から5時くらいまで
ゲームをやって、また寝ていたと言う時期もあった。
今はどれだけゲームで遊んでいようが、親は何も言わない。

現状維持なら、日曜日は足踏みしていようが問題ないが、
上を目指そうとするなら、日曜日を休日にしてはダメだ。
平日が激務で、休む暇も無いなら話は別だが、今の私は当然そんな状況に無い。
平日を国庫支出金(使用目的が限られている)とすれば、
休日は地方交付税交付金(使用目的が限られていない)になるだろうか?
何に使ってもいいが、無駄なことに使うと、住民から叩かれる。
ただ、個人の時間の使い方に住民なんていないから、
どんなに無駄な使い方をしようと叩く人はいない。しいて言えば、未来の自分くらいか。

小中学生の頃、死格の世界を知っていたらどうなっていただろうなぁ。
ゲームの時間が、半分、いや三分の一でも資格試験の勉強に当てられていたら
すごいことになっていたかも。それともそっちに走りすぎて高校受験ですら失敗していたかも?
(高校受験は特に勉強せずに受けたから、それは無いと思うけど)
そうだ、肝心なことを忘れていた。小中学生の時に、
そんな予算はどこからも出てこないや。

とにかく今日は過ぎてしまった。複数ある天井のうち、1番低い天井なんて見るな。
特に私の場合は、一番下の天井はまやかしの物だろう。

そういや今日、面白い話を見つけた。
労働者を保護するための最低賃金法が、労働者を解雇せざるを得ない状態を作り出しているらしい。
元来、完全歩合制を採用していた零細企業が、最低賃金法を遵守したことにより
収入<人件費ということになってしまったと言う事例だ。
賃金が完全歩合制なら、売上に応じて費用も増減するという変動費の性質が強いが
最低賃金を導入すると、その部分は固定費になる。
固定費とは、たとえ商品が売れようが、売れなかろうが必ず発生する費用のことだ。
一般的に、商品はが売れる場合は固定費主体、売れない場合は変動費主体の方が
支出が少なくなる傾向にある。(支出の規模が同じなら)
この事例の場合、最低賃金法の遵守により、
社員数×最低賃金の固定費が発生することになった。
以前なら、収入が少なかった時は、自然に支出も減った。

最低賃金法の目的は次の通りである。

この法律は、賃金の低廉な労働者について、事業若しくは職業の種類又は地域に応じ、
賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、
もつて、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、
国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

法律は、大体最初のほうに、法律の目的などが書かれている。
それはいいとして、この法律は労働者の為のものである。
と言うことは、それを遵守したことにより解雇が発生したとしても
賃金の最低額以下で働くのは嫌と考えるのが自然だと言うことになる。
が、しかしこの事例で解雇予告をされた社員は
「最低賃金の保証なんて必要ないから、会社に残りたかった」
そういい残していた。

法律には任意規定と強行規定がある。
どういうものか説明する為に、たとえば借金の利率を例に取ってみる。

まず、民法404条にこうある。

利息を生すべき債権に付き別段の意思表示なきときはその利率は年5分とす。

次に出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律
(長いから出資法と呼ばれている、ここでも以下そう呼ぶ)の第5条第1項では

金銭の貸付けを行う者が、年百九・五パーセント(二月二十九日を含む一年に
ついては年百九・八パーセントとし、一日当たりについては〇・三パーセントとする。)
を超える割合による利息(債務の不履行について予定される賠償額を含む。以下同じ。)
の契約をし、又はこれを超える割合による利息を受領したときは、
三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 

こうある。

任意規定というのは、当事者間で法律に定めている条件とは異なる条件を決めた場合、
その異なる条件を適用することができる規定である。
たとえば、私がS.Tさんに、お金を年利1%で貸すという契約をしたとする。
民法404条では、年5分(年利5%)となっているが、
『年利1%で貸す』というのが別段の意思表示となり、この契約は有効だ。

強行規定というのは、当事者間で法律に定めている条件とは異なる条件を定めても、
その異なる条件は適用されず、法律の範囲内の条件しか認められない。
たとえば、私がS.Yさんに、お金を年利300%で貸すという契約をしたとする。
出資法5条第1項では、年百九・五パーセント(年利109.5%)を超えるのはダメだ
と書いているので、この契約は無効だ。
いくらS.Yさんが、この利息でもいいからお金を借りたいと言えども、
こんな利息で貸したら、出資法違反で私が逮捕される可能性がある。

法律をある程度やっている人は、この他に『利息制限法』というのが
あることを知っているだろうがここでは割愛する。

結局何がいいたいかと言うと、変な法律でも、任意規定の法律なら
あっても無くても変わらない無用の長物になるだけで済むが
強行規定の法律だと、その変な法律に束縛されることを避けられなくなる。

たとえば、仮にこんな法律があったとしよう。
「異性間で恋愛関係を締結する時は、氏名、住所、年齢、電話番号、学歴、職業及び年収、
 趣味、今までつきあった人の数を書面で恋愛の相手方に交付しなければならない」
まぁ、いろんな意味でおかしいと思うけど、許してほしい。
この条文に、「お互いの同意があった場合を除いて」という一文があって任意規定だとすれば、
わざわざこんなものの提出を求める人は稀だろうから、あっても殆ど意味が無いだけだ。
でも、強行規定だとそうはいかない。本人の意思とは関係なく
これをきちんと行わなければ恋愛できないと言うことになってしまう。

先ほどの、最低賃金法も強行規定だから、労働者が最低賃金を払わなくてもいいと
言ったところで、適用を逃れることは出来ない。
労働者の権利を守る為の法律が、
かえって労働者を解雇しなければならない状況を作るとは皮肉な物だ。

ゲームのやりすぎで、時間と頭が消耗しているようだ。
今日の日記はいつもに増して何が言いたいのか良くわからん。